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システム構成要素・7/8・15分

CPU 使用率・待ち行列と必要台数の計算

ゴール

タスクのタイムチャートを描いて CPU の遊休時間と使用率を求め、使用率の上限や到着頻度から最大処理件数(TPS)と必要な台数(CPU・ディスク・物理マシン)を計算できるようになる。待ち行列のグラフで、使用率と応答時間の関係を正しく選べるようになる。

性能の計算問題は「数え方の型」を知っているかどうかで決まり、毎回ほぼ同じ形で出る。実務でも「ピーク時にサーバを何台足せばよいか」の見積りにそのまま使える。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

全体像:型は「並べる」か「割る」の2つ

結論:このレッスンの計算は、ほぼ全部が「時間を順に並べて数える」か「仕事量 ÷ 1台の能力」のどちらかです。公式を覚えるより先に、問題がどちらの型かを見分けます。

型 やること 該当する問題
時間を並べる 時刻ごとに、誰が何をしているかを表に書く タスクスケジューリング、プリンタの割当て
割り算する 必要な処理量 ÷ 1台が出せる量 → 端数を処理 TPS、必要 CPU 数、ディスク台数、縮退運転
重みを付けて平均する 合計どうしで割る 3か月の CPU 平均使用率
グラフの形を選ぶ 使用率が1に近づくと応答時間が発散する 待ち行列

タスクスケジューリング:タイムチャートで遊休時間を数える

結論:優先度の高いタスクから CPU を渡すこと、I/O(入出力)中のタスクは CPU を使わないこと。この2つでタイムチャートが描けます。CPU が誰にも使われていない区間(遊休時間)を足せば答えです。

たとえると、CPU は1人しかいないレジ係で、I/O は客が自分でする袋詰めです。袋詰め中の客はレジ係を使わないので、その間に次の客の会計ができます。全員が袋詰め中ならレジ係の手は空きます。これが遊休時間です。

描き方のルール:

  • 時刻0では、全タスクが実行可能状態(CPU が空けばすぐ動ける状態)
  • CPU が空いたら、待っているタスクのうち最も優先度の高いものに渡す
  • 「I/O は競合しない」とあれば、I/O は何本でも同時に進む
  • 「I/O も一つずつ発生順に処理」とあれば、I/O にも行列ができる
  • 優先度の高いタスクが戻ってきたとき、低いタスクが CPU を使っていれば奪う方式もあるので、問題文の条件に従う(下の過去問では起きない)

CPU 使用率 = CPU が動いていた時間 ÷ 全部が終わるまでの時間。遊休時間を聞くか使用率を聞くかの違いだけです。検算として「CPU 使用時間+遊休時間=全体の時間」を必ず確かめます。

優先度の高い方から CPU を渡すCPUA の I/OB の I/OABA遊休BA の I/OB の I/O時間A=優先度 高 B=優先度 低I/O 中は CPU を使わない → 他が使えるCPU 使用時間+遊休時間=全体の時間
CPU が空いたら優先度の高い A に渡す。I/O 中のタスクは CPU を使わないので、全員が I/O 中の区間が遊休時間になる。

CPU の平均使用率は「時間で重みを付けて」平均する

結論:月ごとの使用率を単純平均してはいけません。月によって総時間(分母)が違うので、使用時間の合計 ÷ 総時間の合計で求めます。

総時間は、遊休時間と使用率から逆算できます。遊休の割合は「1 − 使用率」なので、総時間 = 遊休時間 ÷ (1 − 使用率) です。出題は免除試験の2回だけなので、この式を押さえれば十分です。

待ち行列:使用率が1に近づくと応答時間は発散する

結論:CPU 使用率が上がるほど平均応答時間は加速度的に伸び、使用率1(100%)に近づくと無限大に発散します。正しいグラフは「最初はゆるやかで、右端の手前で垂直に立ち上がる」形です。

待ち行列は、処理を待つ要求が並ぶ列のことです。到着がポアソン分布(平均は決まっているが、ばらばらに来る)、処理時間が指数分布に従い、窓口が1つのモデルを M/M/1 と呼びます。このモデルでは 平均応答時間 = 平均処理時間 ÷ (1 − 使用率) です。

使用率 1 − 使用率 応答時間(処理時間の何倍か)
0.5 0.5 2倍
0.8 0.2 5倍
0.9 0.1 10倍
0.99 0.01 100倍

レジの混み具合が5割なら少し待つ程度ですが、9割を超えると行列が一気に伸びるのと同じです。そのため実務では、CPU 使用率に70〜80%程度の上限を決めて運用します(次の TPS の計算にある「使用率の上限」はこのためです)。

グラフの形 正誤
ゆるやかに増え、使用率1の手前で急上昇して発散 正解
一直線に増える 誤り(比例はしない)
増え方が鈍って頭打ちになる(上に凸) 誤り(形が逆)
使用率によらず一定 誤り(混むほど待つ)
応答時間(処理時間の何倍か)2倍5倍10倍1 に近づくと発散00.50.80.91CPU 使用率
M/M/1 の平均応答時間は使用率0.5で2倍、0.8で5倍、0.9で10倍と加速度的に伸び、使用率1の手前で垂直に立ち上がる。

処理能力と必要台数:一番遅い所が全体を決める

結論:「1台が1秒に処理できる量 × 使ってよい割合」を出し、必要な量をそれで割って切り上げます。複数のサーバを順に通る場合は、**いちばん遅い所(ボトルネック)**が全体の上限です。

TPS は、1秒あたりに処理できるトランザクション(ひとまとまりの処理)の件数です。Web サーバ → DB サーバと順に通るシステムでは、水道管の一番細い所で流量が決まるのと同じで、各サーバの TPS の最小値が答えになります。足し算はしません。

問われ方 計算 端数
最大 TPS (1秒 ÷ 1件の CPU 時間) × 使用率の上限 → 各サーバの最小値 そのまま
必要な CPU 数 1秒あたりのリクエスト数 ÷ 1CPU が処理できる数 切り上げ
ディスクの台数 1秒間に発生する入出力時間の合計 ÷ 1秒 切り上げ
追加する台数 必要な台数 − 今の台数 ―

一番つまずきやすいのは単位の揃え方です。「1時間あたり」は 3,600 で割って「1秒あたり」にし、ミリ秒は 1,000 で割って秒にします。

一番細い所が全体の流量を決めるWeb サーバDB サーバ処理が速い(TPS 大)処理が遅い(TPS 小)全体の TPS = 各サーバの最小値(足さない)
Web サーバ → DB サーバと順に通るとき、全体の TPS は足し算ではなく一番遅いサーバ(ボトルネック)で決まる。

プリンタの割当て:「空いた順」に渡す

結論:「A から順に空いているプリンタに割り当てる」とは、一番早く空いたプリンタに次の要求を渡すという意味です。A → B → C → A と機械的に回すのではありません。

時刻を進めながら、各プリンタが何分に空くかを書き、空いた順に次の要求を割り当てます。同時に空いたら A → B → C の順で優先します。最後に、プリンタごとの印刷時間を合計して比べます。

縮退運転:全体の負荷 ÷ 残りの台数

結論:全体の負荷(台数 × 使用率)は、何台止まっても変わりません。全体の負荷 ÷ 残りの台数 が上限を超える台数を探します。

縮退運転は、故障した部分を切り離して、性能や機能を落としたまま運転を続けることです。20台 × 70% = 14台分の負荷を、残った物理マシンで均等に分け合います。

不等式の端数処理で間違えやすいので、境目の前後の台数で実際に割り算して確かめるのが確実です。

全体の負荷は同じ・台数で割り直す通常:20台 × 70% = 14台分上限70%故障後:14台分 ÷ 残り14台上限残り14台停止 6台14 ÷ 14 = 100% → 上限を超える赤い部分=上限を超えた負荷
20台 × 70% = 14台分の負荷は台数が減っても変わらない。例として6台止まって残り14台になると、14 ÷ 14 = 100% で使用率の上限を超える。
例題 1

優先度方式のタイムチャートで CPU の遊休時間を数える

三つのタスクの優先度と,各タスクを単独で実行した場合の CPU と入出力(I/O)装置の動作順序と処理時間は,表のとおりである。優先度方式のタスクスケジューリングを行う OS の下で,三つのタスクが同時に実行可能状態になってから,全てのタスクの実行が終了するまでの,CPU の遊休時間は何ミリ秒か。ここで,CPU は 1 個であり,1 CPU は 1 コアで構成され,I/O は競合せず,OS のオーバヘッドは考慮しないものとする。また,表中の( )内の数字は処理時間を示すものとする。
優先度単独実行時の動作順序と処理時間(ミリ秒)
高CPU(3) → I/O(5) → CPU(2)
中CPU(2) → I/O(6) → CPU(2)
低CPU(1) → I/O(5) → CPU(1)

ア 2
イ 3
ウ 4
エ 5

出典:平成30年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問16

解き方と答えを見る
  1. 時刻0:3つとも CPU 待ち。優先度「高」が CPU を使う(0〜3)。
  2. 時刻3:高は I/O へ(3〜8)。待っている中で一番高い「中」が CPU を使う(3〜5)。
  3. 時刻5:中は I/O へ(5〜11)。「低」が CPU を使う(5〜6)。
  4. 時刻6:低は I/O へ(6〜11)。3つとも I/O 中で CPU は空く → 遊休①(6〜8)= 2ミリ秒。
  5. 時刻8:高の I/O が終わり、高が CPU を使う(8〜10)。高はここで終了。
  6. 時刻10:中と低はどちらも I/O 中(11まで)→ 遊休②(10〜11)= 1ミリ秒。
  7. 時刻11:中と低が同時に戻る。優先度の高い中が CPU(11〜13)、次に低(13〜14)。全部が終わるのは 14ミリ秒。
  8. 遊休時間 = 2 + 1 = 3ミリ秒。検算:CPU 使用時間は 高(3+2)+中(2+2)+低(1+1) = 11、11 + 3 = 14 で全体の時間と一致する。

答え:3ミリ秒(この回の選択肢ではイ。同じ表の 2013h25h_am#18 ではウが3)

例題 2

I/O も1つずつ順番に処理すると CPU 使用率はどうなるか

CPU が 1 台で,入出力装置(I/O)が同時動作可能な場合の二つのタスク A, B のスケジューリングは図のとおりであった。この二つのタスクにおいて,入出力装置が CPU と同様に,一つの要求だけを発生順に処理するように変更した場合,両方のタスクが終了するまでの CPU 使用率はおよそ何%か。
タイムチャート(目盛り付きの横軸。以下は目盛り単位のおおよその長さ) タスクA: CPU(約2)→ I/O(A)(約8)→ CPU(約3)→ I/O(A)(約4)→ CPU(約3) タスクB: 待ち(約2)→ CPU(約2)→ I/O(B)(約4)→ CPU(約2)→ I/O(B)(約4)→ CPU(約3)

ア 43
イ 50
ウ 60
エ 75

出典:平成23年度 特別試験 基本情報技術者試験 午前 問18

解き方と答えを見る
  1. 図の目盛りで長さを読む:A = CPU2 → I/O8 → CPU3 → I/O4 → CPU3、B = CPU2 → I/O4 → CPU2 → I/O4 → CPU3。CPU 使用時間の合計は A8 + B7 = 15(並べ方を変えても変わらない)。
  2. 0〜2:A が CPU。2〜10:A が I/O。
  3. 2〜4:B が CPU。B の I/O は A が使用中なので 10 まで待ち、10〜14 に B の I/O。
  4. 10〜13:A が CPU。A の2回目の I/O は B が使用中なので 14 まで待ち、14〜18 に A の I/O。
  5. 14〜16:B が CPU。B の2回目の I/O は A が使用中なので 18 まで待ち、18〜22 に B の I/O。
  6. 18〜21:A が CPU(A 終了)。22〜25:B が CPU(B 終了)。全体の時間は 25。
  7. CPU 使用率 = 15 ÷ 25 = 0.6 → 60%。

答え:約60%(ウ)

例題 3

3か月の CPU 平均使用率を総時間で重み付けして求める

コンピュータシステムの運転状況を集計したところ,各月の CPU の使用率と遊休時間の合計は表のとおりであった。この 3 か月間における CPU の平均使用率は約何%か。
月使用率(%)遊休時間の合計(時間)
460120
58020
62080

ア 44
イ 50
ウ 53
エ 56

出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20130127 実施分 問19

解き方と答えを見る
  1. 総時間 = 遊休時間 ÷ (1 − 使用率)。4月:120 ÷ 0.4 = 300時間、5月:20 ÷ 0.2 = 100時間、6月:80 ÷ 0.8 = 100時間。
  2. 使用時間 = 総時間 × 使用率。4月 300 × 0.6 = 180、5月 100 × 0.8 = 80、6月 100 × 0.2 = 20 → 合計 280時間。
  3. 総時間の合計 = 300 + 100 + 100 = 500時間。
  4. 平均使用率 = 280 ÷ 500 = 0.56 → 56%。

答え:約56%(エ)。単純平均の (60 + 80 + 20) ÷ 3 ≒ 53% はひっかけ

例題 4

Web と DB のどちらがボトルネックかで最大 TPS を決める

Web サーバとデータベースサーバ各 1 台で構成されているシステムがある。次の運用条件の場合,このシステムでは最大何 TPS 処理できるか。ここで,各サーバの CPU は,1 個とする。 〔運用条件〕 (1) トランザクションは,Web サーバを経由し,データベースサーバで SQL が実行される。 (2) Web サーバでは,1 トランザクション当たり,CPU 時間を 1 ミリ秒使用する。 (3) データベースサーバでは,1 トランザクション当たり,データベースの 10 データブロックにアクセスする SQL が実行される。1 データブロックのアクセスに必要なデータベースサーバの CPU 時間は,0.2 ミリ秒である。 (4) CPU 使用率の上限は,Web サーバが 70%,データベースサーバが 80%である。 (5) トランザクション処理は,CPU 時間だけに依存し,Web サーバとデータベースサーバは互いに独立して処理を行うものとする。

ア 400
イ 500
ウ 700
エ 1,100

出典:平成23年度 特別試験 基本情報技術者試験 午前 問19

解き方と答えを見る
  1. Web:1件 1ミリ秒 → 100%使えば 1,000ms ÷ 1ms = 1,000件/秒。上限 70% → 1,000 × 0.7 = 700TPS。
  2. DB:1件 10ブロック × 0.2ms = 2ms → 1,000ms ÷ 2ms = 500件/秒。上限 80% → 500 × 0.8 = 400TPS。
  3. 全トランザクションが両方のサーバを通るので、遅い方の DB の 400TPS がシステム全体の上限になる。

答え:400TPS(ア)

例題 5

リクエストが2倍になったときに追加する CPU の数

Webアプリケーションサーバとデータベース(DB)サーバで構成されるWebシステムにおいて,ピーク時のリクエスト数が現状の2倍に増加する場合,Webシステム全体で追加が必要となるCPU数は少なくとも幾つか。ここで,1回のリクエストは必ず1回のデータベース処理が実行されるものとする。 〔Webシステムの現状〕 (1) WebアプリケーションサーバのCPU数は1,DBサーバのCPU数は2である。 (2) 1CPU当たり処理できるリクエスト数は,Webアプリケーションサーバが1秒当たり10リクエスト,DBサーバが1秒当たり5リクエストである。 (3) ピーク時のWebアプリケーションサーバへのリクエスト数は,1時間当たり36,000リクエストである。 (4) WebアプリケーションサーバとDBサーバは,ピーク時のリクエスト数を処理できているが,CPUに余裕はない状況である。 (5) システムのオーバーヘッドなど,その他の条件は考慮しない。

ア 1
イ 2
ウ 3
エ 6

出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20260614 実施分 問12

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  1. 単位を揃える:36,000件/時 ÷ 3,600秒 = 10件/秒(今のピーク)。
  2. 今の能力を確かめる:Web は 1CPU × 10件 = 10件/秒、DB は 2CPU × 5件 = 10件/秒。どちらも余裕がない。
  3. 2倍になった後のピーク = 10 × 2 = 20件/秒。
  4. 必要な数:Web は 20 ÷ 10 = 2CPU、DB は 20 ÷ 5 = 4CPU。
  5. 追加する数:Web 2 − 1 = 1、DB 4 − 2 = 2 → 合計 1 + 2 = 3。

答え:3(ウ)

例題 6

到着頻度と入出力時間から磁気ディスクの必要台数を出す

あるオンラインリアルタイムシステムでは,20件/秒の頻度でトランザクションが発生する。このトランザクションはCPU処理と4回の磁気ディスク入出力処理を経て終了する。磁気ディスク装置の入出力処理時間は40ミリ秒/回であり,CPU処理時間は十分に短いものとする。それぞれの磁気ディスク装置が均等にアクセスされるとしたとき,このトランザクション処理には最低何台の磁気ディスク装置が必要か。

ア 3
イ 4
ウ 5
エ 6

出典:平成22年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問17

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  1. 1秒間に発生するディスク入出力の回数:20件 × 4回 = 80回。
  2. その処理時間の合計:80回 × 40ミリ秒 = 3,200ミリ秒 = 3.2秒。
  3. ディスク1台が1秒間に働けるのは最大1秒分(使用率100%)。
  4. 必要な台数 = 3.2秒 ÷ 1秒 = 3.2 → 切り上げて4台。3台では1秒間に3秒分しか処理できず、仕事がたまり続ける。

答え:4台(イ)

例題 7

3台のプリンタに「空いた順」で印刷要求を割り当てる

出力待ちの印刷要求を,同一機種の 3 台のプリンタ A〜C のうち A から順に空いているプリンタに割り当てる(C の次は再び A に戻る)システムがある。印刷要求の印刷時間が出力待ちの順に,5, 12, 4, 3, 10, 4(分)である場合,印刷に要した時間が長い順にプリンタを並べたものはどれか。ここで,初期状態ではプリンタは全て空いているものとする。

ア A, B, C
イ B, A, C
ウ B, C, A
エ C, B, A

出典:平成27年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問21

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  1. 時刻0:A に5分(0〜5)、B に12分(0〜12)、C に4分(0〜4)。
  2. 時刻4:最初に空くのは C → 次の3分を C に(4〜7)。
  3. 時刻5:A が空く → 次の10分を A に(5〜15)。
  4. 時刻7:C が空く(B は 12 まで使用中)→ 最後の4分を C に(7〜11)。
  5. 合計:A = 5 + 10 = 15分、B = 12分、C = 4 + 3 + 4 = 11分。長い順に A, B, C。

答え:A, B, C(ア)。同じ問題が免除試験 menjo_20241208#13 でも出ている

例題 8

物理マシンが何台止まると縮退運転になるか

仮想化マシン環境を物理マシン 20 台で運用しているシステムがある。次の運用条件のとき,物理マシンが最低何台停止すると縮退運転になるか。 〔運用条件〕 (1) 物理マシンが停止すると,そこで稼働していた仮想マシンは他の全ての物理マシンで均等に稼働させ,使用していた資源も同様に配分する。 (2) 物理マシンが 20 台のときに使用する資源は,全ての物理マシンにおいて 70%である。 (3) 1 台の物理マシンで使用している資源が 90%を超えた場合,システム全体が縮退運転となる。 (4) (1)〜(3) 以外の条件は考慮しなくてよい。

ア 2
イ 3
ウ 4
エ 5

出典:平成27年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問13

解き方と答えを見る
  1. 全体の負荷 = 20台 × 70% = 14台分(何台止まっても変わらない)。
  2. 残りが N 台なら、1台あたりの負荷 = 14 ÷ N。これが 90% を超えると縮退運転になる。
  3. 16台残る(4台停止):14 ÷ 16 = 87.5% → まだ90%以下。
  4. 15台残る(5台停止):14 ÷ 15 ≒ 93.3% → 90%を超えて縮退運転になる。
  5. 式で解く場合:14 ÷ N > 0.9 → N < 15.55… → 残りが15台以下 → 停止台数は 20 − 15 = 5台。

答え:5台(エ)

要点(試験直前に読む)

  • タイムチャート:CPU は優先度の高い順に渡し、I/O 中のタスクは CPU を使わない。誰も CPU を使っていない区間が遊休時間で、使用時間+遊休時間=全体の時間で検算する
  • 平均使用率は 使用時間の合計 ÷ 総時間の合計。総時間 = 遊休時間 ÷ (1 − 使用率)
  • 待ち行列:応答時間 = 処理時間 ÷ (1 − 使用率)。使用率1の手前で発散するグラフが正解
  • 最大 TPS は各サーバの (1秒 ÷ 1件の CPU 時間) × 使用率の上限 の最小値。足し算はしない
  • 必要台数 = 必要な処理量 ÷ 1台の能力 → 切り上げ。追加数は 必要な台数 − 今の台数
  • プリンタは「空いた順」に割り当てる。縮退運転は 全体の負荷 ÷ 残りの台数 を境目の前後で確かめる

ひっかけ

  • 単純平均・合計の罠:月ごとの使用率の単純平均(約53%)や、Web と DB の TPS の合計(1,100)は必ず選択肢に並ぶ。分母の大きさの違いと、「順に通るなら最小値」を思い出す
  • 端数処理の罠:ディスク3.2台は切り上げて4台。縮退運転の 15.55… は「残りの台数」なので15台以下、答える停止台数は5台。何の台数を求めているかを確かめる
  • 必要数と追加数の取り違え:リクエストが2倍のとき必要なのは Web 2・DB 4 の計6だが、問われているのは追加の3
  • 条件の読み落とし:「空いているプリンタへ」を A → B → C の巡回と読むと B が最長になってしまう。I/O の条件(競合しない/1つずつ順に)も同じように読み落とさない
  • グラフの罠:直線、頭打ちの曲線、水平線はすべて誤り。使用率1の手前で垂直に立ち上がる曲線を選ぶ

用語(17)

CPU 使用率 Central Processing Unit しようりつ
ある時間のうち、CPU が実際に処理をしていた時間の割合。
⚠ 遊休時間はその残りの時間。使用率と遊休の割合を足すと100%になる。
遊休時間 ゆうきゅうじかん(アイドル時間)
CPU が実行する処理を持たず、何もしていない時間。
⚠ タスク側の I/O 待ちとは別物。あるタスクが I/O 待ちでも、ほかのタスクが CPU を使っていれば遊休ではない。
タスクスケジューリング task scheduling
OS が、複数のタスクのうちどれにいつ CPU を使わせるかを決める仕組み。
優先度方式 ゆうせんどほうしき
実行可能なタスクのうち、優先度の最も高いものに CPU を割り当てるスケジューリング方式。
⚠ 処理時間の短い順に渡す SJF(最短ジョブ優先)や、到着順に渡す FCFS(先着順)とは別物。優先度は処理時間の長さや到着順と関係ない。
実行可能状態 じっこうかのうじょうたい
CPU が空けばすぐ動ける状態で、CPU の割当てを待っているタスクの状態。
⚠ 待ち状態(I/O の完了などを待っていて、CPU が空いても動けない)や実行状態(いま CPU を使用中)と区別する。
I/O Input/Output(入出力)
ディスクやプリンタなどとのデータのやり取りで、その間 CPU は使わない処理。
平均応答時間 へいきんおうとうじかん
要求を出してから処理が終わって結果が返るまでの時間の平均で、待ち時間と処理時間の合計。
⚠ 処理時間(実際に処理している時間)は待ち時間を含まない。応答時間 = 待ち時間 + 処理時間。
待ち行列 まちぎょうれつ
処理を待つ要求が並ぶ列のこと。また、その長さや待ち時間を計算する理論。
M/M/1 エムエムワン
到着がポアソン分布、処理時間が指数分布に従い、窓口が1つの待ち行列モデル。平均応答時間は処理時間 ÷ (1 − 使用率)。
ポアソン分布 Poisson distribution
一定時間にランダムな出来事が何回起きるかを表す分布で、ここでは要求の到着の仕方を表す。
⚠ 指数分布は1件の処理にかかる時間の分布。到着はポアソン分布、処理時間は指数分布と覚える。
指数分布 exponential distribution
短い値が多く、長い値ほど少なくなる時間の分布で、ここでは1件あたりの処理時間を表す。
⚠ ポアソン分布(到着する件数)と対で出題される。
TPS Transactions Per Second
1秒あたりに処理できるトランザクションの件数。
⚠ MIPS は CPU が1秒間に実行する命令数(百万単位)で、業務の処理件数ではない。
スループット throughput
単位時間あたりに処理できる仕事の量。
⚠ 応答時間は1件あたりにかかる時間。スループットは量、応答時間は速さの指標。
ボトルネック bottleneck
処理の流れの中で最も能力が低く、全体の性能を決めてしまう箇所。
縮退運転 しゅくたいうんてん
故障した部分を切り離し、性能や機能を落としたまま運転を続けること。
⚠ フェールセーフ(危険を避けるため安全側に止める)とは逆で、止めずに運転を続ける。
加重平均 かじゅうへいきん
項目ごとの大きさの違いを重みとして付けて求める平均(ここでは月ごとの総時間で重みを付ける)。
⚠ 単純平均は重みを付けずに足して個数で割るため、分母の大きさが違うと誤った値になる。
仮想マシン かそうマシン
1台の物理マシンの資源を分けて動かす、ソフトウェア上のコンピュータ。
⚠ 物理マシンは実際の機械。縮退運転の問題では、止まるのは物理マシンで、その上の仮想マシンは残りの物理マシンに移る。

このレッスンの過去問

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