計算問題の解き方・3/20

伝送時間と回線利用率の求め方

回線速度と送るデータ量が与えられ、伝送効率を考えた伝送時間(秒)か、制御情報を含めた回線利用率(%)を求める問題です。どちらも「ビットにそろえて、1秒あたりの量で割る」だけで解けます。

公開過去問での出題:本試験系 14 回・免除試験 33 回(観測値)

覚える式
  • 1バイト = 8ビット(1Mバイト = 8Mビット、M = 10^6)
  • 実効速度 = 回線速度 × 伝送効率
  • 伝送時間 = 送るデータ量(ビット) ÷ 実効速度
  • 制御情報込みのデータ量 = データ量 × (1 + 制御情報の割合)、またはヘッダのバイト数を足す
  • 回線利用率 = 1秒あたりに流すビット数(制御情報込み) ÷ 回線速度 × 100

解き方の手順

  1. データ量をビットに直します。バイトなら8倍し、k・Mなどの接頭語は問題の指定(ふつうはk=10^3、M=10^6)に従います。
  2. 制御情報やヘッダの条件があれば、ここでデータ量に足します。割合なら(1+割合)を掛け、バイト数が決まっているなら件数分を足してからビットに直します。
  3. 伝送時間を聞かれたら、回線速度に伝送効率を掛けて実効速度を出し、データ量を実効速度で割ります。
  4. 回線利用率を聞かれたら、データ量を送る間隔(秒)で割って1秒あたりに流すビット数を出し、回線速度で割って100を掛けます。時間あたりの件数で与えられたら、1秒あたりに換算してから計算します。
  5. 応答時間のように処理時間などの条件があれば、伝送時間を出したあとに足し、上りと下りがあれば両方の伝送時間を合計します。

例題

1.5M ビット/秒の伝送路を用いて 12M バイトのデータを転送するのに必要な伝送時間は何秒か。ここで,伝送路の伝送効率を 50% とする。

ア 16
イ 32
ウ 64
エ 128

出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問31(解き方は当サイト作成)

解き方と答えを見る
  1. データ量をビットにする: 12Mバイト × 8 = 96Mビット
  2. 制御情報の条件はないので、96Mビットのまま使います
  3. 実効速度: 1.5Mビット/秒 × 0.5 = 0.75Mビット/秒
  4. 伝送時間: 96Mビット ÷ 0.75Mビット/秒 = 128秒

答え:128秒(エ)

ひっかけ

  • バイトをビットに直し忘れると、12 ÷ 0.75 = 16秒になります(例題のア)。問題文の単位が「バイト」か「ビット」かを最初に必ず確かめ、バイトなら8倍します。
  • 伝送効率を使い忘れると、96 ÷ 1.5 = 64秒になります(例題のウ)。効率50%なら実際に使える速度は半分なので、時間は効率を考えないときより長くなるはずだ、と答えの大小で確かめられます。
  • 伝送効率を逆向きに使う(速度を効率で割る)と、実効速度が回線速度より速くなってしまいます(例題のイ)。実効速度は必ず回線速度以下になるように、掛け算で求めます。
  • 回線利用率では、制御情報やヘッダの加算を忘れたり、データ量をビットに直し忘れたりすると、小さすぎる値の選択肢に誘われます。「ビット化」「制御情報を足す」「1秒あたりにする」の3つを済ませたか確認してから割り算します。

類題(手順を使って解く)

類題 1

かかった時間(分)が与えられているので、秒に直して1秒あたりに流したビット数を出し、制御情報を含めてから回線速度で割る手順が試されます。

1G バイトの動画データを 40M ビット/秒の回線を使用してダウンロードしたところ,5 分掛かった。このときの回線利用率はおよそ何%か。ここで,ダウンロード時には動画データに 20%の制御情報が付加されるものとする。

出典:令和7年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題 問7(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

類題 2

ファイルをビットに直し、制御情報の割合を足してから、送る間隔で割って1秒あたりのビット数にする手順が試されます。

10 M ビット/秒の回線で接続された端末間で,平均 1 M バイトのファイルを,10 秒ごとに転送するときの回線利用率は何%か。ここで,ファイル転送時には,転送量の 20%が制御情報として付加されるものとし,1 M ビット=10^6 ビットとする。

出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問30(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

類題 3

伝票を何件かずつまとめて固定バイトのヘッダを付ける形で、1回に送るバイト数と1時間あたりの送信回数を数え、1秒あたりに換算する手順が試されます。

本社と工場との間を専用線で接続してデータを伝送するシステムがある。このシステムでは 2,000 バイト/件の伝票データを 2 件ずつまとめ,それに 400 バイトのヘッダ情報を付加して送っている。伝票データは,1 時間に平均 100,000 件発生している。回線速度を 1M ビット/秒としたとき,回線利用率はおよそ何%か。

出典:平成29年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問30(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

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