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ビジネスインダストリ・1/8・10分

生産方式の種類とものづくりを支えるシステム

ゴール

生産方式(個別・ロット・連続・プロセス・セル・BTO)と、ものづくりを支えるシステム(CAD・CAM・CAE・PLM)、半導体のファウンドリを見分け、選択肢に並んだ別の用語の説明に引っかからずに正解を選べるようになる。

この分野では、選択肢に別の方式やシステムの説明を並べ、「どれがその用語の説明か」を選ばせる問題が出ます。いちばん多く出ているのはセル生産方式(本試験系4回・免除6回)で、CAD(本試験系1回)とファウンドリ(免除1回)は観測された出題が1回だけです。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

結論:この分野は「用語と説明の組合せ」で決まる

このレッスンの問題は、計算ではなく用語と説明の組合せを選ぶ形です。選択肢の誤りは、たいてい別の用語の正しい説明になっています。

そのため、正解の用語だけでなく、選択肢に並べられやすい相手の用語もセットで覚えるのが近道です。以下の表は、どれも「一緒に並ぶ相手」を一覧にしたものです。

生産方式の4分類:生産量と品種で並べる

結論:生産量が少ない順に「個別 → ロット → 連続」と並べ、液体や化学反応で作るものだけをプロセス生産として別に覚えます。生産量が少ないほど品種が多く、段取り(作る品物を切り替えるための機械の調整や準備)の回数も増えます。

生産方式 生産量 品種 段取り頻度 主な形態 例
個別生産 少 多 多 受注生産 注文住宅、特注の機械
ロット生産 中 中 中 受注・見込 ある型を100個作ったら別の型に切り替える
連続生産 多 少 少 見込生産 同じ製品を流し続ける組立てライン
プロセス生産 多 少 極少 受注・見込 石油・化学・食品など、原料を化学的に処理する
  • 受注生産:注文を受けてから作る。
  • 見込生産:売れる量を予測して先に作り、在庫として持つ。
  • ロット:同じものをまとめて作る単位。

たとえるなら、個別生産はオーダーメイドのスーツ、連続生産は同じ形の既製服を大量に縫い続ける工場です。試験では表の空欄を埋める形で出ます。「生産量が少・品種が多・段取りが多・受注生産」がそろえば個別生産です。

セル生産方式(いちばんよく出る)

結論:セル生産方式は、1人または数人が部品の組立てから完成検査までの全工程を受け持つ方式で、多品種で柔軟な生産に向きます。作業者をU字型などに囲むように配置した作業台(セル)で、1つの製品を最後まで仕上げます。

比較の相手は、作業を細かく分けてベルトコンベアで流すライン生産方式です。たとえるなら、ライン生産は「担当が1工程ずつ決まった流れ作業」、セル生産は「1人の職人がカウンターで1杯を最初から最後まで作るラーメン屋」です。

方式 作業の分け方 向いている対象 弱み
セル生産方式 1人〜数人で全工程を担当 多品種・少量、仕様がよく変わる製品 作業者に多くの技能が必要
ライン生産方式 工程ごとに分業し流れ作業 少品種・大量生産、仕様が長く変わらない製品 品種の切替えに弱い
かんばん方式 後工程が前工程に「必要な部品・数量」を伝える ムダな在庫を減らす(ジャストインタイム) ―

かんばん方式は、後ろの工程が「使った分だけ補充して」と書いた札(かんばん)を前の工程に渡す仕組みです。在庫を減らすジャストインタイム(必要な物を、必要なときに、必要な量だけ作る考え方)の道具であり、「全工程を少人数で」というセル生産とは別物です。

試験では次の2パターンで出ています。

  • 「セル生産方式の特徴はどれか」→ 「全工程を1人又は数人で作業する」を選ぶ。
  • 「セル生産方式の利点が生かせる対象はどれか」→ 「多種類かつフレキシブルな生産」を選ぶ。大量生産・仕様が長期間変わらない・分業が必要、はどれもライン生産の話です。
ライン生産方式工程1工程2工程3検査担当1担当2担当3担当4工程ごとに分業して流れ作業セル生産方式部品組立て完成検査作業者1人〜数人で全工程を担当多品種・少量、仕様がよく変わる製品向き
ライン生産は工程ごとに担当を分けて流れ作業で作り、セル生産は作業台を囲んだ1人〜数人が部品の組立てから完成検査までを受け持つ。

BTO:部品で在庫を持ち、注文後に組み立てる

結論:BTO(Build To Order)は、部品の形で在庫を持っておき、注文を受けてから最終製品を組み立てる受注生産です。パソコンの通販で、CPUやメモリを選んで注文すると、その構成で組み立てて届けるのが典型例です。

選択肢には、小売業の業態の説明が並びます。

用語 中身
BTO 部品在庫を持ち、受注後に最終製品を組み立てる
SPA(製造小売業) 企画から生産・販売まで自社で行い、自社ブランド品を直接売る
アウトレット 過剰在庫・返品・傷物など、正規価格で売れない品を安く売る
カテゴリキラー 特定の商品分野に絞り、豊富な品ぞろえと低価格で勝負する

見分ける鍵は「部品で在庫」「注文を受けてから」の2語です。

BTO(Build To Order)部品の形で在庫CPUメモリ部品部品最終製品を組み立てるその構成で届ける注文前注文後注文を受けてから組み立てる
BTOは注文前は部品の形で在庫を持ち、注文を受けてから最終製品を組み立てて届ける。

CAD・CAM・CAE:設計・製造・評価のどれをコンピュータでやるか

結論:CADは設計図面を作る、CAMは図面を加工の指示に変えて機械を動かす、CAEは試作せずに性能を評価する、です。CADの出題は本試験系で1回だけですが、CAE・CAM・MRPとセットで並ぶ形なので4つまとめて覚えます。

用語 正式名称 何をするか 見分ける語
CAD Computer Aided Design 形状・構造のデータから設計図面を作る 設計図面を作成
CAM Computer Aided Manufacturing 設計図面を工程情報に変え、機械加工を自動化 機械加工・工程設計
CAE Computer Aided Engineering 試作や実験をせず、性能・機能をシミュレーションで評価 試作せずに評価
MRP Material Requirements Planning(資材所要量計画) 生産計画・部品構成表・在庫から資材の必要量と時期を計算 必要量と時期

頭文字の最後の1字で覚えると速いです。D=Design(設計)、M=Manufacturing(製造)、E=Engineering(評価・解析)。

CAD(D=設計)設計図面を作るCAE(E=評価)試作や実験をせず性能をシミュレーション図面CAM(M=製造)図面を加工の指示に機械加工を自動化試作品CAEなら作らずに済む
CADで作った設計図面を、CAMは機械加工の指示に変え、CAEは試作や実験をせずに性能を評価する。

PLM:製品の一生の情報を一元管理

結論:PLM(Product Lifecycle Management)は、開発・製造・販売・保守・リサイクルまで、製品の一生にわたる情報を一元管理する考え方とシステムです。要件定義書から運用保守の記録まで、1つのシステムのライフサイクル情報を1か所にまとめるイメージに近いです。

用語 中身 見分ける語
PLM 製品の開発から廃棄・リサイクルまでの製品情報を一元管理 ライフサイクル全体
FMS(フレキシブル生産システム) NC工作機械・自動搬送・倉庫をつなぎ、多品種少量生産を自動化 工作機械・自動搬送
MRP 生産計画から資材の所要量と発注時期を計算 資材の所要量
SCM(サプライチェーンマネジメント) 部品供給から販売までの企業間の流れで情報を共有し、在庫とリードタイムを減らす 部品の供給から販売まで

PLMは「製品の一生(時間の流れ)」、SCMは「供給から販売までのつながり(企業間の流れ)」と区別します。

PLM:製品の一生の情報を一元管理開発製造販売保守リサイクル時間の流れ(1つの製品)SCM:企業間の流れ部品供給(A社)製造(B社)販売(C社)情報を共有して在庫とリードタイムを減らす
PLMは1つの製品の一生(時間の流れ)の情報を、SCMは部品供給から販売までの企業間の流れを扱う。

ファウンドリとファブレス(出題1回)

ファウンドリは、複数の企業から半導体の生産だけを請け負う企業です。反対にファブレスは、自社工場を持たず設計・販売に集中し、生産は外部に任せる企業です。出題は免除試験の1回だけなので、「工場を持つ受託生産=ファウンドリ」「工場を持たない=ファブレス」だけ押さえれば十分です。

試験での問われ方

  • 空欄補充の表:生産量・品種・段取り頻度の「少・中・多」から4分類を当てる。化学的処理ならプロセス生産と決まる。
  • 「〇〇の説明はどれか」:誤りの選択肢は別の用語の正しい説明になっている。セル生産ならかんばん方式・流れ作業、CADならCAE・CAM・MRP、PLMならFMS・MRP・SCM、BTOならSPA・アウトレット・カテゴリキラーが並ぶ。
  • 「利点が生かせる対象」:セル生産は多品種・柔軟。大量生産・仕様が変わらない・分業はライン生産の特徴。
  • ファウンドリの問題:ファブレスの特徴(生産の外部委託・設計やマーケティングに注力)が誤りの選択肢になる。

要点(試験直前に読む)

  • 生産量が少ない順に個別 → ロット → 連続。化学的な処理ならプロセス生産。生産量が少ないほど品種と段取りが多い。
  • セル生産方式=1人〜数人で組立てから完成検査まで全工程。多品種で柔軟な生産に向く。大量生産・分業はライン生産。
  • BTO=部品で在庫を持ち、注文を受けてから最終製品を組み立てる。
  • CADは設計図面を作成、CAMは機械加工の自動化、CAEは試作せずに性能を評価、MRPは資材の必要量と時期を計算。
  • PLMは製品の開発からリサイクルまでの情報を一元管理(SCMは供給から販売までの企業間の流れ)。
  • ファウンドリは生産を受託する企業、ファブレスは工場を持たない企業。

ひっかけ

  • セル生産の問題で、かんばん方式(後工程から前工程に必要量を伝える)の説明が出る。「全工程を1人又は数人で」があるものを選ぶ。
  • 「セル生産が生かせる対象」で、大量生産・仕様が長期間変わらない・分業が必要な対象が並ぶ。どれもライン生産向きなので、「多種類・フレキシブル」を選ぶ。
  • CADの問題で、CAE(試作せずに評価)・CAM(機械加工の自動化)・MRP(資材の所要量)が並ぶ。「設計図面を作成」がCAD。
  • PLMの問題で、FMS・MRP・SCMの説明が並ぶ。「開発から保守・リサイクルまで」「一元管理」がPLM。
  • 生産方式の表で、大量生産どうしの連続生産とプロセス生産を取り違えさせる。「化学的」「段取り極少」ならプロセス生産。

用語(19)

個別生産 こべつせいさん
注文ごとに1つずつ作る生産方式で、生産量が少なく品種が多く、段取りの回数も多い。
⚠ ロット生産と取り違えやすい。生産量が「少」で受注生産なら個別生産、「中」でまとめて作るならロット生産。
ロット生産 ろっとせいさん
同じ製品を一定数(ロット)まとめて作り、終わったら別の製品に切り替える、生産量・品種とも中くらいの方式。
⚠ 個別生産・連続生産との中間。表で「中・中・中」ならロット生産。
連続生産 れんぞくせいさん
同じ製品を見込生産で大量に作り続ける方式で、品種が少なく段取りも少ない。
⚠ プロセス生産も大量・少品種。組立てなら連続生産、化学的処理ならプロセス生産。
プロセス生産 ぷろせすせいさん
石油・化学・食品などで、原料を化学的な処理で連続的に製品に変える方式で、段取りはきわめて少ない。
⚠ 連続生産と混同しやすい。「化学的」「段取り極少」ならプロセス生産。
段取り だんどり
作る製品を切り替えるときの機械の調整や治具の交換などの準備作業。
受注生産と見込生産 じゅちゅうせいさん・みこみせいさん
受注生産は注文を受けてから作り、見込生産は需要を予測して先に作って在庫を持つ。
⚠ BTOは受注生産の一種で、部品だけ先に在庫しておく点が特徴。
セル生産方式 せるせいさんほうしき
1人または数人が部品の組立てから完成検査までの全工程を受け持つ方式で、多品種で柔軟な生産に向く。
⚠ ライン生産方式は工程ごとの分業で大量生産向き。かんばん方式は後工程が前工程に必要量を伝える在庫削減の仕組みで別物。
ライン生産方式 らいんせいさんほうしき
作業を工程ごとに分け、流れ作業で同じ製品を大量に作る方式。
⚠ セル生産方式と対になる。「分業」「大量」「仕様が長期間変わらない」はライン生産。
かんばん方式 かんばんほうしき
後工程が使った部品の種類・数量を札(かんばん)で前工程に伝え、必要な分だけ作らせるジャストインタイムの仕組み。
⚠ セル生産方式の説明と並べて出る。「後工程から前工程に伝える」「かんばん」ならこちら。
BTO Build To Order
部品の形で在庫を持ち、注文を受けてから最終製品を組み立てる受注生産の方式。
⚠ SPA(製造小売)、アウトレット(売れ残り品の安売り)、カテゴリキラー(特定分野で品ぞろえと低価格)と並ぶ。「部品在庫」「注文後に組立て」ならBTO。
CAD Computer Aided Design
コンピュータで製品の形状や構造のデータから設計図面を作ること。
⚠ CAMは図面から機械加工を自動化、CAEは試作せずに性能を評価。「設計図面を作成」ならCAD。
CAM Computer Aided Manufacturing
設計図面のデータを工程の情報に変え、工作機械による加工を自動化すること。
⚠ CADと混同しやすい。図面を「作る」のがCAD、図面を「加工に使う」のがCAM。
CAE Computer Aided Engineering
試作品や実験を使わず、コンピュータ上のシミュレーションで製品の性能・機能を評価すること。
⚠ CADと混同しやすい。「試作や実験を行わずに評価」ならCAE。
MRP Material Requirements Planning(資材所要量計画)
生産計画・部品構成表・在庫量から、どの資材がいつどれだけ必要かを計算する手法。
⚠ CADやPLMの誤りの選択肢として出る。「資材の必要量と時期」「発注時期」ならMRP。
PLM Product Lifecycle Management
製品の開発・製造・販売・保守・リサイクルまでの情報を一元管理し、商品力向上やコスト低減を図ること。
⚠ SCMは部品供給から販売までの企業間の流れの管理。「ライフサイクル」「開発からリサイクルまで」ならPLM。
FMS Flexible Manufacturing System
NC工作機械・自動搬送装置・自動倉庫をコンピュータで集中管理し、多品種少量生産を自動化する仕組み。
⚠ PLMの誤りの選択肢として出る。「工作機械」「自動搬送」ならFMS。
SCM Supply Chain Management
部品の調達から製品の販売までの流れで企業間の情報を共有し、在庫削減とリードタイム短縮を図る管理手法。
⚠ PLMと混同しやすい。製品の一生を管理するのがPLM、供給から販売のつながりを管理するのがSCM。
ファウンドリ foundry
複数の企業から半導体の生産だけを専門に請け負う企業。
⚠ ファブレスは自社工場を持たず設計・販売に集中する企業。工場を持って受託生産するのがファウンドリ。
ファブレス fabless
自社で工場を持たず、設計やマーケティングに集中して生産は外部に委託する企業。
⚠ ファウンドリの問題で誤りの選択肢として出る。

このレッスンの過去問

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