計算問題の解き方・11/20
損益分岐点・目標利益を達成する売上高の求め方
売上高・変動費・固定費(または1個・1人当たりの単価と変動費)が与えられ、損益分岐点売上高や、目標利益を出すのに必要な売上高・販売数量・客数を求める問題です。変動費を「売上高に対する割合」に直し、固定費と目標利益の合計を限界利益率で割るのが基本です。
公開過去問での出題:本試験系 6 回・免除試験 20 回(観測値)
覚える式
- 変動費率 = 変動費 ÷ 売上高
- 限界利益率 = 1 − 変動費率
- 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
- 必要売上高 = (固定費 + 目標利益)÷ 限界利益率
- 必要数量 = (固定費 + 目標利益)÷(販売単価 − 1個当たり変動費)
解き方の手順
- 表や文章から費用を変動費と固定費に分けます。売上原価や販売費・一般管理費の中に両方が含まれていることがあるので、内訳ごとに足し分けます。
- 変動費率(変動費÷売上高)を求め、1から引いて限界利益率を出します。1個・1人当たりの値が与えられている場合は、販売単価−1個当たり変動費で1個当たり限界利益を出します。
- 回収したい金額を決めます。損益分岐点なら固定費だけ、目標利益があるなら固定費+目標利益です。
- 回収したい金額を限界利益率で割って必要売上高を、1個当たり限界利益で割って必要数量を求めます。
- 問われているのが個数・人数・1日当たり・1席当たりなら、最後に単価・日数・席数で割って単位をそろえます。
例題
売上高が 100 百万円のとき,変動費が 60 百万円,固定費が 30 百万円掛かる。変動費率,固定費は変わらないものとして,目標利益 18 百万円を達成するのに必要な売上高は何百万円か。
ア 108
イ 120
ウ 156
エ 180
出典:令和元年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問78(解き方は当サイト作成)
解き方と答えを見る
- 変動費率 = 60 ÷ 100 = 0.6
- 限界利益率 = 1 − 0.6 = 0.4
- 回収したい金額 = 固定費 30 + 目標利益 18 = 48百万円
- 必要売上高 = 48 ÷ 0.4 = 120百万円
- 確認: 売上高120のとき 変動費 = 120 × 0.6 = 72、利益 = 120 − 72 − 30 = 18 で目標どおりです。
答え:120百万円(イ)
ひっかけ
- 変動費を金額のまま固定して足してしまう誤りです。例題で 30 + 18 + 60 = 108 とするとアを選んでしまいます。変動費は売上高に比例して増えるので、必ず変動費率に直してから計算します。
- 固定費+目標利益を変動費率で割ってしまう誤りです。割るのは「1 − 変動費率」の限界利益率です。答えを出したら、その売上高で利益を計算し直して目標と一致するか確かめると見破れます。
- 目標利益を入れ忘れて損益分岐点売上高を答えてしまう誤りです。「利益を○円出すには」とあれば、分子は固定費だけでなく固定費+目標利益です。
- 損益計算書の売上原価や販売費をまるごと変動費(または固定費)と見なす誤りです。内訳の変動費・固定費をそれぞれ合計してから使います。
類題(手順を使って解く)
類題 1
1人当たりの限界利益で必要客数を出したあと、営業日数と客席数で割って単位をそろえる最後の手順が試されます。
表の条件で喫茶店を開業したい。月 10 万円の利益を出すためには,1 客席当たり 1 日平均何人の客が必要か。
| 客 1 人当たりの売上高 | 500 円 |
|---|---|
| 客 1 人当たりの変動費 | 100 円 |
| 固定費 | 300,000 円/月 |
| 1 か月の営業日数 | 20 日 |
| 客席数 | 10 席 |
出典:令和7年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題 問19(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)
類題 2
「利益を2倍以上」を目標利益の金額に直してから必要売上高を求め、販売単価で割って個数にする手順が試されます。
ある商品の当期の売上高,費用,利益は表のとおりである。この商品の販売単価が 5 千円の場合,来期の利益を 2 倍以上にするには少なくとも何個販売すればよいか。
単位 千円
| 売上高 | 10,000 |
|---|---|
| 費用 | |
| 固定費 | 2,000 |
| 変動費 | 6,000 |
| 利益 | 2,000 |
出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20220724 実施分 問78(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)
類題 3
二つの売上高と損益の差から変動費率を逆算する、限界利益率の求め方そのものが試されます。
売上高が 7,000 万円のとき,200 万円の損失,売上高が 9,000 万円のとき,600 万円の利益と予想された。売上高が 8,000 万円のときの変動費は何万円か。ここで,売上高が変わっても変動費率は変わらないものとする。
出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20200126 実施分 問78(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)