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ネットワーク・2/11・12分

LAN をつなぐ機器とイーサネットの送信ルール

ゴール

LAN をつなぐ機器(リピータ・ブリッジ・L2スイッチ・ルータ・L3スイッチ・ゲートウェイ)を「何層で動き、何を見て中継するか」で区別できるようになる。あわせて、MACアドレスの構成、ブロードキャスト、CSMA/CD、1000BASE-T の選択肢問題を即答できるようになる。

LAN間接続装置は本試験・免除試験あわせて50回以上出ている、ネットワーク分野の定番です。社内LANやクラウドのネットワーク構成図に出てくる「スイッチ」「ルータ」「ゲートウェイ」が何をしている箱なのかを読めるようになります。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

結論:機器は「何層で・何を見るか」の1枚表で覚える

LAN間接続装置の問題は、機器と層(OSI基本参照モデル)と見るアドレスの組合せを入れ替えたひっかけがほとんどです。下の表が頭に入れば、この分野の大半は解けます。覚え方は「リ・ブ・ル・ゲ = 1・2・3・4以上」です。

機器 動く層 見るもの やること
リピータ 第1層 物理層 電気信号だけ(アドレスは見ない) 信号を増幅して伝送距離を延ばす
リピータハブ 第1層 物理層 電気信号だけ 届いた信号を全ポートにそのまま流す
メディアコンバータ 第1層 物理層 電気信号・光信号 異なる伝送媒体(光ファイバ⇔銅線など)をつなぎ、信号を変換する
ブリッジ 第2層 データリンク層 MACアドレス 必要なセグメントにだけフレームを中継する
L2スイッチ(スイッチングハブ) 第2層 データリンク層 MACアドレス 宛先MACアドレスがつながっているポートだけに転送する
ルータ 第3層 ネットワーク層 IPアドレス 宛先IPアドレスを見て経路を選び、パケットを中継する
L3スイッチ 第3層 ネットワーク層 IPアドレス ルータと同じ中継(ルーティング)をスイッチの形で高速に行う
ゲートウェイ 第4層以上(トランスポート層〜アプリケーション層) プロトコル全体 異なるプロトコル同士を変換してつなぐ

たとえるなら、リピータは声を大きくして遠くまで届ける拡声器です。L2スイッチは部屋番号(MAC)を見て届ける館内の配達係、ルータは住所(IP)を見て次の局へ回す郵便局、ゲートウェイは言葉の違う相手との間に立つ通訳です。

L2スイッチ:MACアドレスを覚えて、必要なポートだけに送る

スイッチングハブ(L2スイッチ)は、宛先MACアドレスがつながっているポートだけにフレームを転送します。 届いたフレームの送信元MACアドレスを見て「このMACは何番ポートの先にいる」と自動で覚えます(MACアドレステーブル)。こうして覚えた対応表を使い、関係のないポートには流しません。

比べる相手はリピータハブです。リピータハブは何も覚えないので、全ポートに同じ信号を流します。

リピータハブ L2スイッチ
層 第1層 第2層
宛先の判断 しない MACアドレスで判断する
送り先 全ポート 宛先のポートだけ

過去問の誤りの選択肢は、ほかの機器やサーバの仕事です。

  • IPアドレスを割り当てる → DHCPサーバ
  • IPアドレスを見て中継・破棄を判断する → ルータ・L3スイッチ
  • ネットワーク層でパケットを分割する(フラグメンテーション) → ルータ
  • 全ポートに流す → リピータハブ
リピータハブ:全ポートに流すPC A宛先:PC CハブPC BPC CPC DB・Dにも同じ信号が届くL2スイッチ:宛先のポートだけPC A宛先:PC CL2スイッチPC BPC CPC DMACアドレステーブルPC CのMAC → Cのポート
同じPC AからPC C宛てのフレームを、リピータハブは全ポートに流し、L2スイッチはMACアドレステーブルを見てCのポートにだけ送る。

MACアドレス:48ビット=メーカー番号24+製造番号24

MACアドレスはネットワーク機器ごとに付けられた48ビットの番号です。 先頭24ビットはOUI(ベンダID)、後続24ビットはそのメーカーが付ける固有製造番号です。データリンク層で、フレームの送信元と宛先を特定するために使います。

IPアドレスはネットワークの設計に合わせて後から割り当てる「住所」です。これに対してMACアドレスは、機器に最初から付いている「製造番号」です。MACアドレスの中にIPアドレスやエリアIDが入っている、という選択肢は誤りです。

MACアドレス IPアドレス ポート番号
層 第2層 データリンク層 第3層 ネットワーク層 第4層 トランスポート層
識別するもの 機器(の通信部品) ネットワーク上の機器の位置 機器の中のアプリケーション
MACアドレス=48ビット先頭24ビットOUI(ベンダID)後続24ビット固有製造番号メーカー番号そのメーカーが付けるIPアドレスやエリアIDは入っていない
48ビットのMACアドレスは、先頭24ビットのOUI(ベンダID)と後続24ビットの固有製造番号に分かれる。

ブロードキャスト:同じセグメントの全員に「1回で」送る

ブロードキャストフレームは、同一セグメント内の全ノードに対して、送信元が1回の送信でデータを届けます。 宛先MACアドレスを全ビット1(FF-FF-FF-FF-FF-FF)にして送ると、スイッチがそのセグメントの全ポートに広げてくれます。セグメントとは、ルータで区切られる前の、ひとつながりのLANの範囲のことです。

送り方 宛先 送信回数
ユニキャスト 特定の1台 1回
マルチキャスト 選ばれた複数台(グループ) 1回
ブロードキャスト 同一セグメントの全台 1回

選択肢は「全て」か「選択された複数」か、「一度に」か「順番に」かの組合せで作られています。**「全て+一度」**だけが正解です。「順番に送る」は、単にユニキャストを何回も繰り返しているだけで、ブロードキャストではありません。

CSMA/CD:空いていたら送る、ぶつかったらランダムに待って再送

CSMA/CDは有線イーサネットで、誰がいつ送るかを決めるルール(メディアアクセス制御方式)です。 名前がそのまま手順になっています。

  1. CS(Carrier Sense=キャリア検知):送る前に、伝送路が使用中かどうかを調べる
  2. MA(Multiple Access=多重アクセス):空いていれば、誰でも送信してよい
  3. CD(Collision Detection=衝突検知):同時に送って衝突したら、それを検知する。ランダムな時間待ってから再送する

会議で、誰も話していないのを確かめてから発言し、2人同時に話し始めたら、それぞれ適当に間をおいて言い直すイメージです。待ち時間をランダムにするのは、同じタイミングで再送して何度も衝突するのを防ぐためです。

誤りの選択肢は、ほかの方式の説明です。

方式 見分けるキーワード
CSMA/CD(有線イーサネット) キャリア検知・衝突を検出したらランダム時間後に再送
トークンパッシング 送信権(トークン)を巡回・受け渡し、受け取ったノードだけが送る。「環状に接続」「論理的な順位付け」
TDMA(時分割多元接続) タイムスロットを割り当てられたノードだけが送る
CSMA/CA(無線LAN) RTS/CTS、ACKで受信確認。衝突を「避ける(Avoidance)」
CSMA/CD:ぶつかったらランダムに待つCSMA待つA確認送信再送衝突を検知(CD)B確認送信待つ再送時間待ち時間がランダム→同時再送を防ぐ
AとBが同時に送って衝突すると、それぞれランダムな時間待って再送するので、次は重ならずに送れる。

1000BASE-T:4対のUTP・最大100m

1000BASE-Tは、4対のUTPケーブル(より対線)を使うギガビットイーサネットで、最大距離は100mです。 名前は「1000=1000Mbps」「BASE=ベースバンド伝送」「T=ツイストペアケーブル」と読みます。2対で100mは100BASE-TXなので、取り違えないようにします。光ファイバを使うのは1000BASE-SX・1000BASE-LXなどです。

要点(試験直前に読む)

  • 層と見るものは「リ・ブ・ル・ゲ = 1・2・3・4以上」。リピータ=信号増幅、ブリッジ/L2スイッチ=MAC、ルータ/L3スイッチ=IP、ゲートウェイ=トランスポート層以上のプロトコル変換。
  • L2スイッチはMACアドレスを学習し、宛先のポートだけに転送する。全ポートに流すのはリピータハブ。
  • MACアドレスは48ビット=先頭24ビットがOUI(ベンダID)、後続24ビットが固有製造番号。データリンク層で送信元・宛先を特定する。
  • ブロードキャストは「同一セグメントの全ノードに、1回の送信で」届ける。
  • CSMA/CDは「空きを確認して送信し、衝突したらランダム時間後に再送」。
  • 1000BASE-Tは4対UTP・最大100m。

ひっかけ

  • 「ブリッジはIPアドレス」「ルータはMACアドレス」の入れ替え → ブリッジはMAC、ルータはIP。層の番号で確かめる。
  • 「ゲートウェイは第1〜3層だけを変換」 → ゲートウェイはトランスポート層以上を含む。範囲を狭く書いていたら誤り。
  • L2スイッチの問題に、全ポート転送(リピータハブ)・IPアドレスの動的割当て(DHCP)・フラグメンテーション(ルータ)が混ざる → 「宛先MACのポートだけ」が正解。
  • ブロードキャストの選択肢は「全て/選択された複数」×「一度に/順番に」の4通り → 「全て+一度」だけが正解。
  • CSMA/CDの問題に、トークン巡回(トークンパッシング)・タイムスロット(TDMA)・RTS/CTSとACK(CSMA/CA)が並ぶ → 「キャリア検知+衝突したら再送」を選ぶ。

用語(20)

OSI基本参照モデル Open Systems Interconnection 基本参照モデル
通信の機能を物理層からアプリケーション層までの7つの層に分けて整理したモデル。
⚠ 機器の層を問われたら、物理=1、データリンク=2、ネットワーク=3、トランスポート=4 と番号で即答できるようにする。
リピータ リピータ
物理層で信号を増幅・整形して、同種のセグメントを延長する機器。
⚠ アドレスは一切見ない。「MAC」「IP」が出てきたらリピータの説明ではない。
リピータハブ リピータハブ
物理層で動き、受け取った信号を全ポートにそのまま中継する集線装置。
⚠ L2スイッチは宛先ポートだけに送る。「全てのポートに転送」はリピータハブ。
メディアコンバータ メディアコンバータ
物理層で、光ファイバと銅線のように異なる伝送媒体をつなぎ、信号を変換する機器。
⚠ ゲートウェイの「プロトコル変換」と混同しない。メディアコンバータが変換するのは信号の種類だけ。
ブリッジ ブリッジ
データリンク層でMACアドレスを見て、セグメント間でフレームを中継する機器。
⚠ IPアドレスを基に中継するのはルータ。ブリッジはMAC。
スイッチングハブ(レイヤ2スイッチ) スイッチングハブ/レイヤツースイッチ
MACアドレスと接続ポートの対応を学習し、宛先MACアドレスのあるポートだけにフレームを転送する機器。
⚠ 全ポート転送はリピータハブ、IP割当てはDHCPサーバ、フラグメンテーションはルータ。
ルータ ルータ
ネットワーク層で宛先IPアドレスを見て、経路を選んでパケットを中継する機器。
⚠ MACアドレスで中継するのはブリッジ・L2スイッチ。プロトコル変換はゲートウェイ。
レイヤ3スイッチ レイヤスリースイッチ
ネットワーク層でIPアドレスを見て中継(ルーティング)できるスイッチ。
⚠ L2スイッチとの違いはIPアドレスを扱えるかどうか。「ネットワーク層で中継」ならL3。
ゲートウェイ ゲートウェイ
トランスポート層以上が異なるシステム同士の間で、プロトコルを変換して通信できるようにする機器・ソフトウェア。
⚠ 「第1〜3層だけを変換」は誤り。4層以上を含むのがゲートウェイ。
MACアドレス Media Access Control アドレス
機器のネットワークインタフェースに付く48ビットの識別番号で、データリンク層で送信元・宛先の特定に使う。
⚠ IPアドレス(第3層・後から割り当てる)やポート番号(第4層)とは層が違う。
OUI Organizationally Unique Identifier
MACアドレスの先頭24ビットで、機器のメーカー(ベンダ)を表す番号。
⚠ 後続24ビットは固有製造番号。「エリアID」「IPアドレス」は入っていない。
フレーム フレーム
データリンク層で扱うデータのまとまりで、ヘッダに送信元と宛先のMACアドレスが入る。
⚠ ネットワーク層ではパケットと呼ぶ(試験では呼び方が混在することもある)。
セグメント セグメント
ルータで区切られる前の、ひとつながりのLANの範囲。
ブロードキャスト ブロードキャスト
同一セグメント内の全ノードに、送信元が1回の送信でデータを届ける送り方。
⚠ 選ばれた複数台に1回で送るのはマルチキャスト。「順番に送る」はどちらでもない。
マルチキャスト マルチキャスト
あらかじめ決めたグループ(選択された複数ノード)に、1回の送信でデータを届ける送り方。
⚠ 「全て」ならブロードキャスト、「選択された複数」ならマルチキャスト。
CSMA/CD Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection
伝送路が空いていれば送信し、衝突を検知したらランダムな時間待って再送する、有線イーサネットのアクセス制御方式。
⚠ RTS/CTSやACKはCSMA/CA(無線LAN)、送信権の巡回はトークンパッシング、タイムスロットはTDMA。
CSMA/CA Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance
無線LANで使う方式で、RTS/CTSなどで衝突を避けてから送信し、ACKで受信を確認する。
⚠ 有線の「衝突を検出して再送」はCSMA/CD。
トークンパッシング トークンパッシング
送信権を表す特殊なフレーム(トークン)を巡回させ、受け取ったノードだけが送信する方式。
⚠ 「環状」「送信権を受け渡し」が出たらこれ。CSMA/CDではない。
1000BASE-T センベースティー
4対のUTPケーブルを使い、最大100mまで1Gbpsで通信するイーサネット規格。
⚠ 2対・100mは100BASE-TX。光ファイバを使う規格は1000BASE-SX/LXなど。
UTPケーブル Unshielded Twisted Pair ケーブル
シールドのない、2本の銅線をより合わせた対を束ねたLANケーブル。

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