計算問題の解き方・12/20
先入先出法(FIFO)による売上原価・在庫評価額の求め方
受払表または仕入表が示され、先入先出法で計算した売上原価、月末(期末)の在庫評価額、払出単価のどれかを求めます。先に受け入れたものから順に払い出したとみなして、数量と単価を対応させるのが基本です。
公開過去問での出題:本試験系 8 回・免除試験 11 回(観測値)
覚える式
- 売上原価 = Σ(払い出した数量 × その仕入ロットの単価)※古いロットから順に割り当てる
- 期末在庫評価額 = Σ(残った数量 × その仕入ロットの単価)※残りは新しいロットから数える
- 売上原価 = 期首在庫高 + 当期仕入高 − 期末在庫高
- 払出単価 = 払出分の金額 ÷ 払出数量
解き方の手順
- 受入(前月繰越・期首在庫・仕入)を日付順に並べ、ロットごとに「数量×単価」を書き出します。
- 問われているのが売上原価・期末在庫評価額・払出単価のどれかを確認します。
- 売上原価や払出単価を求めるときは、払出のたびに古いロットから順に数量を割り当て、使い切ったロットは消して残りを次の払出に回します。
- 期末在庫を求めるときは、受入合計 − 払出合計で残りの数量を出し、その数量を新しいロットから順に割り当てます(途中の払出を一つずつ追わなくても同じ結果になります)。
- 割り当てた「数量×単価」を合計します。払出単価を問われたら、その合計を払出数量で割ります。
- 求めた値と残り(または払い出した分)を足すと受入の総額になるかで検算します。
例題
ある商品の前月繰越と受払いが表のとおりであるとき,先入先出法によって算出した当月度の売上原価は何円か。
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 単価(円) |
|---|---|---|---|---|
| 1 日 | 前月繰越 | 100 | 200 | |
| 5 日 | 仕入 | 50 | 215 | |
| 15 日 | 売上 | 70 | ||
| 20 日 | 仕入 | 100 | 223 | |
| 25 日 | 売上 | 60 | ||
| 30 日 | 翌月繰越 | 120 |
ア 26,290
イ 26,450
ウ 27,250
エ 27,586
出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問77(解き方は当サイト作成)
解き方と答えを見る
- ロット: 1日 100個×200円、5日 50個×215円、20日 100個×223円
- 問われているのは当月の売上原価(15日と25日の払出の合計)
- 15日の払出70個: 1日ロットから70個 → 70×200=14,000円(1日ロットの残り30個)
- 20日の仕入は25日の払出より前ですが、古いロットが残っているので25日はまず1日ロットから払い出します
- 25日の払出60個: 1日ロットの残り30個 → 30×200=6,000円、続けて5日ロットから30個 → 30×215=6,450円、計12,450円
- 売上原価 = 14,000+12,450=26,450円
- 検算: 残り=5日ロット20個×215+20日ロット100個×223=4,300+22,300=26,600円。26,450+26,600=53,050円=受入総額(20,000+10,750+22,300)で一致します
答え:26,450円(イ)
ひっかけ
- 受入全体の平均単価で計算してしまう(総平均法)。例題では総額53,050円÷250個=212.2円に払出130個を掛けて27,586円(エ)になります。問題文が「先入先出法」なら、平均単価は一切使いません。
- 仕入のたびに平均単価を出し直してしまう(移動平均法)。例題では15日が205円、25日が215円となり、合計27,250円(ウ)になります。単価が端数のない平均値に変わっていたら疑います。
- 期末在庫を古いロットから数えてしまう。先入先出法では古いものが先に出ていくので、残るのは新しいロットです。残り数量は新しい仕入から逆向きに割り当てます。
- 売上原価を問われているのに在庫評価額を答える(またはその逆)。最後に「払い出した分」と「残った分」のどちらの合計かを問題文と照らし合わせます。
類題(手順を使って解く)
類題 1
途中の払出をすべて追わずに、受入合計−払出合計で残り数量を出し、新しいロットから割り当てられるかが試されます。
商品 A の当月分の全ての受払いを表に記載した。商品 A を先入先出法で評価した場合,当月末の在庫の評価額は何円か。
| 日付 | 摘要 | 受入 | 払出 | 単価(円) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 前月繰越 | 10 | 100 | |
| 4 | 仕入 | 40 | 120 | |
| 5 | 売上 | 30 | (斜線) | |
| 7 | 仕入 | 30 | 130 | |
| 10 | 仕入 | 10 | 110 | |
| 30 | 売上 | 30 | (斜線) |
出典:平成30年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問78(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)
類題 2
払出の記録が無い表から期末在庫数量だけを使い、新しい仕入から順に数えて、足りない分を期首在庫で補えるかが試されます。
表から,期末在庫品を先入先出法で評価した場合の期末の在庫評価額は何千円か。
表:
| 摘要 | 数量(個) | 単価(千円) | |
|---|---|---|---|
| 期首在庫 | 10 | 10 | |
| 仕入 | 4月 | 1 | 11 |
| 仕入 | 6月 | 2 | 12 |
| 仕入 | 7月 | 3 | 13 |
| 仕入 | 9月 | 4 | 14 |
| 期末在庫 | 12 | (空欄) |
出典:平成29年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問78(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)
類題 3
1回の払出を古いロットから順に割り当てて金額を合計し、払出数量で割って単価にする最後の手順が試されます。
部品の受払記録が表のように示される場合,先入先出法を採用したときの 4 月 10 日の払出単価は何円か。
| 取引日 | 取引内容 | 数量(個) | 単価(円) | 金額(円) |
|---|---|---|---|---|
| 4 月 1 日 | 前月繰越 | 2,000 | 100 | 200,000 |
| 4 月 5 日 | 購入 | 3,000 | 130 | 390,000 |
| 4 月 10 日 | 払出 | 3,000 |
出典:平成26年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問78(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)