計算問題の解き方・20/20

磁気ディスクの平均アクセス時間の求め方

回転数・平均シーク時間(平均位置決め時間)と、転送速度または1トラック当たりの記憶容量が示され、データを読み取る(転送する)のに要する平均時間をミリ秒で求めさせる形で出題されます。3つの時間に分けて計算し、足し合わせます。

公開過去問での出題:本試験系 1 回・免除試験 10 回(観測値)

覚える式
  • 平均アクセス時間 = 平均シーク時間(平均位置決め時間)+ 平均回転待ち時間 + データ転送時間
  • 1回転の時間(ミリ秒) = 60,000 ÷ 1分当たりの回転数
  • 平均回転待ち時間 = 1回転の時間 ÷ 2
  • データ転送時間 = データ量 ÷ 転送速度(転送速度が示されている場合)
  • データ転送時間 = 1回転の時間 × データ量 ÷ 1トラック当たりの記憶容量(トラック容量が示されている場合)

解き方の手順

  1. 問題文で何を合計するかを確認します。通常は「シーク+回転待ち+転送」ですが、問題文が「平均待ち時間」などを独自に定義している場合は、その定義に含まれる時間だけを足します。
  2. 1分=60,000ミリ秒として、60,000を1分当たりの回転数で割り、1回転の時間をミリ秒で求めます。
  3. 平均回転待ち時間は、目的の位置が来るまで平均して半回転待つので、1回転の時間の半分にします。
  4. データ転送時間を求めます。転送速度が示されていればデータ量÷転送速度で秒を求めてミリ秒に直します。1トラックの容量が示されていれば、1回転で1トラック分を読むと考え、1回転の時間×(データ量÷トラック容量)で求めます。
  5. 平均シーク時間(平均位置決め時間)、平均回転待ち時間、データ転送時間の単位がすべてミリ秒にそろっていることを確かめてから合計します。

例題

表に示す仕様の磁気ディスク装置において,1,000 バイトのデータの読取りに要する平均時間は何ミリ秒か。ここで,コントローラの処理時間は平均シーク時間に含まれるものとする。
回転数6,000 回転/分
平均シーク時間10 ミリ秒
転送速度10 M バイト/秒

ア 15.1
イ 16.0
ウ 20.1
エ 21.0

出典:平成22年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問14(解き方は当サイト作成)

解き方と答えを見る
  1. 合計するのは 平均シーク時間+平均回転待ち時間+データ転送時間 です(コントローラの処理時間はシーク時間に含まれるので別に足しません)。
  2. 1回転の時間 = 60,000ミリ秒 ÷ 6,000回転 = 10ミリ秒
  3. 平均回転待ち時間 = 10ミリ秒 ÷ 2 = 5ミリ秒
  4. データ転送時間 = 1,000バイト ÷ 10,000,000バイト/秒 = 0.0001秒 = 0.1ミリ秒
  5. 平均時間 = 10 + 5 + 0.1 = 15.1ミリ秒

答え:15.1ミリ秒(ア)

ひっかけ

  • 回転待ちを半回転ではなく1回転分で数える思い違いです。例題ではウ(20.1)が 10+10+0.1 になっています。平均回転待ちは必ず1回転の時間の半分にします。
  • 転送時間の単位換算を誤る思い違いです。例題ではイ(16.0)が転送時間を1ミリ秒として 10+5+1.0 にしています。M(メガ)=1,000,000、1秒=1,000ミリ秒として、秒を出してからミリ秒に直す順で計算すると防げます。
  • 上の2つの誤りが重なると、例題のエ(21.0=10+10+1.0)になります。選択肢には誤り方ごとの値が並ぶので、自分の答えと一致しても、各時間の値を見直してから選びます。
  • 問題文の定義を読まずに、いつも3つの時間を足してしまう思い違いです。「平均待ち時間は〇〇と〇〇の合計である」のように定義が書かれていれば、その定義に従って足す項目を決めます。

類題(手順を使って解く)

類題 1

転送速度ではなく1トラック当たりの記憶容量から、1回転の時間に対する割合で転送時間を求める手順が試されます。

毎分 6,000 回転,平均位置決め時間が 20 ミリ秒,1 トラック当たりの記憶容量が 20 k バイトの磁気ディスク装置がある。1 ブロック 4 k バイトのデータを 1 ブロック転送するのに要する平均アクセス時間は何ミリ秒か。ここで,磁気ディスクコントローラのオーバヘッドは無視できるものとする。

出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20230122 実施分 問14(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

類題 2

1回転の時間が10ミリ秒のようなきりのよい値にならない回転数で、1回転の時間とトラック容量に対する割合の計算を正確に進められるかが試されます。

回転速度が 5,000 回転/分,平均シーク時間が 20 ミリ秒の磁気ディスクがある。この磁気ディスクの 1 トラック当たりの記憶容量は,15,000 バイトである。このとき,1 ブロックが 4,000 バイトのデータを,1 ブロック転送するために必要な平均アクセス時間は何ミリ秒か。

出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20160724 実施分 問12(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

類題 3

問題文が定義した「平均待ち時間」に含まれる項目だけを足すことと、割り切れない1回転の時間を概算する手順が試されます。

回転数が4,200回/分で,平均位置決め時間が5ミリ秒の磁気ディスク装置がある。この磁気ディスク装置の平均待ち時間は約何ミリ秒か。ここで,平均待ち時間は,平均位置決め時間と平均回転待ち時間の合計である。

出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20120722 実施分 問13(問題文は IPA の公開問題。答えと解説はリンク先)

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