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企業活動・4/9・13分

QC七つ道具と品質・信頼性のグラフ

ゴール

QC七つ道具・新QC七つ道具の図を「何のための図か」で見分け、パレート図・ABC分析の累積比率、散布図の相関、OC曲線・バスタブ曲線の形を読めるようになる。説明文や図の形だけを見て、正しい手法名を選べるようになる。

科目Aの企業活動分野では「この説明はどの図か」「このグラフはどれか」が毎年のように出ます。4つの選択肢が同じ説明文の使い回しであることが多いので、一度区別を覚えれば何問も取れる、コスパの良い単元です。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

結論:図は「何を知りたいか」で選ぶ

品質管理の図は、知りたいことが違えば図も違います。試験では、同じ4つの説明文(魚の骨/管理限界線/区間ごとの棒/多い順の棒+累積線)をそのまま並べて、問う手法名だけを入れ替えてきます。

知りたいこと 図の名前 形の目印
どの項目が問題の大部分を占めるか(重点) パレート図 多い順の棒グラフ+累積比率の折れ線
結果にどんな原因が関わっているか 特性要因図 魚の骨。右端が結果(特性)
データがどう散らばっているか(分布) ヒストグラム 区間(階級)ごとの個数の棒グラフ
2つの量に関係があるか(相関) 散布図 点の集まり。右上がり/右下がり
工程が時間を通して安定しているか 管理図 時系列の折れ線+管理限界線
データを漏れなく集めたい チェックシート 項目ごとに印をつける表

この6つに「グラフ」(または「層別」:データを属性ごとに分けて見る考え方)を加えたものがQC七つ道具です。QC は Quality Control(品質管理)の略です。

パレート図:多い順の棒+右上がりの累積線

パレート図は、項目を件数の多い順に棒グラフで並べ、累積比率(左から足していった合計が全体の何%か)を折れ線で重ねた図です。目的は「上位の少数の項目に手を打てば、問題の大半が片づく」と絞り込むことです。

たとえるなら、家計簿の支出を多い順に並べて、「家賃・食費・通信費で支出の8割」と分かれば、節約はその3つから手をつければよい、という見方です。

形の見分け方(グラフを選ぶ問題で必須):

  • 棒は左から右へ低くなる(降順)。昇順や山型はパレート図ではない
  • 累積の折れ線は右上がりで、最初は急に上がり、だんだん緩やかになる(上に凸)。最後は100%に届く
  • 累積線が右下がりの図は誤り。累積は足し算なので、減ることはない
パレート図の形100%0%ABCDE累積比率:右上がり・上に凸最後は100%に届く棒:左から右へ低くなる項目は件数の多い順に並べる
棒は左から右へ低くなり、累積比率の折れ線は最初に急に上がってだんだん緩やかになり、最後に100%に届く(上に凸)。

ABC分析:累積比率で A・B・C に分ける

ABC分析は、パレート図の考え方を使って、商品や不良品をA群(重点)・B群・C群にグループ分けする手法です。販売金額や粗利が大きい順に並べ、累積比率で区切ります。

境目の比率は問題文で指定されます(例:累積70%以上に達するまでをA群、など)。指定された比率を「初めて超えた(達した)項目まで」をA群に入れる、と読みます。

使いどころは「売れ筋商品の把握」「在庫を重点的に管理する商品の決定」です。似た名前の別手法と混同させられます。

手法 何をするか
ABC分析 金額などの大きい順に並べ、累積比率で階層に分ける
バスケット分析 一緒に買われる商品の組合せを調べる
メッシュ分析 地域を格子状の区画に分けて分析する
パネル調査 同じ回答者に繰り返し調査する
クロス集計 複数の要因で区分して集計する

特性要因図:右端が結果、枝が原因

特性要因図は、結果(特性:品質など、問題として見たいもの)に影響する原因(要因)を、魚の骨の形に整理した図です。別名「フィッシュボーン図」です。

読み方は1つだけ覚えれば足ります。背骨の矢印の先(右端の箱)が結果で、背骨に斜めに合流する枝が原因です。図で「b の矢印が a へ向かう背骨に合流」していれば、b は a の原因です。手段・目的・属性ではありません。

散布図:傾きで正負、ばらつきで強さ

散布図は、2つの量(x と y)の組を点で打った図で、相関(一方が変わると他方も変わる関係)を見ます。相関の強さと向きを −1〜+1 の数で表したものが相関係数です。

点の並び方 相関係数
右上がり(x が増えると y も増える) 正(+)
右下がり(x が増えると y が減る) 負(−)
傾向なし・山形(逆V字) 0 に近い(直線的な相関なし)
直線に密着 絶対値が 1 に近い(例:±0.9)
直線からばらつく 絶対値が小さい(例:±0.7)

「−0.9 はどれか」なら、右下がりで点が直線に密着しているグラフです。山形の分布は x と y に関係はありますが直線的ではないので、相関係数は 0 付近になり「負の相関」ではありません。

散布図の形と相関係数右下がり・密着 −0.9右下がり・ばらつき −0.7右上がり・密着 +0.9山形:0に近い
右上がりは正、右下がりは負。直線に密着するほど絶対値は1に近く、山形は直線的な相関がないので0に近い。

ヒストグラム:区間ごとの個数で分布を見る

ヒストグラムは、データを区間(階級)に分け、各区間に入る個数を棒グラフにした図です。目的は「ばらつき・分布の形」を見ることです。パレート図と違い、棒は多い順ではなく横軸の値の順に並びます。

形の読み方は免除試験で出ています。

  • 棒の高さが交互にギザギザ(歯抜け型)→ 区間の取り方が不適切
  • 管理上限の直前に度数が集中し、そこで急に切れる(絶壁型)→ データの操作や、規格外の除外が疑われる

管理図と新QC七つ道具

管理図は、品質データを時系列の折れ線で描き、管理限界線(上限・下限)の内側に収まっているかで、工程が安定しているかを判断する図です。「時系列」「管理限界」という言葉が出たら管理図です。

QC七つ道具が主に数値データを扱うのに対し、新QC七つ道具は言葉(言語データ)を整理する手法です。試験では次の4つの説明文が並べて出されます。

手法 説明のキーワード
親和図法 情報を関連の近さでグループ化し、問題点を明確にする
連関図法 複雑に絡み合う事象の因果関係を矢印で明らかにする
系統図法 目的を達成する手段・方策を順に展開する(ツリー状)
PDPC法 事態の進展を想定し、望ましい結果に至るプロセスを定める

ほかにマトリックス図法・マトリックスデータ解析法・アローダイアグラム法(作業の日程計画)があります。特性要因図(原因の整理)と連関図法(因果関係)は似ていますが、特性要因図はQC七つ道具側、連関図法は新QC七つ道具側です。

OC曲線:抜取検査で「どれだけ合格するか」

OC曲線(検査特性曲線)は、抜取検査(ロット=製品の一まとまりから一部だけ抜き出して検査する方法)で、横軸にロットの不良率、縦軸にロットの合格率をとった曲線です。不良率が上がるほど合格しにくくなるので、右下がりになります。

合格判定個数 c(サンプル中の不良がこの数以下なら合格)を大きくすると、不良を多く許すので、同じ不良率でも合格率が上がります。つまり c が大きいほど曲線は右上に張り出します(c=2 が一番外側、c=0 が一番内側)。

合格率100%0c=2(外側)c=1c=0(内側)cが大きいほど右上に張り出すロットの不良率 →
OC曲線は不良率が上がるほど合格率が下がる右下がりの曲線で、合格判定個数cが大きいほど右上に張り出す。

バスタブ曲線と、ほかの「曲線」との区別

バスタブ曲線は、横軸に時間、縦軸に故障率をとった曲線で、お風呂の浴槽の断面のような形になります。

  1. 初期故障期:製造不良などで故障率が高く、時間とともに下がる
  2. 偶発故障期:故障率が低くほぼ一定(安定期)
  3. 摩耗故障期:部品の劣化で故障率が上がる

偶発故障期に定期点検で部品を交換すると、摩耗故障期の始まりを遅らせられます。

名前の似た曲線の区別:

曲線 横軸 → 縦軸 形・用途
OC曲線 ロットの不良率 → 合格率 右下がり。抜取検査
バスタブ曲線 時間 → 故障率 下がる→平ら→上がる。ハードウェアの寿命
ゴンペルツ曲線/ロジスティック曲線 テスト時間 → バグの累積数 S字で一定値に近づく。信頼度成長曲線(テストの進み具合)
学習曲線(経験曲線) 累積生産量 → 1単位当たりコスト 右下がり。作るほど安くなる経験則
故障率時間下がるほぼ一定上がる交換で後ろへ初期故障期偶発故障期摩耗故障期偶発故障期に定期点検で部品を交換
バスタブ曲線は故障率が初期故障期に下がり、偶発故障期にほぼ一定、摩耗故障期に上がる。偶発故障期に部品を交換すると、摩耗故障期の始まりを後ろへずらせる。
例題 1

ABC分析:A群(累積70%以上)の製品は何種類か

不良品の個数を製品別に集計すると表のようになった。ABC 分析を行って,まず A 群の製品に対策を講じることにした。A 群の製品は何種類か。ここで,A 群は 70% 以上とする。
製品PQRSTUVWX合計
個数182136120989183706035875

ア 3
イ 4
ウ 5
エ 6

出典:平成26年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問76

解き方と答えを見る
  1. 個数の多い順に並んでいるか確認する。P182, Q136, R120, S98, T91, U83, V70, W60, X35 で降順。合計は 875。
  2. 左から累積個数を足していく:P=182、P〜Q=182+136=318、P〜R=318+120=438、P〜S=438+98=536、P〜T=536+91=627。
  3. 累積比率を計算する:182÷875≒20.8%、318÷875≒36.3%、438÷875≒50.1%、536÷875≒61.3%、627÷875≒71.7%。
  4. A群は累積70%以上に達するまで。4種類(P〜S)では 61.3% で70%に届かない。5種類(P〜T)で 71.7% となり、初めて70%以上に達する。
  5. よって A群は P・Q・R・S・T の5種類。

答え:ウ(5種類)。4種類(61.3%)で止めると70%に届いていないので誤り。

例題 2

OC曲線:c を 0, 1, 2 と変えたときの曲線の並び

品質管理における検査特性曲線(OC 曲線)は,通常,横軸にロットの不良率を,縦軸にはロットの合格率を目盛ったものである。大きさ N のロットから,大きさ n のサンプルを抜き取り,このサンプル中に見いだされた不良個数が合格判定個数 c 以下のときはロットを合格とし,c を超えたときはロットを不合格とする。 N と n を一定にして c を 0,1,2 と変えたときの,OC 曲線の変化の傾向を表す図はどれか。
横軸は不良率(原点 0),縦軸は合格率。4 種のグラフ(ア~エ)。各曲線に c=0,c=1,c=2 のラベル。詳細は choices に記述。

ア [図] 右下がりの 3 曲線。外側(右)から c=0,c=1,c=2 の順。c=0 が最も右に張り出し,c=2 が最も左(急降下)。
イ [図] 右下がりの 3 曲線。外側(右)から c=2,c=1,c=0 の順。c=2 が最も右に張り出し,c=0 が最も左(急降下)。
ウ [図] 左上付近で交差する 3 曲線。交差後は c=2 が最も右上(ほぼ直線的に緩やかに下降),c=1,c=0(最も急に下降)の順。
エ [図] 左上付近で交差する 3 曲線。交差後は c=0 が最も右上(ほぼ直線的に緩やかに下降),c=1,c=2(最も急に下降)の順。

出典:平成28年度 秋期 基本情報技術者試験 午前 問77

解き方と答えを見る
  1. OC曲線は横軸が不良率、縦軸が合格率。不良率が上がるほど合格率は下がるので、どの c でも右下がり。
  2. 同じ不良率で比べる。c=0 は不良が1個でも出たら不合格、c=2 は2個まで合格。
  3. 許容が大きい c=2 のほうが合格しやすいので、同じ不良率での合格率は c=2 > c=1 > c=0。
  4. したがって曲線は、外側(右上)から c=2、c=1、c=0 の順に並ぶ。曲線同士が交差する図(ウ・エ)は誤り。

答え:イ(外側から c=2, c=1, c=0)。

要点(試験直前に読む)

  • 多い順の棒+右上がり(上に凸)の累積線=パレート図。区間の順の棒=ヒストグラム。
  • ABC分析は大きい順に累積比率を出し、指定比率に初めて達した項目までをA群にする。2014年の例題は5種類(71.7%)。
  • 特性要因図は右端が結果、合流する枝が原因(b は a の原因)。
  • 散布図は右上がり=正、右下がり=負。直線に密着するほど相関係数の絶対値は1に近い。
  • 親和図法=グループ化、連関図法=因果関係、系統図法=手段の展開、PDPC法=事態の進展とプロセス。管理図=時系列+管理限界線。
  • OC曲線は不良率→合格率で右下がり、c が大きいほど右上に張り出す。バスタブ曲線は故障率が下がる→一定→上がる。

ひっかけ

  • 4つの説明文(魚の骨/管理限界線/区間ごとの棒/多い順の棒+累積線)が毎回同じで、問う手法名だけが変わる。説明文のキーワードと手法名を1対1で覚えれば迷わない。
  • ABC分析の計算で、指定比率に届く手前(例:4種類 61.3%)で止めさせる。累積比率が70%以上に「達した」項目まで数える。
  • 散布図で、山形(逆V字)の分布を負の相関に見せる。直線的に右下がりでなければ負の相関ではない。また ±0.9 と ±0.7 は点のばらつきで見分ける。
  • OC曲線で c の大小と曲線の位置を逆にした図を並べる。c が大きい=甘い検査=合格しやすい=外側、と考える。
  • バスタブ曲線の各期の増減を入れ替えた説明(初期故障期に故障が増える、など)を選ばせる。初期は減る、偶発は一定、摩耗は増える。

用語(16)

パレート図 ぱれーとず
項目を件数の多い順に棒グラフで並べ、累積比率の折れ線を重ねて、重点的に対策すべき項目を絞り込む図。
⚠ ヒストグラムも棒グラフだが、こちらは区間(横軸の値)の順に並べ分布を見る。多い順+累積線ならパレート図。
ABC分析 えーびーしーぶんせき
売上や個数の大きい順に並べ、累積比率でA・B・Cの階層に分けて重点管理の対象を決める手法。
⚠ バスケット分析(一緒に買われる組合せ)、メッシュ分析(地域を格子に分ける)と混同しやすい。「累積比率で階層分け」ならABC分析。
累積比率 るいせきひりつ
大きい順に足していった合計が、全体の何%にあたるかを表す値。
特性要因図 とくせいよういんず
結果(特性)と、それに影響する原因(要因)の関係を魚の骨の形に整理した図。
⚠ 連関図法も因果関係を扱うが、こちらは新QC七つ道具。「魚の骨」と書いてあれば特性要因図。
散布図 さんぷず
2つの量の組を点で打ち、その間の相関を見る図。
⚠ 管理図は1つの量を時系列で見る図。x と y の2変数なら散布図。
相関係数 そうかんけいすう
2つの量の直線的な関係の強さと向きを −1〜+1 で表す数。右上がりは正、右下がりは負、直線に密着するほど絶対値が1に近い。
⚠ 傾きの向き(正負)と、ばらつき(絶対値の大小)は別の情報。両方を見る。
ヒストグラム ひすとぐらむ
データを区間(階級)に分け、各区間の個数を棒グラフにして分布の形を見る図。
⚠ パレート図と混同しやすい。棒が多い順で累積線があればパレート図。
管理図 かんりず
品質データを時系列の折れ線で描き、管理限界線の内側に収まるかで工程の安定を判断する図。
⚠ 「時系列」「管理限界線」が目印。散布図(相関)やパレート図(重点)とは目的が違う。
QC七つ道具 きゅーしーななつどうぐ(QC=Quality Control)
パレート図・特性要因図・ヒストグラム・散布図・管理図・チェックシート・グラフ(または層別)からなる、主に数値データを扱う品質管理の手法群。
⚠ 新QC七つ道具は主に言葉のデータを整理する手法群。
親和図法 しんわずほう
集めた情報を、内容の近さでグループにまとめ、解決すべき問題点をはっきりさせる手法。
⚠ 連関図法(因果関係)、系統図法(手段の展開)。「グループ化」なら親和図法。
連関図法 れんかんずほう
複雑に絡み合う事象どうしの因果関係を矢印でつないで明らかにする手法。
⚠ 親和図法はグループ化、特性要因図は魚の骨。「因果関係を明らかに」なら連関図法。
系統図法 けいとうずほう
目的を達成するための手段・方策を、ツリー状に順に展開して最適な方策を探す手法。
⚠ PDPC法は事態の進展に応じた計画。「手段・方策を順次展開」なら系統図法。
PDPC法 ぴーでぃーぴーしーほう(Process Decision Program Chart)
事態の進展に伴って起こりうることを想定し、望ましい結果に至るまでのプロセスを決めておく手法。
⚠ 系統図法と混同しやすい。「事態の進展」「プロセスを定める」ならPDPC法。
OC曲線 おーしーきょくせん(Operating Characteristic curve:検査特性曲線)
抜取検査で、横軸にロットの不良率、縦軸にロットの合格率をとり、品質と合格率の関係を表す右下がりの曲線。
⚠ バスタブ曲線は時間と故障率の関係。「不良率と合格率」ならOC曲線。
バスタブ曲線 ばすたぶきょくせん
横軸に時間、縦軸に故障率をとり、初期故障期(減少)→偶発故障期(一定)→摩耗故障期(増加)と変化する浴槽形の曲線。
⚠ ゴンペルツ曲線などの信頼度成長曲線はバグの累積数のS字。「故障率」ならバスタブ曲線。
ゴンペルツ曲線 ごんぺるつきょくせん
テスト時間に対するバグの累積発見数が、S字を描いて一定値に近づく様子を表す信頼度成長曲線の一つ。
⚠ ロジスティック曲線も同じくS字の成長曲線。どちらも抜取検査や故障率の曲線ではない。

このレッスンの過去問

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