入出力インタフェースと周辺機器
USB 3.0・HDMI・レーザプリンタ・タッチパネル・3Dプリンタについて、「どの説明がどの規格・方式のものか」を選択肢から見分けられるようになる。とくに、USB 3.0 と静電容量方式タッチパネルの問題を確実に取れるようにする。
このテーマは計算がなく、「正しい説明の言い当て」だけで1問取れる得点源です。ひっかけの選択肢は毎回ほぼ同じ顔ぶれ(SATA、IEEE 1394、SCSI、RS-232C、抵抗膜方式など)なので、主な特徴を1語ずつ覚えれば数分で点になります。
このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)結論:キーワード1語で答えが決まる
このレッスンの問題は、キーワードを1つ覚えれば解けます。
- USB 3.0 → スーパースピード(5Gビット/秒)
- HDMI → 音声と映像を1本で送る
- レーザプリンタ → dpi と ppm
- 静電容量方式 → 電界と表面電荷の変化
- 材料押出法 → 溶かした樹脂をノズルから押し出す
ひっかけの選択肢には、ほかの規格の正しい説明が使われます。どの説明がどの規格のものかを言えるようにしておけば、消去法でも解けます。
USB 3.0:「スーパースピード 5Gbps」がすべて(最頻出)
USB 3.0 は、スーパースピードと呼ばれる最大 5Gビット/秒の転送モードをもつシリアルインタフェースです。シリアルインタフェースとは、データを1本の線で1ビットずつ順番に送る接続方式のことです。対になるパラレルインタフェースは、複数の線で同時に何ビットも送ります。
USB 3.0 は旧規格との互換性があり、4つの転送速度をもちます。いちばん速いスーパースピードは、外付け磁気ディスクのような大容量の機器をつなぐときに使われます。
| 転送モード | 最大速度 | 登場した規格 |
|---|---|---|
| ロースピード | 1.5Mビット/秒 | USB 1.x |
| フルスピード | 12Mビット/秒 | USB 1.x |
| ハイスピード | 480Mビット/秒 | USB 2.0 |
| スーパースピード | 5Gビット/秒 | USB 3.0 |
たとえるなら、USB 3.0 は「一般道(旧モード)も走れる高速道路」です。古い機器をつないでも、その機器の速度で動きます。
USB 3.0 の問題に出るひっかけ選択肢
誤りの選択肢には、ほかのインタフェースの正しい説明が書かれています。下の表で、選択肢の特徴がどの規格のものかを見分けられるようにしましょう。
| 選択肢に出る特徴 | 正体 | 見分けるキーワード |
|---|---|---|
| 4対の信号線・1クロック2ビット・1Gビット/秒 | 1000BASE-T(LAN) | 「4対」「1Gビット/秒」 |
| ATA をシリアル化したもの | SATA(シリアルATA) | 「ATA」 |
| アイソクロナス転送・音声映像向け・FireWire | IEEE 1394 | 「アイソクロナス」「FireWire」 |
| 磁気ディスクやプリンタをつなぐパラレル接続 | SCSI | 「パラレル」 |
| もとはモデム接続用のシリアル規格 | RS-232C | 「モデム」 |
| スーパースピード・5Gビット/秒・4つの速度 | USB 3.0 | 「スーパースピード」 |
アイソクロナス転送(等時性転送)とは、一定の時間ごとに決まった量のデータを送る方式です。途切れると困る音声や映像の再生に向いています。
HDMI と映像系のインタフェース
HDMI は、ディジタルの音声と映像を1本のケーブルで合わせて送る規格です。テレビとレコーダをつなぐケーブルがこれにあたります。
| 規格 | 正しい特徴 | 過去問の誤った選択肢 |
|---|---|---|
| HDMI | ディジタルの音声と映像を1本で送る | (正解) |
| DVI | ディジタルの映像を送る(音声は送らない)。R・G・B は別々の信号線で送る | 「RGB を同じ信号線で送る」は誤り |
| D端子 | 日本独自のアナログ映像端子 | 「ディジタル映像信号に対応」は誤り |
| i.LINK(IEEE 1394) | ディジタルビデオなどの音声・映像はアイソクロナス転送で送る(IEEE 1394 は非同期転送にも対応するが、映像向けの特徴はアイソクロナス転送) | 「ディジタルビデオに対応した非同期転送」は誤り |
この問題の選択肢のうち、説明が正しいのは HDMI だけです。
レーザプリンタの性能指標:dpi と ppm
レーザプリンタの性能は、解像度を dpi、印刷速度を ppm で表します。dpi は1インチ(2.54cm)あたりのドット数で、ppm は1分間に印刷できるページ数です。
| プリンタ | 印字のしかた | 性能の指標 |
|---|---|---|
| レーザプリンタ | ページ単位でまとめて印刷する | dpi・ppm(ページ/分) |
| ドットインパクトプリンタなど | 文字単位・行単位で印字する | 文字/秒・行/秒 |
レーザプリンタは「ページプリンタ」なので、速度もページで数えます。選択肢に「文字数/秒」や「行数/秒」が出てきたら、ページ単位でない時点で誤りです。
タッチパネル:静電容量方式は「電界」と「電荷」
静電容量方式は、パネルの表面に電界をつくり、指が触れた部分の表面電荷の変化から位置を検出します。人の体はわずかに電気を通すので、指が近づくと電荷が指のほうへ流れます。スマホの画面に手袋のまま触れても反応しにくいのは、このためです。
| 方式 | 位置を検出するしくみ | 選択肢のキーワード |
|---|---|---|
| 静電容量方式 | 表面の電界と、触れた部分の表面電荷の変化 | 「電界」「表面電荷」 |
| 抵抗膜方式 | 電圧をかけた抵抗膜を押したときの抵抗値の変化 | 「抵抗膜」「抵抗値」 |
| 赤外線方式 | 指が赤外線ビームを遮ることで起きる変化 | 「赤外線」 |
| マトリックススイッチ方式 | 格子状の電極スイッチのうち、導通した電極 | 「マトリックス」「電極スイッチ」 |
過去に2回、ほぼ同じ選択肢で出題されています。問題文が「静電容量」なら、答えは「電界・表面電荷」の選択肢です。
3Dプリンタ:材料押出法は「溶かして押し出す」
材料押出法は、熱で溶かした熱可塑性樹脂(熱で柔らかくなる樹脂)をノズルから押し出して、1層ずつ積み重ねる方式です。ケーキにクリームを絞り出して層を重ねるイメージです。
| 造形方式 | しくみ | 見分けるキーワード |
|---|---|---|
| 材料押出法 | 溶かした熱可塑性樹脂をノズルから吐出して積層する | 「熱で融解」「熱可塑性」 |
| 液槽光重合(光造形) | 液体の光硬化性樹脂に紫外線レーザーを当てて硬化させる | 「紫外線レーザー」 |
| 結合剤噴射 | 敷き詰めた粉末に結合剤を吹き付けて固める | 「粉末」「結合剤」 |
| 材料噴射 | 光硬化性樹脂をノズルから噴射し、紫外線で硬化させる | 「噴射」+「紫外線」 |
「ノズル」はいくつかの方式に出てくるので、決め手にはなりません。**「熱で溶かす」**の有無で判断します。
要点(試験直前に読む)
- USB 3.0 = スーパースピード 5Gビット/秒のシリアルインタフェース。4つの転送速度をもつ
- HDMI = ディジタルの音声と映像を1本で送る。DVI は映像だけ、D端子はアナログ
- レーザプリンタの性能 = dpi(1インチあたりのドット数)と ppm(1分あたりのページ数)
- 静電容量方式 = 電界と表面電荷の変化で位置を検出する。抵抗膜方式は抵抗値、赤外線方式はビームの遮断
- 材料押出法 = 熱で溶かした熱可塑性樹脂をノズルから押し出して積層する
ひっかけ
- USB 3.0 の問題では、1000BASE-T(4対の信号線・1Gビット/秒)、SATA(ATA のシリアル化)、IEEE 1394(アイソクロナス転送・FireWire)、SCSI(パラレル)、RS-232C(モデム)の説明が誤りの選択肢として出る。「スーパースピード」と書いてある選択肢を選ぶ
- 「アイソクロナス転送」は IEEE 1394 の特徴として出る。USB 3.0 の問題では、「アイソクロナス」を見たらまず IEEE 1394 の説明を疑う
- 映像系の規格の問題では、この問題の選択肢の中で「音声と映像を合わせて送る」と正しく言えるのは HDMI。D端子はアナログ、DVI は R・G・B を別々の線で送る。i.LINK のディジタルビデオ向けの転送はアイソクロナス転送で、「非同期転送」と書いた選択肢は誤り
- プリンタの指標に「文字数/秒」「行数/秒」が出てきたら、ドットインパクトプリンタなどの指標。レーザプリンタはページ単位なので ppm
- 3Dプリンタは「ノズル」だけでは方式を判断できない。「熱で溶かす」なら材料押出法、「紫外線」なら光造形か材料噴射、「粉末に結合剤」なら結合剤噴射
用語(16)
スーパースピード(最大5Gビット/秒)を含む4つの転送速度をもつ、周辺機器接続用のシリアルインタフェース。
⚠ SATA(ATA のシリアル版)や IEEE 1394(アイソクロナス転送)と混同しやすい。「スーパースピード・5Gビット/秒」なら USB 3.0。
USB 3.0 で追加された最大5Gビット/秒の転送モード。
⚠ USB 2.0 のハイスピード(480Mビット/秒)と取り違えやすい。「スーパー」は 3.0 の名前。
データを1ビットずつ順番に送る接続方式。
⚠ パラレルインタフェースは複数ビットを同時に送る。USB・SATA・IEEE 1394・RS-232C はシリアル、SCSI はパラレル。
パラレル方式だった ATA をシリアル化した、内蔵ディスクなどの接続規格。
⚠ 選択肢に「ATA をシリアル化」とあれば SATA の説明で、USB 3.0 ではない。
音声や映像の転送に向いたアイソクロナス転送をもつシリアルインタフェース。非同期転送にも対応する。
⚠ 「アイソクロナス」「FireWire」「i.LINK」とあれば IEEE 1394。USB 3.0 ではない。
一定の時間間隔で決まった量のデータを送り、音声や映像を途切れずに届ける転送方式。
⚠ 非同期転送は、データを送る時間の間隔を保証しない方式。ディジタルビデオ向けなのはアイソクロナス転送。
コンピュータと磁気ディスクやプリンタなどの周辺機器をつなぐパラレルインタフェース。
⚠ 「パラレル」とあれば SCSI。USB はシリアル。
もとはモデム接続用だったシリアルインタフェースで、のちに周辺機器の接続にも使われた。
⚠ 「モデム」とあれば RS-232C。
ディジタルの音声と映像を1本のケーブルで合わせて送るインタフェース規格。
⚠ DVI はディジタル映像だけで、音声は送らない。
ディスプレイにディジタル映像を送る規格で、R・G・B は別々の信号線で送る。
⚠ HDMI と違って音声は送らない。「RGB を同じ信号線で送る」は誤り。
日本で使われてきたアナログ映像信号用の端子。
⚠ 名前に D が付いていてもディジタルではない。
1インチ(2.54cm)あたりのドット数で表す、印刷や表示の解像度。
⚠ ppm は速度の指標。dpi は細かさ、ppm は速さ。
1分間に印刷できるページ数で表すプリンタの速度。
⚠ 「文字/秒」「行/秒」はドットインパクトプリンタなどの指標。
パネル表面に電界をつくり、指が触れた部分の表面電荷の変化から位置を検出するタッチパネルの方式。
⚠ 抵抗膜方式は、押して変わる抵抗値で検出する。「電界・電荷」なら静電容量方式、「抵抗値」なら抵抗膜方式。
電圧をかけた抵抗膜を押したとき、その部分の抵抗値の変化から位置を検出するタッチパネルの方式。
⚠ 静電容量方式と混同しやすい。キーワードは「抵抗膜」「抵抗値」。
熱で溶かした熱可塑性樹脂をノズルから押し出し、1層ずつ積み重ねて形をつくる3Dプリンタの造形方式。
⚠ 光造形(液槽光重合)や材料噴射は、紫外線で樹脂を硬化させる。「熱で融解」なら材料押出法。
このレッスンの過去問
- USB3.0の転送速度平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問12
- HDMIの定義(音声映像一体伝送)基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20160724 実施分 問73
- レーザプリンタの性能指標(dpiとppm)基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20220612 実施分 問14
- タッチパネルの方式(静電容量方式)平成25年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問12
- 3Dプリンタの造形方式(材料押出法)基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20260726 実施分 問10