計算問題の解き方・1/20

稼働率の求め方(直列・並列、MTBF・MTTR、可用性からの許容停止時間)

MTBF・MTTR から装置 1 台の稼働率を出し、装置を直列・並列につないだシステム全体の稼働率を求める問題です。SLA の可用性(%)から、1 か月に止まってよい時間を逆算する問題も出ます。

公開過去問での出題:本試験系 26 回・免除試験 54 回(観測値)

覚える式
  • 稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR)
  • 直列(全部動く必要がある): A × B × …
  • 並列(どれか 1 台動けばよい): 1 − (1 − A)(1 − B)… 同じ稼働率 A が n 台なら 1 − (1 − A)^n
  • 許容停止時間 = サービス時間の合計 × (1 − 可用性)

解き方の手順

  1. MTBF と MTTR が与えられたら、まず装置ごとに稼働率 = MTBF ÷ (MTBF + MTTR) を計算します。MTBF は平均故障間隔(故障から次の故障までの稼働時間の平均。信頼性の指標)、MTTR は平均修復時間(修理時間)です。
  2. 問題文や図を読み、「全部が動かないといけない部分」(直列)と「どれか 1 台が動けばよい部分」(並列)に分けます。
  3. 並列の部分を先に 1 つの稼働率にまとめます。各装置の止まっている確率 (1 − 稼働率) を掛け合わせ、それを 1 から引きます。
  4. まとめた並列部分と残りの装置を直列とみなし、稼働率をすべて掛け合わせてシステム全体の稼働率にします。
  5. 可用性から停止時間を求めるときは、サービス時間帯の 1 日の時間 × 日数でサービス時間の合計を出し、(1 − 可用性) を掛けます。

例題

装置 a と b の MTBF と MTTR が表のとおりであるとき,a と b を直列に接続したシステムの稼働率は幾らか。
単位 時間
装置MTBFMTTR
a8020
b18020

ア 0.72
イ 0.80
ウ 0.85
エ 0.90

出典:平成23年度 特別試験 基本情報技術者試験 午前 問16(解き方は当サイト作成)

解き方と答えを見る
  1. 装置 a の稼働率 = 80 ÷ (80 + 20) = 80 ÷ 100 = 0.8
  2. 装置 b の稼働率 = 180 ÷ (180 + 20) = 180 ÷ 200 = 0.9
  3. a と b は直列なので、どちらも動いている必要がある
  4. システムの稼働率 = 0.8 × 0.9 = 0.72

答え:0.72(ア)

ひっかけ

  • 直列なのに稼働率を平均したり、片方の値だけを使ったりする思い違いです。例題では平均すると 0.85(ウ)、a だけなら 0.80(イ)になります。直列は必ず掛け算で、つなぐほど元の値より小さくなります。
  • 並列を 1 − A × B や (1 − A)(1 − B) で済ませる思い違いです。並列は「全部が同時に止まる確率」(1 − A)(1 − B)… を 1 から引きます。並列にすると、1 台の稼働率より必ず大きくなることで検算できます。
  • 稼働率を MTTR ÷ (MTBF + MTTR) や MTBF ÷ MTTR にしてしまう思い違いです。分子は動いている時間の MTBF、分母は 1 回の故障サイクル全体 (MTBF + MTTR) で、答えは必ず 0〜1 の間になります。
  • 許容停止時間で、24 時間 × 日数を母数にしたり、可用性そのもの(99.5% など)を掛けたりする思い違いです。母数はサービス時間帯の時間だけで、掛けるのは止まってよい割合 (1 − 可用性) です。

類題(手順を使って解く)

類題 1

MTBF と MTTR が毎年変わるので、6 年後の値を先に出してから稼働率の式に入れる手順 1 が試されます。

MTBF は 4,000 時間,MTTR は 1,000 時間の装置がある。今後の 6 年間は,予防保守によって MTBF を前年に比べて毎年 100 時間ずつ改善し,遠隔保守によって MTTR を前年に比べて毎年 100 時間ずつ改善していく計画である。6 年経過後の稼働率は幾らか。

出典:令和7年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題 問4(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

類題 2

同じ 2 台を並列でつないだときと直列でつないだときの稼働率をそれぞれ出す、手順 3・4 の使い分けが試されます。

2 台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と,2 台とも正常に動作しなければならないときの稼働率の差は幾らか。ここで,処理装置の稼働率はいずれも 0.9 とし,処理装置以外の要因は考慮しないものとする。

出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問16(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

類題 3

サービス時間帯から月のサービス時間の合計を出し、(1 − 可用性) を掛ける手順 5 が試されます。

次の条件で IT サービスを提供している。SLA を満たすことができる,1 か月のサービス時間帯中の停止時間は最大何時間か。ここで,1 か月の営業日数は 30 日とし,サービス時間帯中は,保守などのサービス計画停止は行わないものとする。 〔SLA の条件〕 ・サービス時間帯は,営業日の午前 8 時から午後 10 時までとする。 ・可用性を 99.5% 以上とする。

出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問57(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

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