画素・色・解像度の計算とベクタ/ラスタの違い
画素・色数・解像度からメモリ量やドット数を計算でき、16進数の色指定を読める。ベクタとラスタ(ビットマップ)の違いと、アンチエイリアシングなどのCG用語を見分けられる。
画像は「点の集まり」か「図形の設計図」のどちらかで記録されます。その違いとデータ量の見積りは、画像の容量やフォントの扱いを考えるときに必ず出てきます。計算問題は型が決まっているので、1つの型を覚えれば確実な得点源になります。
このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)結論:画像は「点の数 × 1点あたりのビット数」
ディスプレイやデジカメの画像は、画素(ピクセル:色のついた小さな点)を縦横に並べたものです。必要なデータ量は 横の画素数 × 縦の画素数 × 1画素あたりのビット数 で決まります。このレッスンで扱う計算問題は、ほぼすべてこの1本の式で解けます。
たとえるなら、画像は方眼紙のマス目塗り絵です。マス目の数が解像度、1マスに使える色の種類が色数にあたります。
色数とビット数の対応
1画素に何ビット使うかで、表せる色の数が決まります。nビットなら2^n色です。
| 1画素のビット数 | 色数 | バイト換算 |
|---|---|---|
| 1ビット(2値) | 2色(白黒) | 1/8バイト |
| 8ビット | 256色 | 1バイト |
| 16ビット | 65,536色(2^16) | 2バイト |
| 24ビット(フルカラー) | 約1,677万色(2^24) | 3バイト |
65,536色と書かれていたら16ビット=2バイトとすぐ読み替えます。問題文は「色数」で書くこともあれば「ビット数」で書くこともあります。
RGBと16進数での色指定
画面の色はR(赤)・G(緑)・B(青)の3色の光を混ぜて作ります。これを加法混色(光を足すほど明るくなる混ぜ方)といいます。フルカラーでは各色を8ビット(0〜255)で表すので、合計24ビットです。
0〜255は16進数(0〜9とA〜Fの16種類で数える表し方)では00〜FFの2桁になります。6桁の指定 RRGGBB は、左から2桁ずつ赤・緑・青の濃さです。
| 指定 | 意味 |
|---|---|
| FFFFFF | 3色とも最大 → 白 |
| 000000 | 3色ともゼロ → 黒 |
| FF0000 / 00FF00 / 0000FF | 赤 / 緑 / 青 |
| FFFF00 | 赤+緑 → 黄 |
| 00FFFF | 緑+青 → シアン(水色) |
| FF00FF | 赤+青 → マゼンタ(赤紫) |
青みを強めたいなら、最後の2桁だけを大きくします。909090なら9090C0です(16進のC0は10進で192、90は144)。
メモリ量の計算は1つの型で解ける
ビデオメモリ(VRAM:画面に表示する画像を置いておくメモリ)の容量も、画像ファイルの容量も、同じ型で計算します。
- 画素数 = 横 × 縦
- 1画素のバイト数 = ビット数 ÷ 8
- 容量 = 画素数 × 1画素のバイト数
- 問題文の単位の約束に従ってMバイトなどに直す
単位の約束は問題ごとに違います。1Mバイト=10^6バイトとする問題もあれば、1Mバイト=1,024×1,024バイトとする問題もあります。約束と違う換算で計算すると答えが合わなくなるか、近い値で迷うことになります。計算の前に、まず問題文の約束に印をつけてください。
「表示に必要なメモリ量として最も少ないもの」と聞かれたら、計算結果以上の選択肢のうち最小のものを選びます。計算結果より小さい値では足りません。
ポイントとdpiからドット数を出す
dpi(dots per inch)は、1インチ(約2.54cm)の中に並ぶドットの数です。ポイントは文字の大きさの単位で、試験では1ポイント=1/72インチと問題文で与えられます。
手順は「ポイント → インチ → ドット」の2段階だけです。インチ = ポイント ÷ 72、ドット数 = インチ × dpi で求めます。
ラスタとベクタ:画像の2つの記録方式
画像の記録方式は2種類あり、試験ではこの違いが繰り返し問われます。ラスタ(ビットマップ)は点の集まりとして、ベクタ(ベクトル)は図形の設計図(始点・方向・長さ)として記録します。
たとえると、ラスタはモザイクタイルの壁画、ベクタは**「ここからこの方向にこの長さの線」という作図の指示書**です。タイル画を拡大するとタイルの角が見えますが、指示書は何倍の大きさでも描き直せます。
| 観点 | ラスタ(ビットマップ) | ベクタ(ベクトル) |
|---|---|---|
| 記録のしかた | 画素ごとの色 | 図形の座標・方向・長さ |
| 拡大したとき | ジャギー(ギザギザ)が出る | 滑らかなまま |
| 向いているもの | 写真・自然な絵 | 図形・ロゴ・文字 |
| ソフト | ペイントソフト(筆で描くように塗る) | ドローソフト(図形を部品として組み合わせる) |
| フォント | ビットマップフォント | アウトラインフォント(輪郭線で文字を記録) |
| 表示速度 | 速い(点をそのまま出すだけ) | 描画の計算がいる分、不利 |
アウトラインフォントが向いているのは「任意の倍率に拡大して表示する」ケースです。「高速に表示する」はビットマップフォントの長所なので、逆に選ばないよう注意してください。
アンチエイリアシングと紛らわしいCG用語(最頻出)
アンチエイリアシングは、斜めの線や図形の境界に出る階段状のギザギザ(ジャギー)を、境界の画素に中間色を塗って滑らかに見せる手法です。この分野では最も出題回数が多い知識です。問題文の「傾いた直線を滑らかに」「境界のギザギザを目立たなくする」「中間色を割り当てる」のどれかが見えたら、これが正解です。
選択肢には、他のCG(コンピュータグラフィックス)用語が並びます。どれも「境界を滑らかにする」技術ではありません。
| 用語 | 何をするか |
|---|---|
| アンチエイリアシング | 境界のギザギザを中間色で滑らかに見せる |
| シェーディング | 光の当たり方に応じて陰影をつける |
| テクスチャマッピング | 物体の表面に模様や画像を貼り付ける |
| バンプマッピング | 表面を凹凸があるように見せる |
| レイトレーシング | 光線を追いかけて、反射や屈折をリアルに描く |
| モーフィング | ある形を別の形へ滑らかに変化させる動画技法 |
| クリッピング | 表示範囲の外にはみ出した部分を切り取る |
ビデオメモリ容量(1,000×800ドット・65,536色)
ア 1.6
イ 3.2
ウ 6.4
エ 12.8
解き方と答えを見る
- 単位の約束を確認する:1Mバイト=1,000kバイト、1kバイト=1,000バイト。つまり1Mバイト=10^6バイト。
- 色数をビット数に直す:65,536色=2^16色なので16ビット。
- バイトに直す:16ビット ÷ 8 = 2バイト/画素。
- 画素数を求める:1,000 × 800 = 800,000画素。
- 容量を求める:800,000 × 2バイト = 1,600,000バイト。
- Mバイトに直す:1,600,000 ÷ 10^6 = 1.6Mバイト。
答え:ア(1.6)
必要なメモリ量のうち最も少ないもの(1,024×768画素・24ビット)
ア 0.8
イ 2.4
ウ 6.3
エ 18.9
出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20250608 実施分 問10
解き方と答えを見る
- 単位の約束を確認する:1Mバイト=10^6バイト。
- 1画素のバイト数:24ビット ÷ 8 = 3バイト。
- 画素数:1,024 × 768 = 786,432画素。
- 容量:786,432 × 3 = 2,359,296バイト。
- Mバイトに直す:2,359,296 ÷ 10^6 ≒ 2.36Mバイト。
- 「必要な量のうち最も少ないもの」なので、2.36以上の選択肢のうち最小の2.4を選ぶ。0.8では足りない。
答え:イ(2.4)
1Gバイトのメモリに記録できる画像の枚数(1,600×1,200画素・24ビット)
ア 21
イ 173
ウ 520
エ 1388
出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20161211 実施分 問11
解き方と答えを見る
- 単位の約束を確認する:1Gバイト=10^9バイト。圧縮はしない。
- 1画素のバイト数:24ビット ÷ 8 = 3バイト。
- 画素数:1,600 × 1,200 = 1,920,000画素。
- 1枚の容量:1,920,000 × 3 = 5,760,000バイト(5.76×10^6バイト)。
- 枚数:10^9 ÷ (5.76×10^6) ≒ 173.6。
- 途中まで書いた画像は使えないので、端数は切り捨てて173枚。
答え:イ(173)
96dpiで12ポイントの文字は何ドットか
ア 8
イ 9
ウ 12
エ 16
解き方と答えを見る
- 約束を確認する:1ポイント=1/72インチ。
- ポイントをインチに直す:12 ÷ 72 = 1/6インチ。
- インチをドットに直す:96ドット/インチ × 1/6インチ = 16ドット。
答え:エ(16)
ビットマップフォント8,192文字分の容量(48×32ドット・2値)
ア 192 k
イ 1.5 M
ウ 12 M
エ 96 M
解き方と答えを見る
- 単位の約束を確認する:1Mバイト=1,024kバイト、1kバイト=1,024バイト。つまり1Mバイト=1,048,576バイト。
- 2値なので1ドット=1ビット。1文字=48 × 32 = 1,536ビット。
- バイトに直す:1,536 ÷ 8 = 192バイト/文字。
- 全体:192 × 8,192 = 1,572,864バイト。
- Mバイトに直す:1,572,864 ÷ 1,048,576 = 1.5Mバイト。
答え:イ(1.5M)
要点(試験直前に読む)
- 容量 = 横 × 縦 × 1画素のビット数 ÷ 8。65,536色は16ビット=2バイト、24ビットは3バイト。
- 単位の約束(10^6か1,024×1,024か)は問題ごとに違う。計算の前に問題文で確認する。
- 6桁16進はRRGGBB。青みを強めるなら最後の2桁を大きくする。赤+緑=黄。
- ドット数 = ポイント ÷ 72 × dpi(12ポイント・96dpiなら16ドット)。
- 拡大しても滑らか=ベクタ(アウトラインフォント・ドローソフト)。点の集まり=ラスタ(ビットマップフォント・ペイントソフト)。
- 「傾いた線を滑らかに」「境界に中間色」=アンチエイリアシング。
ひっかけ
- ビットをバイトに直す(÷8)のを忘れると、答えが8倍(枚数なら1/8)になる。その値が選択肢に紛れ込んでいる。
- 単位の約束を読み飛ばして、問題と違う換算(1,000と1,024)で計算する。答えが合わないか近い値で迷うので、まず問題文の約束を確認する。
- 「必要なメモリ量のうち最も少ないもの」で、計算結果より小さい選択肢を選ぶ。足りない量は不正解で、計算結果以上の最小値を選ぶ。
- 16進の色指定で、中央の2桁(緑)を変えた選択肢や、青を小さくした選択肢を選ぶ。青は最後の2桁で、強めるなら大きくする。
- アウトラインフォントの長所に「高速表示」を選ぶ(高速なのはビットマップ)。アンチエイリアシングの代わりに、シェーディングやテクスチャマッピングなど質感表現の用語を選ぶ。
用語(16)
画像を構成する、1つの色を持つ最小の点。
⚠ ドットとほぼ同じ意味で使われる。試験ではどちらも「点1個」と読めばよい。
画像や画面を横×縦いくつの画素で表すか(または1インチあたりの点の数)を示す値。
⚠ 色数(1画素に使える色の種類)とは別物。容量は解像度と色数の掛け算で決まる。
1インチの長さに並ぶドットの数。
⚠ ポイントは文字の大きさの単位(1ポイント=1/72インチ)。ポイント→インチ→ドットの順に換算する。
文字の大きさを表す単位で、試験では1/72インチとして与えられる。
赤・緑・青の3色の光の強さで色を表す方式。
⚠ 6桁16進ではRRGGBBの順。青は最後の2桁、緑は中央の2桁。
光の色を重ねるほど明るくなる混ぜ方で、RGBを全部最大にすると白になる。
⚠ 絵の具の混ぜ方とは逆。赤+緑は黄、緑+青はシアン、赤+青はマゼンタ。
RGB各8ビット、合計24ビット(3バイト)で約1,677万色を表す方式。
⚠ 16ビット(65,536色・2バイト)と混同しない。
画面に表示する画像データを一時的に置いておくメモリ。
画像を画素ごとの色の集まりとして記録する方式。
⚠ ベクタ形式は図形の座標・方向・長さで記録する。拡大でジャギーが出るのはラスタの方。
画像を大きさと方向をもつ線や図形の集まりとして記録する方式。
⚠ 拡大・縮小しても滑らかなのはベクタ。ラスタは拡大でギザギザになる。
文字の形をドットの並びとして記録したフォント。
⚠ 表示は速いが、拡大するとギザギザになる。拡大向きなのはアウトラインフォント。
文字の輪郭線を座標と曲線で記録し、表示の大きさに合わせて描くフォント。
⚠ 「任意の倍率に拡大」ならこちら。「高速表示」はビットマップフォントの長所。
線や図形を部品として扱い、組み合わせや変形で絵を作るベクタ系の描画ソフト。
⚠ ペイントソフトはマウスを筆のように動かして塗り、ビットマップ画像として保存する。
画面上を筆で塗るように描き、結果を画素の集まり(ビットマップ)として保存するソフト。
⚠ 図形を部品として扱うのはドローソフト。
斜めの線や曲線の境界に現れる階段状のギザギザ。
境界の画素に中間色を塗って、ジャギーを目立たなくする手法。
⚠ シェーディング(陰影)、テクスチャマッピング(模様貼り)、バンプマッピング(凹凸)、モーフィング(形の変化)、レイトレーシング(光線追跡)、クリッピング(はみ出しを切り取る)はどれも別の技術。
このレッスンの過去問
- RGB16進指定の色の濃さ基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20130127 実施分 問29
- ビデオメモリ容量の計算(解像度×色数)平成28年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問12
- ポイントとdpiからのドット数計算平成31年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問11
- アンチエイリアシングの定義令和6年度 基本情報技術者試験 科目A 公開問題 問6
- アウトラインフォントとビットマップフォントの違い平成27年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問24
- ドローソフトとペイントソフトの違い(ベクタ画像)平成23年度 特別試験 基本情報技術者試験 午前 問28