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企業活動・3/9・10分

アイデア出しの手法とデータ活用

ゴール

ブレーンストーミング、デルファイ法、クラスタ分析、ビッグデータ、B to C などの名前と説明を正しく結び付けて、「〜の説明はどれか」「〜の事例はどれか」という問題を選べるようになる。

この分野は計算がなく、手法の名前と説明を覚えていれば解ける問題がほとんどです。中でもデルファイ法は公開過去問で計14回出ていて(本試験2回・免除12回)、キーワードを3つ覚えれば確実に取れます。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

この単元の正体:名前と説明の対応問題

結論から言うと、この単元は手法の名前と説明の組合せを問う問題です。ひっかけの選択肢には、同じ単元に出てくる別の手法の説明が並びます。そのため、手法ごとに一言で言える特徴を覚えておくのがいちばん効きます。

手法 一言で 誰が・何を使う
ブレーンストーミング 批判せずにアイディアを大量に出す 複数人が一つの場に集まる
デルファイ法 専門家への匿名アンケートを繰り返して意見をまとめる 専門家(集まらない)
クラスタ分析 似ているデータ同士をグループに分ける 観測データ
テキストマイニング 文章中の単語の出現頻度などを分析する 自由記述・書込み
ビッグデータ活用 量が多く種類も多様で、刻々と増えるデータを分析する ログ・SNS・画像など

会議の手法:ブレーンストーミングとファシリテータ

ブレーンストーミングは、複数人で思いつくままに自由にアイディアを出し合い、発想を広げる会議の方法です。守るルールは「批判しない・自由奔放・質より量・他人の案に便乗してよい」の4つです。

ファシリテータは会議の進行役です。中立公平な立場でメンバーに発言を促し、議論の流れを整理します。結論を誘導する人ではありません。

選択肢の説明 正体
自由奔放に多くのアイディアを出し合う会議 ブレーンストーミング
本題の前に緊張をほぐすゲームや雑談 アイスブレイク
情報を決められた枠組みで整理し、筋道立てて考える ロジカルシンキング
相手の発言を繰り返したり言い換えたりして理解を確かめる 傾聴・確認の技法(コーチング系)
会議での役割 すること
ファシリテータ 中立の立場で発言を促し、議論を整理する
議長 会議を主宰し、結論をまとめる(経営層の意向に沿わせるのはファシリテータではない)
専門家 自分の専門分野についてだけ助言する
事務局 日程調整・資料準備・議事録などの事務作業
みんなで集まって、どんどん出す1つの場に集まるファシリテータABFCD中立に促す案1案2案3案4案5案6批判しない・自由奔放・質より量・便乗OK批判されないから案の数が増える
ブレーンストーミングは1つの場に集まり、ファシリテータが中立に発言を促して、批判なしで案を大量に出す。

デルファイ法(最頻出):キーワードは「専門家・匿名・繰り返し」

デルファイ法は、複数の専門家に匿名でアンケートし、集計した結果を回答者に返して(フィードバック)もう一度聞く、という手順を繰り返して意見を収束させる手法です。答えが一つに決まらない未来予測や、プロジェクトのリスク識別に使われます。匿名にするのは、声の大きい人や上司の意見に引っ張られないようにするためです。

たとえるなら、料理コンテストの審査員が名前を伏せて採点し、全員の平均点を見てから採点し直す、というのを何回か繰り返すイメージです。

flowchart TD
  A["専門家を複数選ぶ"] --> B["匿名でアンケート"]
  B --> C["回答を集計・要約"]
  C --> D["結果を全員にフィードバック"]
  D --> E{"意見は収束した?"}
  E -- "まだ" --> B
  E -- "した" --> F["統計処理して分布とともに示す"]
選択肢の説明 正体
専門家の匿名回答を要約・再配布し、繰り返して収束させる デルファイ法
集まって批判せず自由にアイディアを出す ブレーンストーミング
専門家に1回インタビューして回答をまとめる インタビュー(繰り返しがない)
過去の知識をリストにして照らし合わせる チェックリスト法
確率分布を使ってシミュレーションする モンテカルロ法
将来どうなるかの筋書き(シナリオ)を複数書く シナリオライティング法
バラバラの情報を似たもの同士でまとめる 親和図法
ある時点の複数対象を横に並べて比べる クロスセクション法
強み・弱み・機会・脅威で分析する SWOT分析
回を重ねるほど意見が収束する1回目集計→全員にフィードバック→再回答2回目集計→全員にフィードバック→再回答3回目匿名なので声の大きい人に引っ張られない
デルファイ法では匿名の回答を集計してフィードバックし、繰り返すたびに意見のばらつきが狭まって収束していく。

データ分析の手法:クラスタ分析とテキストマイニング

クラスタ分析は、観測データを似ているもの同士の集団(クラスタ)に分け、それぞれの集団の特徴を分析する手法です。結果は**樹形図(デンドログラム)**で表します。樹形図は、データの枝が段階的に合流していき、最後に1本になる図です。

テキストマイニングは、アンケートの自由記述などの文章から、単語の出現頻度や単語同士のつながりを分析する手法です。

手法 分析する対象・目的
クラスタ分析 データを類似性でグループ分けする
テキストマイニング 文章中の単語の出現頻度などを調べる
マーケットバスケット分析 購買データから「一緒に買われる商品」を見つける
アクセスログ分析 Webサイトの閲覧記録を分析する
指数平滑法 過去の実績を使って需要を予測する(新しいデータほど重く扱う)
モンテカルロ法 乱数を使ったシミュレーション
シックスシグマ 品質のばらつきを減らす改善手法
図 何の図か
樹形図(デンドログラム) クラスタ分析
降順に並んだ棒グラフ パレート図
直線で囲まれた領域 線形計画法
魚の骨の形 特性要因図
似ているもの同士から順に合流する最後に1本になるここで切ると2つABCDEクラスタ1クラスタ2
クラスタ分析の樹形図(デンドログラム)は、似ているデータから順に枝が合流して最後に1本になり、途中で切るとクラスタに分かれる。

ビッグデータ:量・種類・速さがそろったデータ

ビッグデータは、量が膨大(Volume)、種類が多様(Variety)、発生と更新が速い(Velocity)という特徴を持つデータです。SNSの書込み、音声、画像のような非構造化データ(表の形に整っていないデータ)や、アクセス履歴のようなリアルタイム性の高いデータもそのまま分析の対象にします。

選択肢の記述 判定
蓄積したデータに加え、リアルタイム性の高いデータも対象にする ○ 正解
不特定多数のSNS投稿は対象にすべきでない × 多様なデータこそ対象
一部だけサンプリングして全体を推測する × 全体をまるごと扱えるのが強み
音声・画像など非構造化データは対象にすべきでない × 対象に含める

「活用事例はどれか」と聞かれたら、多種多様で大量のデータを分析している選択肢を選びます。顧客DBから連絡先を取り出す、人事情報から社員を絞り込む、財務諸表から利益率を計算する、といったものは従来のデータベースで足りる定型処理なので不正解です。

3つがそろったデータ=ビッグデータ量が膨大Volume全体をまるごと種類が多様VarietySNS・音声・画像発生・更新が速いVelocityアクセス履歴ビッグデータ活用活用事例として○定型処理は×(従来のDBで足りる)顧客DBから連絡先を取り出す人事情報から社員を絞り込む財務諸表から利益率を計算する
量・種類・速さの3つがそろったデータを分析するのがビッグデータ活用で、従来のDBで足りる定型処理は事例にならない。

ソーシャルメディアと電子商取引

ソーシャルメディアの活用とは、利用者が意見を発信・共有できる双方向の場をインターネット上に作り、製品改善などに役立てることです。雑誌や専門誌に記事を載せる、ネット通販で物を買う、といった一方向の行為は活用事例ではありません。

**電子商取引(EC)**は、誰と誰の取引かで分類します。バーチャルモールは、ネット上に多数のお店が出店する商店街で、B to Cにあたります。

用語 取引形態・意味
バーチャルモール ネット上の商店街。B to C(企業→消費者)
Web-EDI 企業間の受発注データをWebでやりとりする。B to B
CALS 設計から調達、保守までの情報を企業間で共有する仕組み。B to B
バーチャルカンパニー 複数の企業がネットワークでつながり、一つの会社のように連携する形態
C to C 消費者同士の取引(ネットオークションなど)

要点(試験直前に読む)

  • デルファイ法は「専門家・匿名・フィードバックを繰り返して収束」の3点がそろう手法で、用途は未来予測とリスク識別。
  • ブレーンストーミングは集まって批判せずにアイディアを大量に出す会議。ファシリテータは中立の立場で発言を促す進行役。
  • クラスタ分析は似たデータのグループ分けで、結果の図は樹形図(デンドログラム)。文章の単語を分析するのはテキストマイニング。
  • ビッグデータは量・種類・速さが特徴。リアルタイムデータも非構造化データもSNS投稿も対象に含める。
  • ソーシャルメディアの活用は、双方向の意見共有の場を作ること。バーチャルモールは B to C で、Web-EDI と CALS は B to B。

ひっかけ

  • デルファイ法の問題では、ブレスト(集まって自由に発言)、インタビュー(1回きり)、チェックリスト、モンテカルロ、SWOT の説明が誤答に並ぶ。「匿名」と「繰り返し」が書かれているかで判断する。
  • ファシリテータの問題では「経営層の意向に沿う結論に導く」「事務作業に特化」「専門分野だけ助言」が誤答。正解のキーワードは「中立公平」。
  • ビッグデータの問題では「SNS・非構造化データは対象外」「サンプリングで推測」が誤答。活用事例の問題では、DBからの抽出・計算のような定型処理が誤答として並ぶ。
  • クラスタ分析の図を選ぶ問題では、パレート図(降順の棒グラフ)、特性要因図(魚の骨)、線形計画(斜線の領域)が紛れている。枝が合流していく樹形図を選ぶ。
  • B to C の問題では、名前が似たバーチャルカンパニーや、B to B の CALS・Web-EDI が誤答。「消費者が買い物に来る場所」はバーチャルモールだけ。

用語(19)

ブレーンストーミング ぶれーんすとーみんぐ
複数人で批判をせずに、自由にできるだけ多くのアイディアを出し合う会議の方法。
⚠ アイスブレイク(緊張をほぐす雑談やゲーム)。「アイディアを大量に出す」ならブレスト
アイスブレイク あいすぶれいく
研修や商談の本題に入る前に、ゲームや雑談で参加者の緊張をほぐすこと。
⚠ ブレーンストーミング。目的が「緊張をほぐす」ならアイスブレイク
ファシリテータ facilitator
中立公平な立場で会議の参加者に発言を促し、議論の流れを整理する進行役。
⚠ 議長(結論を導く人)、事務局(事務作業)。「中立」「発言を促す」が見分けるポイント
デルファイ法 でるふぁいほう
複数の専門家に匿名でアンケートし、集計結果をフィードバックして再回答してもらうことを繰り返し、意見を収束させる予測手法。
⚠ ブレスト(集まって話す)、インタビュー(1回きり)。「匿名」と「繰り返し」がそろえばデルファイ法
シナリオライティング法 しなりおらいてぃんぐほう
将来起こりうる展開を、複数の筋書き(シナリオ)として書き出して検討する手法。
⚠ デルファイ法。専門家へのアンケートを繰り返すならデルファイ法
親和図法 しんわずほう
バラバラの言葉や情報を、内容の近いもの同士でまとめて整理する手法。
⚠ クラスタ分析。親和図法は言葉を人の手でまとめ、クラスタ分析は数値データを統計的に分類する
クラスタ分析 くらすたぶんせき
観測データを類似性によって集団(クラスタ)に分け、それぞれの特徴を調べる分析手法。
⚠ マーケットバスケット分析(一緒に買われる商品を見つける)
デンドログラム dendrogram(樹形図)
データの枝が段階的に合流していく木の形の図で、クラスタ分析の結果を表す。
⚠ パレート図(降順の棒グラフ)、特性要因図(魚の骨)
指数平滑法 しすうへいかつほう
過去の実績値に、新しいものほど大きな重みをかけて将来の需要を予測する手法。
⚠ デルファイ法も予測手法だが、こちらは専門家の意見を使う
モンテカルロ法 もんてかるろほう
乱数と確率分布を使って何度もシミュレーションし、結果を見積もる手法。
⚠ デルファイ法の誤答選択肢として「確率分布でシミュレーション」の形で出る
テキストマイニング text mining
自由記述などの文章から、単語の出現頻度や単語同士の関係を分析する手法。
⚠ マーケットバスケット分析(購買データ)、アクセスログ分析(閲覧記録)。対象が「文章」ならテキストマイニング
マーケットバスケット分析 market basket analysis
購買データから、同時に買われやすい商品の組合せを見つける分析。
⚠ テキストマイニング。対象が「購買履歴」ならこちら
ビッグデータ big data
量が膨大で種類が多様、しかも高速に発生し続けるデータで、リアルタイムのデータや非構造化データも含む。
⚠ 顧客DBからの抽出のような定型処理はビッグデータ活用ではない
非構造化データ ひこうぞうかでーた
音声・画像・文章など、表の行と列に整っていないデータ。
⚠ 「非構造化データは対象外」はビッグデータ問題でよく出る誤りの選択肢
ソーシャルメディア social media
利用者が情報を発信し、互いに共有・交流できるインターネット上の媒体。
⚠ 雑誌や専門誌への掲載は一方向なので、ソーシャルメディアの活用にあたらない
B to C Business to Consumer
企業と一般消費者の間の電子商取引。
⚠ B to B(企業間の取引。Web-EDI や CALS)
バーチャルモール virtual mall
インターネット上に多数の店舗が出店する仮想の商店街で、B to C の代表例。
⚠ バーチャルカンパニー(企業同士の連携形態)
Web-EDI Web-Electronic Data Interchange
企業間の受発注などの取引データを、Webブラウザを通じてやりとりする仕組み(B to B)。
⚠ バーチャルモール(B to C)
CALS Commerce At Light Speed
製品の設計・調達・保守などの情報を、企業間で電子的に共有する仕組み(B to B)。
⚠ バーチャルモール(B to C)

このレッスンの過去問

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