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経営戦略マネジメント・7/7・12分

戦略を実行して測る:KGI・KPI・BSC と知識の共有

ゴール

KGI・CSF・KPI の上下関係を見分けて、図の空欄に入る活動を選べるようになる。あわせて、バランススコアカードの戦略マップ、レーダチャートの用途、ナレッジマネジメントの定義を、似た用語と取り違えずに選べるようになる。

戦略は「立てて終わり」ではなく、数字で測って直す必要がある。その道具の名前と役割を、似た名前の手法と入れ替えて出すのが試験の定番。仕事でも、目標を『最終ゴール→効く要因→測る数字』に分ける考え方は、要件定義のゴール設定にそのまま使える。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

結論:このレッスンで覚える4つの道具

戦略を実行して測るための道具を、役割ごとに分けて覚える。

道具 一言でいうと 試験での問われ方
KGI・CSF・KPI 目標を「最終ゴール→成功の鍵→測る数字」の3段に分ける 図の空欄に入る活動を選ぶ
バランススコアカード(BSC)の戦略マップ 4つの視点で目標の因果関係を描く図 説明文を選ぶ
レーダチャート 複数の項目のバランスを見るクモの巣型グラフ 用途とグラフの組合せを選ぶ
ナレッジマネジメント 社内に散らばった知識を共有して組織を強くする 定義を選ぶ

出題回数(公開過去問での観測値。CBT での出題確率ではない)は、ナレッジマネジメントが最も多く、レーダチャートと KGI・KPI がそれに続く。

KGI・CSF・KPI:目標を3段に分ける

大きいゴールから順に KGI → CSF → KPI と覚える。KGI は最終的に達成したい数字、CSF はそれを達成するために決定的に効く要因、KPI は CSF がうまく進んでいるかを測る具体的な数値目標。

たとえるなら、ダイエットで「3か月で5kg減」が KGI、「間食を減らす・歩く量を増やす」が CSF、「間食は週2回以内・1日8,000歩」が KPI。

flowchart TD
  A["KGI:最終目標<br>例 物流コスト10%削減"] --> B["CSF:成功の鍵になる要因<br>例 在庫の削減・誤出荷の削減"]
  B --> C["KPI:途中経過を測る数値<br>例 在庫日数7日以内・誤出荷率3%以内"]
  C --> D["改善活動の実施"]
  D --> E["成果の計測とギャップ分析"]
  E --> A
用語 正式名称 中身 見分け方
KGI Key Goal Indicator(重要目標達成指標) 最終ゴールの数字 一番上。「〇〇を10%削減」のように結果そのもの
CSF Critical Success Factor(重要成功要因) ゴール達成に効く要因 「何をするか」の言葉。数字が無いことが多い
KPI Key Performance Indicator(重要業績評価指標) CSF の進み具合を測る数字 「〇日以内」「〇%以内」など途中経過の数値
MBO Management by Objectives(目標管理制度) 社員が上司と目標を決め、自分で管理する人事の仕組み 個人の評価制度の話。目標の階層とは別物
KGI:最終目標物流コスト10%削減CSF:在庫の削減何をするか(数字なし)CSF:誤出荷の削減何をするか(数字なし)KPI在庫日数7日以内KPI誤出荷率3%以内上ほど結果そのもの、下ほど途中経過の数字
1つのKGIが複数のCSFに分かれ、それぞれのCSFの進み具合をKPIの数字で測る。

バランススコアカード(BSC)と戦略マップ

バランススコアカード(BSC) は、売上や利益といったお金の数字だけで会社を評価せず、財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長の4つの視点からバランスよく目標を立てて評価する手法。戦略マップは、この4視点の課題・施策・目標がどうつながるか(因果関係)を矢印で描いた図。

因果関係は下から上へ積み上がる。「社員が学ぶ(学習と成長)→ 業務が良くなる(内部プロセス)→ 顧客が満足する(顧客)→ 利益が出る(財務)」という流れ。

試験では、ほかの「図で表す経営手法」の説明と並べて出る。

図・手法 何を表すか
戦略マップ(BSC) 4つの視点で課題・施策・目標の因果関係
ポジショニングマップ 2つの軸で、市場での自社や自社製品の位置
PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント) 市場の成長率と自社のシェアなど2軸の4マスに事業を分類
事業ドメイン 誰に・何を・どの経営資源で提供するかという事業の範囲
財務の視点利益が出る顧客の視点顧客が満足する内部ビジネスプロセスの視点業務が良くなる学習と成長の視点社員が学ぶ矢印=因果関係(下から上へ積み上がる)
戦略マップでは、学習と成長から財務まで、4つの視点が下から上へ因果関係でつながる。

レーダチャート:複数の項目のバランスを見る

レーダチャートは、中心から放射状に伸びた軸に各項目の値をとり、点を結んだ多角形で複数の特性のバランスを見るグラフ。ゲームのキャラクターの能力値(攻撃・防御・素早さ…)の図がまさにこれ。

「複数の評価項目」「機種ごとの特徴」「バランス」という言葉が出たら、レーダチャートを選ぶ。

グラフ 用途 見分ける言葉
レーダチャート 複数の項目のバランスを比較 放射状・複数の評価項目
Zグラフ 毎月の実績・累計・移動合計で売上の動向を分析 月次・累計・移動合計
散布図 2つの数値の相関関係を見る 2つの特性・ばらつき
損益分岐点図 固定費と変動費から採算点を分析 固定費・変動費・採算
ガントチャート 作業の日程計画と進捗 日程・スケジュール
円グラフ・帯グラフ 構成比(市場占有率など) シェア・割合
棒グラフ 量の大小(支店ごとの売上など) 大きさの比較
攻撃防御素早さ体力魔力A:バランス型B:攻撃と素早さ寄り
レーダチャートは点を結んだ多角形の形で、複数の項目のバランスの違いが一目で分かる(数値は例)。

ナレッジマネジメント:社内の知識を共有して強くする

ナレッジマネジメントは、社員一人ひとりの頭の中や部署ごとに散らばっている知識・ノウハウを共有し、組織全体の問題解決力を高める経営手法。ベテランしか知らない「この顧客にはこう対応する」というコツを、社内の誰でも使える形にするイメージ。

キーワードは「散在する知識を共有化」。この言葉が入った選択肢を選べばよい。

用語 中身 見分ける言葉
ナレッジマネジメント 社内の知識を共有して組織の力にする 知識・共有化・問題解決力
ベンチマーキング 優れた他社と比べて自社を改善する 優れた企業・比較分析
コアコンピタンス 他社がまねできない自社独自の強み 独自のノウハウ・技術・まねできない
フラット型組織 階層を減らして意思決定を速くする組織 階層を少なく・迅速な意思決定
散在する知識(一人ひとりの頭の中・部署ごと)ベテラン社員顧客対応のコツ部署Aノウハウ部署Bノウハウ共有化:社内の知識の置き場新人他の部署社内の誰でも組織全体の問題解決力が高まる
ナレッジマネジメントは、散在する知識を共有の置き場に集め、誰でも使えるようにして組織全体の問題解決力を高める。
例題 1

改善活動の図で、空欄 c に入る活動を選ぶ

物流業務において,10%の物流コストの削減の目標を立てて,図のような業務プロセスの改善活動を実施している。図中の c に相当する活動はどれか。
左列〔改善活動〕のフロー(上から下へ矢印で接続): 「物流コストの削減活動の開始」→ a → b → c → 「改善活動の実施」→「成果の計測と目標値とのギャップ分析」→ 最下部から左へ戻り a の入口へ戻るループ。 右列〔目標の設定例〕: a = ・10%の物流コストの削減 / b = ・在庫の削減 ・誤出荷の削減 / c = ・在庫日数 7 日以内 ・誤出荷率 3 %以内(c の枠は太線)

ア CSF (Critical Success Factor) の抽出
イ KGI (Key Goal Indicator) の設定
ウ KPI (Key Performance Indicator) の設定
エ MBO (Management by Objectives) の導入

出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20231210 実施分 問46

解き方と答えを見る
  1. 図の右側にある「目標の設定例」を、a・b・c の順に読む。
  2. a は「10%の物流コストの削減」。最終的に達成したい結果なので KGI(最終目標)にあたる。
  3. b は「在庫の削減・誤出荷の削減」。a を達成するために効く要因で、数字が無い。だから CSF(重要成功要因)にあたる。
  4. c は「在庫日数7日以内・誤出荷率3%以内」。b がうまく進んでいるかを測る具体的な数値なので KPI(重要業績評価指標)にあたる。
  5. 選択肢を確認する。アの CSF は b、イの KGI は a。エの MBO は個人の目標管理制度なので、この階層には入らない。
  6. c に入るのは KPI の設定なので、ウを選ぶ。

答え:ウ(KPI の設定)。KGI(a)→ CSF(b)→ KPI(c)の順で、具体的な数値目標は KPI。

要点(試験直前に読む)

  • 目標は KGI(最終ゴール)→ CSF(成功の鍵になる要因)→ KPI(測る数字)の順。「〇日以内」「〇%以内」は KPI。
  • MBO は個人の目標管理制度。KGI・CSF・KPI の階層には入らない。
  • 戦略マップ=BSC の4視点(財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長)で、課題・施策・目標の因果関係を描く図。
  • レーダチャート=放射状の軸で複数の項目のバランスを見るグラフ。Zグラフは売上動向、散布図は相関。
  • ナレッジマネジメント=社内に散在する知識を共有化し、組織の問題解決力を高める。

ひっかけ

  • 数値目標(在庫日数7日以内など)を KGI や CSF と取り違えさせる。最終結果なら KGI、要因なら CSF、途中経過の数字なら KPI と順番で判断する。
  • 戦略マップの説明に、ポジショニングマップ(2軸で位置)・PPM(4マスで分類)・事業ドメイン(誰に何を)の説明を混ぜる。「4つの視点」と「因果関係」があれば戦略マップ。
  • グラフの用途と種類を入れ替えた組合せを並べる。各グラフの用途を1語(バランス・動向・相関・日程・大小・構成比)で覚えて照合する。
  • ナレッジマネジメントの選択肢に、ベンチマーキング(他社と比較)・コアコンピタンス(独自の強み)・フラット型組織(階層を減らす)を混ぜる。「知識の共有化」のキーワードで選ぶ。

用語(15)

KGI Key Goal Indicator(重要目標達成指標)
組織が最終的に達成したいゴールを表す数値目標。
⚠ KPI と混同しやすい。KGI は最終結果、KPI はその途中経過を測る数字。
CSF Critical Success Factor(重要成功要因)
最終目標を達成するために決定的に効く要因。
⚠ KPI と混同しやすい。CSF は「何をするか」、KPI はそれを測る具体的な数値。
KPI Key Performance Indicator(重要業績評価指標)
成功要因が計画どおり進んでいるかを測る、具体的な数値目標。
⚠ KGI と混同しやすい。「〇日以内」「〇%以内」のような途中経過の数字は KPI。
MBO Management by Objectives(目標管理制度)
社員が上司と相談して自分の目標を決め、自分で達成度を管理する人事の仕組み。
⚠ KGI・CSF・KPI の階層と並べてひっかけに使われる。MBO は個人の評価制度の話。
バランススコアカード(BSC) Balanced Scorecard
財務・顧客・内部ビジネスプロセス・学習と成長の4つの視点から、バランスよく目標を立てて業績を評価する手法。
⚠ 財務の数字だけで評価する従来の方法との違いが「4視点のバランス」。
戦略マップ せんりゃくマップ
BSC の4つの視点で、課題・施策・目標の因果関係を矢印でつないで描いた図。
⚠ ポジショニングマップ(2軸で位置)、PPM(2軸の4マスで分類)と混同しやすい。因果関係なら戦略マップ。
ポジショニングマップ ポジショニングマップ
2つの切り口を縦軸と横軸にとり、市場での自社や自社製品の位置を表す図。
⚠ PPM も2軸だが、PPM は事業を4つのマスに分類して資源配分を考えるもの。
PPM Product Portfolio Management(プロダクトポートフォリオマネジメント)
市場の成長率と自社の占有率など2つの軸の4マスに事業や製品を分類し、経営資源の配分を考える手法。
⚠ ポートフォリオ図は日程管理の図ではない。日程と進捗ならガントチャート。
事業ドメイン じぎょうドメイン
どの顧客に、どの経営資源を使い、どんな製品・サービスを提供するかという事業の範囲。
⚠ 戦略マップの説明と並べて出る。「誰に・何を・どう」なら事業ドメイン。
レーダチャート レーダチャート
放射状の軸に複数の項目の値をとり、多角形の形で項目間のバランスを見るグラフ。
⚠ Zグラフ(売上の動向)、散布図(2つの相関)と混同しやすい。「複数の項目のバランス」ならレーダチャート。
Zグラフ ゼットグラフ
毎月の実績・累計・移動合計の3本の線で、売上の動向を分析するグラフ。
⚠ 市場占有率の表現には使わない。占有率は円グラフや帯グラフ。
散布図 さんぷず
2つの数値を縦軸と横軸にとって点を打ち、2つの特性の相関関係を見る図。
⚠ 支店ごとの売上の大きさの比較には使わない。大小の比較は棒グラフ。
ナレッジマネジメント Knowledge Management
社内に散らばった知識やノウハウを共有し、組織全体の問題解決力を高める経営手法。
⚠ ベンチマーキング(他社と比較)、コアコンピタンス(独自の強み)と混同しやすい。「知識の共有化」ならナレッジマネジメント。
ベンチマーキング Benchmarking
優れた業績を上げている他社のやり方と比較分析して、自社の改善に生かす手法。
⚠ ナレッジマネジメントは社内の知識の共有、ベンチマーキングは社外との比較。
コアコンピタンス Core Competence
他社がまねできない、自社独自のノウハウや技術などの中核的な強み。
⚠ ナレッジマネジメントと並べて出る。「まねのできない強みを核に」ならコアコンピタンス。

このレッスンの過去問

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