計算問題の解き方・19/20

価格と需要の1次関数(需要直線)の求め方

「価格がいくらなら需要は何個」という2つの条件から、価格と需要の1次式(直線)を作り、別の価格のときの需要や、その需要から出る利益を求めさせる問題です。

公開過去問での出題:本試験系 4 回・免除試験 5 回(観測値)

覚える式
  • 傾き a =(需要の差)÷(価格の差)=(y₂ − y₁)÷(x₂ − x₁)
  • 需要 y = a × 価格 x + b(b は傾きと1点の座標から求める)
  • 需要0個になる価格を X₀ としたとき、需要 y = |a| ×(X₀ − x)
  • 利益 =(価格 − 1個あたりの変動費)× 販売数 − 固定費

解き方の手順

  1. 問題文の条件を(価格, 需要)の2点として書き出します。
  2. 需要の差を価格の差で割って傾きを出します。価格が上がると需要は減るので、傾きはマイナスになります。
  3. 傾きと1点を y = ax + b に入れて b を求め、式を完成させます。需要が0個になる価格が分かっていれば、「その価格からいくら下がったか × 1円あたりの増え方」でも計算できます。
  4. 求めたい価格を式に入れて需要を出します。式がはじめから与えられている問題は、ここから始めます。
  5. 利益まで聞かれたら、1個あたりのもうけ(価格 − 変動費)に販売数を掛け、最後に固定費を引きます。

例題

ある製品の設定価格と需要との関係が 1 次式で表せるとき,a に入れる適切な数値はどれか。 (1) 設定価格を 3,000 円にすると,需要は 0 個になる。 (2) 設定価格を 1,000 円にすると,需要は 60,000 個になる。 (3) 設定価格を 1,500 円にすると,需要は [a] 個になる。

ア 30,000
イ 35,000
ウ 40,000
エ 45,000

出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問68(解き方は当サイト作成)

解き方と答えを見る
  1. 2点は(3,000円, 0個)と(1,000円, 60,000個)です。
  2. 傾き =(60,000 − 0)÷(1,000 − 3,000)= 60,000 ÷(−2,000)= −30(価格が1円上がると需要は30個減る)
  3. 0 = −30 × 3,000 + b より b = 90,000。式は y = −30x + 90,000
  4. x = 1,500 を入れると y = −30 × 1,500 + 90,000 = −45,000 + 90,000 = 45,000
  5. 確かめ: 需要0個の3,000円から1,500円下がったので 30 × 1,500 = 45,000個。同じ値になります。

答え:45,000個(エ)

ひっかけ

  • 1,500円を1,000円と3,000円のちょうど真ん中だと思い込み、60,000の半分の30,000個を選んでしまう誤りです。真ん中は2,000円で、1,500円は1,000円から4分の1しか離れていません。傾きを掛けて計算し直せば見破れます。
  • 需要は価格に比例すると考え、価格の比率をそのまま需要に掛けてしまう誤りです。この問題の直線は原点を通りません(3,000円で需要が0個)。比で計算せず、必ず傾きと切片で式を作ります。
  • 傾きの符号を逆にして、価格が上がると需要も増えるように計算してしまう誤りです。価格が上がれば需要は減ります。答えが条件の2点の需要の間に入っているかで確かめられます。
  • 利益を求める問題で、売上だけを出したり、固定費か変動費のどちらかを引き忘れたりする誤りです。(価格 − 変動費)× 販売数 − 固定費 の3つの項目がそろっているかを最後に確認します。

類題(手順を使って解く)

類題 1

式はすでに与えられているので、価格を代入して販売数を出したあと、変動費と固定費を引いて利益まで正しく計算できるかが試されます。

製品 A を製造するために,固定費として 1,000,000 円,変動費として 400 円/個が発生する。製品 A の価格が x 円のときの期待販売数 y 個は,式 y=−30 x+90,000 で近似できることが分かっている。価格が 1,000 円のとき,期待できる利益は何円か。

出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20240728 実施分 問59(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

類題 2

2点から傾きを出し、需要0個の点を基準に、価格が下がった分だけ需要を足し上げられるかが試されます。

ある製品の設定価格と需要との関係が 1 次式で表せるとき,a に入る適切な数値はどれか。 (1) 設定価格を 3,000 円にすると,需要は 0 個になる。 (2) 設定価格を 1,000 円にすると,需要は 60,000 個になる。 (3) 設定価格を 1,500 円にすると,需要は [ a ] 個になる。

出典:平成26年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問69(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

類題 3

求める価格が2点の真ん中ではないことに気づき、比で済ませずに傾きを使って計算できるかが試されます。

ある製品の設定価格と期待需要の関係が 1 次式で表せるとき,a に入る適切な数値はどれか。 (1) 設定価格を 3,000 円にすると,需要は 0 個になる。 (2) 設定価格を 1,000 円にすると,需要は 60,000 個になる。 (3) 設定価格を 1,500 円にすると,需要は [ a ] 個になる。

出典:平成23年度 特別試験 基本情報技術者試験 午前 問67(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

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