入出力インタフェースと入出力装置
USB・デイジーチェーンなど機器のつなぎ方と、ディスプレイ・3Dプリンタ・ディジタイザなどの入出力装置を見分けられるようになる。どの選択肢が正しい説明かを、仕組みのキーワード1つで判定できるのがゴール。
入出力装置の問題は計算がなく、「キーワード→装置名」の対応を覚えれば解ける得点源。とくにUSBは免除試験で毎年のように出ていて、PC周りの機器選びのときにも役立つ。
このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)結論:このレッスンで覚える対応表
このレッスンはキーワードと装置の対応だけで解ける。覚えるのは次の6つ。
- USB:ハブを使ってツリー状につなぐシリアル接続。ハブも含めて最大127台
- USB Type-C:上下どちら向きでも挿せる**小判型(角の丸い楕円)**のコネクタ
- デイジーチェーン:機器から機器へ数珠つなぎにする接続(ハブは使わない)
- ディスプレイ:プラズマ=ガス放電、有機EL=有機化合物で自発光、液晶=バックライトが必要、CRT=電子ビーム
- 3Dプリンタ:熱溶解積層方式などで材料を積み重ね、立体物を造る
- ディジタイザ:図面上の座標を読み取る入力装置(CADで使う)
USB:ハブでツリー状に広げるシリアル接続
USB(Universal Serial Bus)は、PCを根っこ(ルート)にして、ハブ(差し込み口を増やす分岐器)で枝分かれさせるツリー型の接続。データを1本の線で1ビットずつ順番に送るシリアル方式。規格上はハブも含めて最大127台までつなげる。
たとえるなら電源タップ。壁のコンセント(PC)にタップ(ハブ)を挿し、その先にさらにタップを挿して家電(周辺機器)を増やしていく形。ただしタップの先を壁に戻す(環状にする)ことはない。
押さえておく性質:
- ホットプラグに対応:PCの電源を入れたまま抜き差しできる。「電源を入れる前に接続が必要」は誤り
- ハブ同士は普通のUSBケーブルでつなぐ。「クロスケーブルで接続」はLANの話なので誤り
- USBはPCと周辺機器をつなぐもの。「ハブ経由でコンピュータ同士をつなぐ」はUSBハブの説明として誤り
flowchart TD
PC["PC(ルート)"] --> H1["ハブ1"]
H1 --> D1["周辺装置"]
H1 --> H2["ハブ2"]
H2 --> D2["周辺装置"]
H2 --> D3["周辺装置"]
接続図を選ぶ問題では、ハブで枝分かれする木の形が正解。ハブなしで1本の線に機器を並べたもの(バス型)や、最後の機器がPCに戻る輪(環状)は誤り。
インタフェースの見分け方(比較表)
USBの説明問題では、ほかの規格の説明が誤りの選択肢として並ぶ。**「シリアルかパラレルか」「つなぎ方」「有線か無線か」**の3点で判定する。
| 規格 | 転送方式 | つなぎ方・特徴 | よく出る誤りの言い回し |
|---|---|---|---|
| USB | シリアル | ハブでツリー状・最大127台・ホットプラグ | — (正解側) |
| ATAPI | パラレル | PC内蔵のCD/DVD装置をつなぐ | 「内蔵CD-ROM装置を接続するパラレル」 |
| SCSI | パラレル | ディスクやプリンタをデイジーチェーン | 「デイジーチェーンで接続するパラレル」 |
| IrDA | シリアル | 赤外線の無線通信 | 「赤外線でプリンタに転送」 |
| IEEE 1394 | シリアル | デイジーチェーンも可(ビデオカメラ等) | — |
| Thunderbolt | シリアル | デイジーチェーンで機器を数珠つなぎにできる | — |
| RS-232C | シリアル | 古い1対1の接続(計測機器など) | — |
「パラレル」「赤外線」と書いてあれば、USBの説明ではない。
USB Type-C:上下対称の小判型
USB Type-Cのプラグは、**角の丸い細長い楕円(小判型)**の断面で、上下2列に接点が並ぶ。上下対称なので裏表を気にせず挿せる。
| コネクタ | 断面の形 |
|---|---|
| Type-A | 長方形(PC側によくある大きい端子) |
| Micro-B | 台形(下の角が斜めに落ちている) |
| Type-C | 角の丸い小判型・上下2列の接点 |
図の問題では**「角が丸い」「接点が上下2列」**の図を選ぶ。
デイジーチェーン:数珠つなぎ
デイジーチェーンは、PC→機器1→機器2…と、機器から機器へ順番に数珠つなぎにする接続方式。中継のために、機器側に差し込み口が2つ(入力と出力)ある点が見分ける手がかり。デイジー(ひな菊)の花輪のように、つないだものがさらに次をつなぐイメージ。
| 接続 | 形 | 例 |
|---|---|---|
| デイジーチェーン | 数珠つなぎ(一列) | Thunderbolt対応ディスプレイ2台を1台目→2台目とつなぐ/IEEE 1394端子が2口あるカメラを順につなぐ/SCSI |
| ツリー(スター型の階層) | ハブで放射状に分岐 | USBハブにキーボード・マウス・プリンタ |
| スター型 | 中心のハブに全部が集まる | ネットワークハブにカメラとPCを接続 |
| 個別接続 | 機器ごとに別々の線 | PCと計測機器はRS-232C、プリンタはUSB |
試験では**「ポートが2口ある機器を順につなぐ」選択肢が正解になる。「ハブ」**という単語が出た時点でデイジーチェーンではない。
表示装置:光り方で見分ける
ディスプレイは自分で光るか(自発光)、何を使って光らせるかで区別する。選択肢には4方式の原理がそのまま並ぶので、1行ずつ当てはめれば解ける。
| 方式 | 光り方の原理 | 自発光? | 見分けるキーワード |
|---|---|---|---|
| プラズマディスプレイ | ガス放電で出る紫外線で蛍光体を光らせる | する | 「ガス放電」 |
| 有機ELディスプレイ | 電圧をかけると光る有機化合物。発光ダイオードの一種 | する | 「有機化合物」「発光ダイオード」 |
| 液晶ディスプレイ | 液晶で光の透過率を変える。各ドットを**TFT(薄膜トランジスタ)**で制御 | しない(バックライトが必要) | 「バックライト」「透過率」「TFT」 |
| CRTディスプレイ | 電子銃から電子ビームを蛍光体に当てる(ブラウン管) | する | 「電子銃」「電子ビーム」 |
「自発光型で発光ダイオードの一種」と聞かれたら有機EL。プラズマもCRTも自発光だが、発光ダイオードではない。
3Dプリンタとディジタイザ(1〜2問ずつ)
3Dプリンタは、熱溶解積層方式(樹脂を熱で溶かして1層ずつ積む)などで立体物を造形する出力装置。誤りの選択肢には、立体物を読み取ってデータにする3Dスキャナ、立体物に映像を映すプロジェクションマッピング、感熱紙に印刷する感熱式プリンタが並ぶ。
ディジタイザは、図面上の2次元・3次元の座標を読み取って入力する装置で、CADの図面入力などに使う。似た名前の装置とは入力か出力かで区別する。
| 装置 | 入力/出力 | 役割 |
|---|---|---|
| ディジタイザ | 入力 | 図面上の座標を読み取る |
| XYプロッタ | 出力 | ペンを動かして図面を描く |
| OCR | 入力 | 紙の文字を読み取って文字データにする |
| ライトペン | 入力 | ディスプレイ画面の上を指して位置を入力する |
試験での問われ方
- 「USBの説明はどれか」:パラレル(ATAPI・SCSI)や赤外線(IrDA)の説明が混ざる → 「ハブ・ツリー・シリアル」の選択肢を選ぶ
- 「USBハブの説明」:電源投入前に接続、クロスケーブル、PC同士の接続が誤り → 「最大127台」が正解
- 接続図の問題:環状やハブなしのバス型が誤り → ハブで枝分かれした木が正解
- 「デイジーチェーンはどれか」:USBハブ・ネットワークハブが誤り → 2口ある機器を順につなぐ選択肢が正解
- ディスプレイ:4方式の原理が並ぶ → キーワード(ガス放電/有機化合物/バックライト/電子ビーム)で当てはめる
要点(試験直前に読む)
- USB=ハブでツリー状・シリアル・ハブ込み最大127台・電源を入れたまま抜き差しOK
- USB Type-C=角の丸い小判型で接点が上下2列(Type-Aは長方形、Micro-Bは台形)
- デイジーチェーン=2口ある機器を数珠つなぎ(Thunderbolt・IEEE 1394・SCSI)。「ハブ」が出たら違う
- プラズマ=ガス放電/有機EL=有機化合物で自発光・発光ダイオードの一種/液晶=バックライト・TFT/CRT=電子ビーム
- 3Dプリンタ=熱溶解積層などで立体を造形。ディジタイザ=図面の座標を読み取る入力装置
ひっかけ
- USBの説明に「パラレル」「デイジーチェーン」「赤外線」が出たら誤り(それぞれATAPI/SCSI・SCSI・IrDA)
- USBハブで「電源投入前に接続」「ハブ同士はクロスケーブル」「PC同士を接続」は誤り。正しいのは「最大127台」
- USBハブやネットワークハブにつなぐ選択肢をデイジーチェーンと思わせる → ハブで放射状につなぐのはツリー/スター型
- 「自発光で発光ダイオードの一種」はプラズマやCRTではなく有機EL。液晶は自発光ではない
- 3Dプリンタの問題に3Dスキャナ(読取り)やプロジェクションマッピング(投影)の説明が混ざる。ディジタイザとXYプロッタは入力か出力かで見分ける
用語(21)
PCをルートとしてハブでツリー状に周辺機器をつなぐシリアルインタフェースで、ハブも含めて最大127台まで接続できる。
⚠ SCSIやATAPIはパラレル、IrDAは赤外線。「ハブでツリー状」ならUSB。
USBの差し込み口を増やす分岐器で、ハブの先にさらにハブをつないで階層を作れる。
⚠ LANのネットワークハブとは別物。ハブ同士をクロスケーブルでつなぐという説明はLANの話。
機器の電源を入れたままケーブルを抜き差しできる機能で、USBは対応している。
⚠ 「電源投入前に接続が必要」という選択肢は誤り。
データを1本の信号線で1ビットずつ順番に送る接続方式。
⚠ パラレルは複数の線で同時に送る方式。USB・IEEE 1394・IrDAはシリアル、SCSI・ATAPIはパラレル。
上下対称で裏表なく挿せるUSBコネクタで、断面は角の丸い小判型、接点は上下2列に並ぶ。
⚠ Type-Aは長方形、Micro-Bは台形の断面。
PCから機器へ、その機器から次の機器へと数珠つなぎに順番につなぐ接続方式。
⚠ USBハブやネットワークハブを使った放射状の接続(ツリー・スター)はデイジーチェーンではない。
磁気ディスクやプリンタなどをデイジーチェーンでつなぐパラレルインタフェース。
⚠ 「デイジーチェーンで接続するパラレル」はSCSIの説明で、USBではない。
PCに内蔵するCD-ROMやDVD装置をつなぐパラレルインタフェース。
⚠ 「内蔵CD/DVD装置用のパラレル」はATAPIでUSBではない。
赤外線を使って近くの機器と無線でデータをやり取りする規格。
⚠ 「赤外線」と書いてあればIrDA。USBは有線。
高速なシリアルインタフェースで、ポートを2口もつ機器同士をデイジーチェーンでつなげる。
⚠ USBハブを使ったスター状の接続とは区別する。
ビデオカメラなどをつなぐシリアルインタフェースで、デイジーチェーン接続ができる。
⚠ デイジーチェーン問題で「2口ある機器を数珠つなぎ」の例として出る。
ガス放電で生じた紫外線で蛍光体を光らせて映像を表示する自発光型のディスプレイ。
⚠ 有機ELは有機化合物の発光、CRTは電子ビーム。「ガス放電」ならプラズマ。
電圧をかけると光る有機化合物を使った自発光型のディスプレイで、発光ダイオードの一種。
⚠ 液晶はバックライトが必要な非発光型。「自発光で発光ダイオードの一種」なら有機EL。
液晶で光の透過率を変えて表示するディスプレイで、自分では光らないためバックライトを使う。
⚠ 「バックライト」「TFTで透過率を制御」なら液晶。自発光型ではない。
液晶ディスプレイで各画素(ドット)をひとつずつ制御する小さなスイッチ素子。
⚠ TFTの話が出たら液晶の説明。プラズマや有機ELの選択肢ではない。
電子銃から出した電子ビームを画面の蛍光体に当てて光らせるディスプレイ。
⚠ 「電子銃」「電子ビーム」ならCRT。
熱溶解積層方式などで材料を1層ずつ積み重ね、立体物を造形する出力装置。
⚠ 3Dスキャナは立体物を読み取る入力装置、プロジェクションマッピングは立体物に映像を投影する技術。
樹脂を熱で溶かして押し出し、層を重ねて形を作る3Dプリンタの造形方式。
⚠ 感熱紙に熱いピンを押し当てて印刷するのは感熱式プリンタ。
図面上の2次元・3次元の位置座標を読み取ってコンピュータに入力する装置で、CADの図面入力などに使う。
⚠ XYプロッタは図面を描く出力装置、OCRは文字の読取り、ライトペンは画面上を指す入力装置。
ペンを縦横に動かして図面を描く出力装置。
⚠ 座標を読み取って入力するのはディジタイザ。
紙に書かれた文字を読み取り、文字データに変換する入力装置。
⚠ 座標を読むのはディジタイザ。OCRは文字。
このレッスンの過去問
- USBの特徴(ハブによるツリー接続)平成21年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問11
- USB Type-Cコネクタの形状平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問11
- デイジーチェーン接続方式の定義令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問14
- 表示装置の種類と特徴(有機EL等)平成22年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問13
- 3Dプリンタの機能(積層造形)平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問12
- ディジタイザの定義(座標入力装置)基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 200912 実施分 問12