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ネットワーク・10/11・12分

無線 LAN とモバイル通信

ゴール

無線LAN(CSMA/CA・SSID・チャネル割当て・Wi-Fi Direct)、近距離無線(Bluetooth)、モバイル通信(LTE・テザリング)の過去問で、用語の定義を問う選択肢から正解を選べるようになる。

このレッスンの用語は、どれも一言で「何をするものか」を言えれば解ける知識問題です。似た無線用語を並べてひっかける出題が中心なので、比較表で見分けられるようになれば確実に得点できます。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

結論:7つの用語は「一言で何をするか」で選ぶ

このレッスンの問題は、ほぼ全部が用語と役割の組合せを問います。選択肢には無線に関係ありそうな用語が並びますが、役割がそれぞれ違うので、下の表の「一言」を覚えれば選べます。

用語 一言でいうと 分類
CSMA/CA 無線LANで、送る前に待って衝突を避ける 無線LANの送信ルール
SSID 無線LANのネットワーク名(最長32オクテット) 無線LANの識別子
チャネル割当て 隣のアクセスポイントは1・6・11のように離す 2.4GHz帯の運用
Bluetooth 免許不要の2.4GHz帯を使う近距離無線・指向性なし 近距離無線
Wi-Fi Direct アクセスポイントなしで機器同士を無線LANで直結 無線LANの規格
LTE 3GPPが標準化した携帯電話網の規格・全パケット交換+MIMO モバイル通信
テザリング スマホをモデム/アクセスポイント代わりにしてPCをネットにつなぐ スマホの機能

アクセスポイントとは、無線LANの電波を出して端末を有線ネットワークにつなぐ親機(家庭のWi-Fiルーターの無線部分)のことです。

Bluetooth:免許不要の2.4GHz帯・指向性なし(最頻出)

**Bluetoothは、免許不要の2.4GHz帯の電波を使う近距離無線通信の規格です。**イヤホンやマウス、キーボードを無線でつなぐときに使われています。電波なので向きを合わせる必要がなく(指向性=特定の方向にしか届かない性質がない)、到達距離は数m〜100m程度です。

試験では、別の規格の特徴を混ぜた選択肢が並びます。特に赤外線通信のIrDAとの区別が頻出です。

規格 通信手段 指向性 遮へい物 覚え方
Bluetooth 電波(2.4GHz帯・免許不要) なし 間仕切り程度なら越えて届く 無線イヤホン
IrDA 赤外線 あり(向かい合わせる) 見通しが必要・遮られると不可 テレビのリモコンと同じ光
NFC 電波(約10cmの近接) — かざす距離で使う 交通系ICカード
USB 有線 — — 最大127台接続
IEEE 1394 有線 — — ビデオ機器の接続
シリアルATA 有線 — — PC内部のストレージ接続

「間仕切りの向こうのPCにケーブルなしで送る」という問題は、無線であること(有線のIEEE 1394・シリアルATAを除外)と、見通しが不要なこと(IrDAを除外)の2段階で絞るとBluetoothが残ります。「127台」はUSB、「1,000m以上」はBluetoothの距離ではない、と即座に切れるようにしておきましょう。

間仕切りの向こうのPCへ送る間仕切りBluetooth(電波)送信PC受信PC○ 届くIrDA(赤外線)送信PC受信PC×× 届かない見通しが必要なIrDAは遮られると届かない
Bluetoothの電波は間仕切りを越えて届くが、IrDAの赤外線は遮られると届かない。

CSMA/CA:送る前に「待って」衝突を避ける

**CSMA/CAは、無線LANで電波の衝突を避けるための送信ルールです。**同じ周波数の電波が同時に出ると混ざって読めなくなるため、送る前に周りが静かか確認し、空いていても少しランダムに待ってから送ります。

たとえるなら、会議で話し始める前に一呼吸おいて、誰も話し出さないのを確かめてから話すやり方です。有線LAN(イーサネット)で使われたCSMA/CDは、送りながら衝突を検出して送り直す方式でした。無線は送信中に他の電波を聞き分けにくいので、事前に**回避(Avoidance)**する方式を使います。

方式 使う場所 衝突への対処 送信順
CSMA/CA 無線LAN 送る前に待って回避 決めない(コンテンション方式)
CSMA/CD 有線LAN 送りながら検出して再送 決めない(コンテンション方式)
トークンリング/FDDI 有線(リング型) 送信権(トークン)を持つ機器だけ送る 順番を決める

コンテンション方式とは、順番を決めずに各機器が早い者勝ちで送信を始める方式です。CSMA/CAとCSMA/CDはこれに当たり、トークンを順番に回すトークンリングやFDDIは当たりません。

送る前に待って衝突を避ける他の端末送信中待ち時間はランダム端末A待つ送信端末BAが送信中なので待つ送信空いた時間空いていても少し待ってから送る
CSMA/CAでは、空いた後もランダムに待ってから送り、先に送った端末がいれば後の端末はさらに待つ。

SSID:無線LANのネットワーク名

**SSIDは、無線LANのネットワークを識別する名前で、最長32オクテット(32バイト)です。**スマホのWi-Fi設定画面に並ぶ名前がSSIDで、どのアクセスポイントにつなぐかを選ぶのに使います。

ひっかけはMACアドレスとの混同です。

項目 SSID MACアドレス
何を識別するか ネットワーク 機器(ホスト)
長さ 最長32オクテット 48ビット固定
決め方 管理者が自由に付ける名前 機器に割り当てられた番号

「48ビット」「ホスト識別子」「ネットワーク上で一意」という語が出たら、SSIDの説明ではありません。

2.4GHz帯のチャネル割当て:隣同士は1・6・11

2.4GHz帯の無線LANは、隣り合うチャネル同士の周波数が重なって干渉します。そのため、アクセスポイントを複数置くときは、隣り合うものに1と6、6と11のように離れた番号を割り当てます。1・6・11は互いに重ならない組合せとして覚えます。

全部を同じチャネルにそろえると互いに干渉し、1・2・3と連番にすると隣の周波数が重なります。SSIDを変えても電波そのものは干渉するので、「SSIDが違えば影響しない」も誤りです。

○ 1・6・11:重ならない1611× 1・2・3:隣と重なる123重なって干渉する1234567891011チャネル番号
2.4GHz帯の電波の幅を山で描くと、1・6・11は重ならず、1・2・3は隣と重なって干渉する。

Wi-Fi Direct・テザリング・LTE:つなぎ方の違い

この3つは「何と何をつなぐか」で区別します。**Wi-Fi Directは、アクセスポイントなしでPC・プリンタ・カメラなどを無線LANで直接つなぐ規格です。**テザリングは、スマホをモデムやアクセスポイント代わりにして、PCなどからスマホの回線でインターネットを使う機能です。

LTEは、携帯電話網の通信規格です。3GPP(携帯電話の規格を国際的に決めるプロジェクト)が標準化し、全ての通信をパケット交換で処理し、複数のアンテナで同時に送受信するMIMOを使えるのが特徴です。パケット交換とは、データを小さな塊(パケット)に分けて回線を共有しながら送る方式です。

用語 つなぐもの 説明文に出るキーワード
Wi-Fi Direct 機器 ↔ 機器 アクセスポイントを用いない
テザリング PC → スマホ → インターネット モデム/アクセスポイントのように用いる
公衆無線LAN 端末 → 街頭のアクセスポイント 通信事業者・自治体が街頭に設置
LTE スマホ ↔ 携帯電話網 3GPP・全パケット交換・MIMO
キャリアアグリゲーション 複数の周波数帯を束ねる 帯域を束ねて高速化

テザリングの問題では、SIMロック解除(他社SIMを使う)、ローミング(契約外のエリアで他社網を使う)、フィルタリング(有害サイトを表示しない)が誤りの選択肢として並びます。

テザリング:スマホが親機の代わりPCスマホAP代わり携帯電話網無線LANLTEインターネットLTE:3GPP標準・全パケット交換+MIMO(複数アンテナ)Wi-Fi Direct:APなしで直結PCプリンタ機器同士を直接アクセスポイントを用いない
テザリングはPC→スマホ→携帯電話網(LTE)→インターネットの道筋で、Wi-Fi Directはアクセスポイントなしで機器同士を直結する。

試験での問われ方

  • 定義を選ぶ型:「○○の説明として適切なものはどれか」。選択肢の残り3つは、たいてい別の用語の正しい説明です(例:Wi-Fi Directの問題でテザリング・NFC・公衆無線LANの説明が並ぶ)。
  • 状況から用語を選ぶ型:「電波の衝突を回避するもの」「間仕切りの向こうへケーブルなしで送る」など。条件を1つずつ当てはめて消去します。
  • 特徴の組合せ型:LTEのように特徴を3つ並べて規格名を選ばせます。MAC(Media Access Control)・MDM(モバイル端末の一括管理)・VoIP(IP網で音声通話)は通信規格ではないと分かれば消せます。

要点(試験直前に読む)

  • 無線LANの衝突対策はCSMA/CA(送る前に待って回避)。有線のCSMA/CDは検出。どちらも順番を決めないコンテンション方式。
  • SSIDは最長32オクテットのネットワーク名。48ビット・ホスト識別子はMACアドレス。
  • 2.4GHz帯の複数アクセスポイントは、隣同士を1・6・11のように離れたチャネルにする。
  • Bluetoothは免許不要の2.4GHz帯・指向性なし・近距離。赤外線で見通しが必要なのはIrDA、127台はUSB。
  • Wi-Fi Direct=アクセスポイントなしで機器同士を直結。テザリング=スマホをモデム代わりにしてネット接続。
  • LTE=3GPP標準・全パケット交換・MIMO。

ひっかけ

  • Bluetoothの選択肢に「127台接続(USB)」「指向性があり向かい合わせる(IrDA)」「1,000m以上(長距離通信)」を混ぜる。2.4GHz帯・免許不要以外は他規格の特徴と見抜く。
  • 「間仕切りの向こうへケーブルなしで送る」でIrDAを選ばせる。赤外線は遮られると届かないので不可。
  • 衝突回避の問題でSSID・キャリアアグリゲーション・テザリングを並べる。無線っぽい語でも役割が違うので、衝突回避はCSMA/CAだけ。
  • Wi-Fi Directの問題では、テザリング・NFC・公衆無線LANの正しい説明が誤答として並ぶ。「アクセスポイントを用いない」が決め手。
  • チャネル割当てで「全部同じ番号にそろえる」「連番で割り当てる」「SSIDが違えば干渉しない」はすべて誤り。

用語(19)

CSMA/CA Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance
無線LANで、送信前に通信路が空いているか確かめ、ランダムに待ってから送ることで電波の衝突を避ける方式。
⚠ CSMA/CDは有線LANで衝突を「検出」して再送する方式。無線=回避(CA)、有線=検出(CD)。
CSMA/CD Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection
有線LANで、送信中に衝突を検出したら待って再送する方式。
⚠ CSMA/CAとの違いは、衝突を事前に避けるか(CA)、起きてから検出するか(CD)。
コンテンション方式 こんてんしょんほうしき
通信路を共有する機器が、順番を決めずに早い者勝ちで送信を始める方式。
⚠ トークンパッシング方式(トークンリング・FDDI)は送信権を順番に回すので該当しない。
トークンリング とーくんりんぐ
リング状につないだ機器の間で送信権(トークン)を回し、持っている機器だけが送信する方式。
⚠ 順番を決める方式なので、コンテンション方式ではない。
FDDI Fiber Distributed Data Interface
光ファイバのリング型ネットワークで、トークンを使って送信順を制御する規格。
⚠ トークンリングと同じく順番制御。CSMA系とは逆。
SSID Service Set Identifier
無線LANのネットワークを識別する最長32オクテットの名前で、接続するアクセスポイントの選択に使う。
⚠ MACアドレスは48ビットの機器(ホスト)の識別子。「48ビット」「ホスト」が出たらSSIDではない。
MACアドレス Media Access Control address
ネットワーク機器ごとに割り当てられた48ビットの識別番号。
⚠ SSIDはネットワーク名、MACアドレスは機器の番号。
アクセスポイント あくせすぽいんと
無線LANの電波を出し、端末を有線ネットワークへ中継する親機。
⚠ Wi-Fi Directはこれを使わずに機器同士をつなぐ。
チャネル(2.4GHz帯) ちゃねる
2.4GHz帯を細かく区切った周波数の番号で、隣り合う番号同士は周波数が重なって干渉する。
⚠ 複数のアクセスポイントを置くときは同じ番号や連番ではなく、1・6・11のように離して割り当てる。
Bluetooth ぶるーとぅーす
免許不要の2.4GHz帯の電波を使い、数m〜100m程度で機器をつなぐ近距離無線通信の規格。
⚠ IrDAは赤外線で指向性があり見通しが必要。Bluetoothは電波で指向性がなく、間仕切り程度なら届く。
IrDA Infrared Data Association
赤外線を使う近距離無線通信の規格で、機器を向かい合わせて通信する。
⚠ 無線だが遮へい物があると通信できない点でBluetoothと区別する。
NFC Near Field Communication
10cm程度までの近距離で、かざして通信する無線規格。電子マネーや改札で使われる。
⚠ Wi-Fi Directの問題で「10cm程度・改札」の選択肢はNFCの説明。
Wi-Fi Direct わいふぁいだいれくと
アクセスポイントを使わずに、PC・プリンタ・カメラなどの機器同士を無線LANで直接つなぐ規格。
⚠ テザリングはスマホ経由でインターネットにつなぐ機能。Wi-Fi Directは機器同士の直結が目的。
テザリング てざりんぐ
スマホをモデムやアクセスポイントのように使い、PCなどからスマホの回線でインターネットにつなぐ機能。
⚠ SIMロック解除(他社SIMを使う)、ローミング(他社網を使う)、フィルタリング(有害サイト遮断)と混同させる。
LTE Long Term Evolution
3GPPが標準化した携帯電話網の通信規格で、全通信をパケット交換で処理し、MIMOを利用できる。
⚠ MAC・MDM・VoIPは通信規格ではないので、特徴3つの組合せ問題では消去できる。
MIMO Multiple Input Multiple Output
送信側と受信側で複数のアンテナを使い、同時に複数の電波で送受信して速度を上げる技術。
⚠ 衝突回避の技術ではない。コンテンション方式の問題で選ばない。
キャリアアグリゲーション Carrier Aggregation
複数の周波数帯を束ねて1つの通信に使い、高速化する技術。
⚠ 電波の衝突を回避する技術ではない(それはCSMA/CA)。
3GPP 3rd Generation Partnership Project
携帯電話の通信規格を国際的に標準化するプロジェクト。
パケット交換 ぱけっとこうかん
データを小さな塊に分け、回線を複数の通信で共有しながら送る方式。
⚠ 回線交換は通話中ずっと1本の回線を占有する方式。

このレッスンの過去問

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