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ビジネスインダストリ・3/8・9分

電子商取引の形態と企業間のデータ交換

ゴール

EC・EDI・XBRL・eマーケットプレイス・逆オークションなど、電子商取引と企業間データ交換の用語を、説明文の選択肢から正しく選べるようになる。とくにEDIの4つの規約のうち、どれが何を決めるかを区別できるようになる。

ネット上の取引や企業間のデータ交換は、どの業界のシステムにも出てくる土台の話です。試験では「説明文を読んで用語を選ぶ」形でよく出て、ひっかけの選択肢には別の用語の正しい説明が並びます。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

結論:ECは「ネットで商売すること」全体、EDIは「企業同士の伝票データ交換」

**EC(電子商取引)**は、消費者向けでも企業間でも、商取引をインターネットなどのネットワーク上で行うこと全般を指します。EDIはその中でも、企業間で受発注や請求などのデータを、決まった規約に沿ってコンピュータ同士でやり取りする仕組みです。

このレッスンで覚える用語は、次の3つのグループに分かれます。

  • 企業間データ交換:EDI・EDIの4つの規約・XBRL
  • ネット上の取引の形:eマーケットプレイス・逆オークション・B to B などの区分
  • お店の形:クリックアンドモルタル・フランチャイズチェーン
EC(電子商取引)ネットワーク上で行う商取引の全体B to C企業と消費者C to C消費者同士B to B(企業と企業)EDI受発注・請求のデータをコンピュータ同士で交換
ECはネット上の商取引全体で、EDIはその中の企業間(B to B)のデータ交換の仕組み。

ECの定義:ほかの経営手法と混ぜないこと

ECの問題は、**「商取引を電子的なネットワークで行う」**と書かれた選択肢を選べば正解です。ひっかけには、ITを使う別の経営手法の説明が並びます。

用語 一言で 見分けるキーワード
EC ネット上で商取引をする 「商取引」「電子的なネットワーク」
SFA 営業活動をITで支援する 「営業の効率と品質」
リテールサポート メーカや卸が小売店の経営を手伝う 「小売店の経営活動を支援」
ERP 会社全体の資源をまとめて計画・管理する 「経営資源を総合的に」

EDI:企業間で「同じ書式の伝票」を機械同士でやり取りする

**EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)**は、企業同士が受発注・出荷・請求などのデータを、標準的な規約に沿ってネットワーク経由でコンピュータ間で交換する仕組みです。人が紙の伝票を書いてFAXする作業を、システム同士の自動的なやり取りに置き換えます。

たとえるなら、取引先ごとに書き方が違う注文書をやめて、業界共通の注文書フォーマットを決めるようなものです。書式が共通なので、受け取った側のシステムがそのまま読み込めます。

試験では、EDIの説明文の横に通信まわりの別サービスの説明が並びます。

用語 一言で 見分けるキーワード
EDI 企業間の取引データを標準規約で交換する 「商取引のデータ」「標準的な規約」「コンピュータ間」
VAN(付加価値通信網) データの蓄積や形式変換などを加えた通信サービス 「付加価値」「フォーマット変換」
EOS(電子発注システム) 端末から発注情報を入れて本部や仕入先に送る 「発注」「データエントリ端末」
MHS(メッセージ通信処理システム) OSIに基づく電子メールサービスの規格 「電子メール」「OSI」
CA(認証局) デジタル証明書を発行する機関 「証明書」
SSL/TLS 通信を暗号化する仕組み 「暗号化」
XBRL 財務情報を記述するための言語 「財務情報」「XML」

「企業間でデータ交換する仕組みはどれか」と問われたらEDIです。CA・SSL・XBRLもECに関係する用語ですが、役割が違います。

これまで:紙の伝票をFAX企業A人が書くFAXの注文書書式が会社ごとに違う企業B人が打ち直すEDI:コンピュータ同士で交換企業Aコンピュータ共通書式のデータ標準的な規約に沿う企業Bそのまま読込交換するデータの例受発注出荷請求
紙の伝票をFAXして打ち直すやり方を、標準的な規約に沿ったデータのやり取りに置き換えるのがEDI。

EDIの4つの規約:「何を決めるか」で区別する

EDIを始めるには、取引する企業同士で4種類の取決め(規約)をそろえます。試験で一番よく問われるのは情報表現規約=メッセージの形式です。

規約 何を決めるか たとえ
情報伝達規約 通信回線の種類、伝送制御手順(通信の手順) 線をつなぐ
情報表現規約 メッセージの形式、データのコードなど、互いのコンピュータが内容を理解できるようにする決まり 書式を合わせる
業務運用規約 システムの運用時間、障害時の対応など業務の進め方 運用を決める
取引基本規約 取引の契約内容、法的な有効性 契約する

表の上から順に「線をつなぐ → 書式を合わせる → 運用を決める → 契約する」と覚えます。この並びは覚えやすさのためのもので、規約同士に上下関係があるわけではありません。

EDIFACT(JIS X 7011)は、国際的に使われるEDIの標準で、標準メッセージなどデータの表し方を定めています。つまり情報表現規約の側に入ります。「回線や伝送手順」「運用の取決め」「契約書」を説明した選択肢は、ほかの3つの規約のことなので選びません。

XBRL:財務情報のためのXML

**XBRL(eXtensible Business Reporting Language)**は、XMLを財務情報の交換に応用したデータ記述言語です。決算書の「売上高」「純利益」などの項目に共通のタグを付けるので、どの会社の財務データでもシステムで集計・比較できます。

XMLは、データの意味や構造をタグで書き表すためのマークアップ言語(タグで印を付ける言語)です。XBRLは、そのXMLの書き方を財務報告向けに決めたものです。

用語 何のためのものか
XBRL 財務情報をやり取りするための言語(XMLベース)
XML データの構造を記述するマークアップ言語(汎用)
HTML Webページを記述する言語
PDF レイアウトやフォントまで保ったまま文書を表示する形式

選択肢に**「XML」と「財務」が両方入っていればXBRL**です。

決算書の項目に共通のタグを付けるA社の決算書<売上高><純利益>B社の決算書<売上高><純利益>システムで集計・比較どの会社も同じタグで読めるXBRL=XMLを財務情報に応用
どの会社の決算書も同じタグで項目に印を付けるので、システムがそのまま集計・比較できる。

ネット上の取引の形:だれが条件を出すかに注目

逆オークションは、買い手が欲しい品物と条件(価格など)を出し、売り手がそれに応じる取引です。普通のオークションは売り手が品物を出して買い手が値を競いますが、逆オークションは向きが逆になります。たとえるなら、「この予算でこれを作ってくれる人」と依頼主が募集し、業者が名乗り出る形です。

eマーケットプレイスは、ネット上に開かれた市場で、たくさんの売り手とたくさんの買い手が出会い、問屋など中間の業者を通さずに直接取引する仕組みです。

用語 一言で 見分けるキーワード
逆オークション 買い手が条件を出し、売り手が応じる 「買いたい品物と購入条件を提示」
eマーケットプレイス ネット上の市場で多数の売り手・買い手が直接取引する 「多くの売手と買手」「中間流通業者を介さず」
バーチャルモール 複数のネットショップが集まった商店街 「仮想商店街」
B to B 企業と企業の取引 取引する主体の組合せ
B to C 企業と消費者の取引 取引する主体の組合せ
C to C 消費者同士の取引(フリマなど) 取引する主体の組合せ
G to C 行政と市民の間のやり取り 取引する主体の組合せ
O2O ネットで集客し、実店舗に来てもらう 「実世界の店舗に誘導」
SCM 調達から販売まで、取引先と情報を共有して全体を最適化する 「原材料の調達から製品の流通まで」

B to B・G to Cなどは「だれとだれが取引するか」の区分で、条件をだれが出すかは表しません。

普通のオークション売り手品物を出す品物買い手たち値を競う逆オークション(向きが逆)買い手条件を出す品物と購入条件応じる売り手たち名乗り出る条件を出すのが買い手なら逆オークション
普通のオークションは売り手が品物を出し、逆オークションは買い手が品物と条件を出して売り手が応じる。

お店の形:クリックアンドモルタルとフランチャイズチェーン

クリックアンドモルタルは、実店舗とネット販売の両方を持つ企業です。クリック(ネット)とモルタル(建物の壁)を組み合わせた言葉です。

用語 販売の場
クリックアンドモルタル 実店舗+ネット
ブリックアンドモルタル 実店舗だけ(ブリック=れんが)
ドットコム企業 ネットだけ

フランチャイズチェーンは、本部が加盟店から対価(ロイヤルティ)を受け取り、商標を使う権利と経営指導を提供する形です。

用語 だれが中心か
フランチャイズチェーン 本部が加盟店に商標の使用権と指導を与え、対価を受け取る
ボランタリーチェーン 卸売業者が中心になり、独立した小売店が自分から参加する
コーペラティブチェーン 小売店同士が集まって組織をつくり、共同で仕入れなどをする

要点(試験直前に読む)

  • EC=商取引をネットワーク上で行うこと全般。EDI=企業間の取引データを標準規約に沿ってコンピュータ同士で交換すること。
  • EDIの4つの規約:情報伝達(回線・伝送手順)/情報表現(メッセージ形式)/業務運用(運用時間)/取引基本(契約)。最頻出は「情報表現規約=メッセージの形式」。
  • EDIFACT(JIS X 7011)は標準メッセージを定めるもので、情報表現規約の側に入る。
  • XBRL=XMLを財務情報の交換に応用した言語。「XML+財務」で即決。
  • 逆オークション=買い手が条件を出し、売り手が応じる。eマーケットプレイス=多数の売り手と買い手が中間業者なしで直接取引する。
  • クリックアンドモルタル=店舗+ネット。フランチャイズ=本部が対価を受け取り、商標の使用権と経営指導を与える。

ひっかけ

  • EDIの説明問題では、VAN(付加価値通信サービス)・EOS(端末からの発注)・MHS(電子メール規格)の説明が並ぶ。「商取引のデータ」と「標準的な規約」の両方が入った選択肢を選ぶ。
  • 情報表現規約の問題では、伝送制御手順(情報伝達規約)・運用時間(業務運用規約)・契約内容(取引基本規約)が並ぶ。「形式」「お互いのコンピュータで理解できる」がキーワード。
  • 逆オークションの問題では、B to B・G to C・バーチャルモールが並ぶ。これらは取引主体や店の形の区分で、「買い手が条件を提示する」という意味は持たない。
  • eマーケットプレイスの問題では、O2O(実店舗へ誘導)・SCM(調達から流通の全体最適)・EDI(データ形式の統一)が並ぶ。「多くの売手と買手」「中間流通業者を介さず」が決め手。
  • フランチャイズの問題では、ボランタリーチェーン(卸売業者が主導)とコーペラティブチェーン(小売店同士が主宰)が並ぶ。「本部が対価を徴収して商標を使わせる」ならフランチャイズ。

用語(16)

EC Electronic Commerce(電子商取引)
消費者向けや企業間の商取引を、インターネットなどの電子的なネットワークを使って行うこと。
⚠ SFA(営業支援)やERP(経営資源の統合管理)と混同しやすい。ECの説明には「商取引」と「ネットワーク」が入っている。
EDI Electronic Data Interchange(電子データ交換)
企業間の受発注や請求などの取引データを、標準的な規約に沿ってネットワーク経由でコンピュータ同士がやり取りする仕組み。
⚠ VANは「付加価値を加えた通信サービス」、EOSは「端末から発注するシステム」。EDIの説明には「標準的な規約」「データ交換」が入っている。
情報表現規約 じょうほうひょうげんきやく
EDIで、メッセージの形式やデータのコードなど、互いのコンピュータがデータを理解できるようにするための取決め。
⚠ 伝送制御手順は情報伝達規約、運用時間は業務運用規約、契約内容は取引基本規約が決める。
情報伝達規約 じょうほうでんたつきやく
EDIで、通信回線の種類や伝送制御手順など、データを送り届ける方法についての取決め。
⚠ 「メッセージの形式」は情報表現規約。伝達規約は通信の手順だけを決める。
業務運用規約 ぎょうむうんようきやく
EDIで、システムの運用時間や障害時の対応など、業務とシステムの運用についての取決め。
⚠ 契約や法的有効性は取引基本規約が決める。
取引基本規約 とりひききほんきやく
EDIで、取引の契約内容や電子データの法的な有効性についての取決め。
⚠ 業務運用規約(運用時間など)と混同しやすい。「契約」「法的」と書かれていれば取引基本規約。
EDIFACT Electronic Data Interchange For Administration, Commerce and Transport(JIS X 7011)
国際的に使われるEDIの標準で、標準メッセージなどデータの表し方を定めたもの。
⚠ 回線や伝送手順の取決めではない。情報表現規約の側に入る。
VAN Value Added Network(付加価値通信網)
データの蓄積やフォーマットの変換などのサービスを、通信に上乗せして提供するネットワークサービス。
⚠ EDIは「データ交換の仕組みそのもの」。VANはそれを支える通信サービス。
EOS Electronic Ordering System(電子発注システム)
店舗の端末から発注データを入力し、本部や仕入先に送って発注するシステム。
⚠ EDIは受発注を含む取引データ全般を標準規約で交換する仕組みで、EOSより範囲が広い。
XBRL eXtensible Business Reporting Language
XMLを財務情報の交換に応用した、財務報告用のデータ記述言語。
⚠ XMLそのもの(汎用のマークアップ言語)、HTML、PDFと混同しやすい。「財務情報」が入っていればXBRL。
XML eXtensible Markup Language
データの意味や構造をタグで書き表すための汎用のマークアップ言語。
⚠ 財務情報向けに応用したものがXBRL。
eマーケットプレイス いーまーけっとぷれいす
ネット上の市場で、多数の売り手と買い手が中間業者を通さずに直接取引する仕組み。
⚠ バーチャルモールはネットショップが集まった商店街、O2Oはネットから実店舗へ人を誘導する手法、SCMは調達から流通までの全体最適。
逆オークション ぎゃくおーくしょん
買い手が欲しい品物と条件を出し、売り手がそれに応じる取引形態。
⚠ B to B、G to Cは取引主体の組合せの区分、バーチャルモールは店の集まり。「買い手が条件を提示」なら逆オークション。
B to B / B to C / C to C / G to C Business to Business / Business to Consumer / Consumer to Consumer / Government to Citizen
電子商取引を、取引する主体(企業・消費者・行政)の組合せで分けた呼び方。
⚠ 取引の進め方(だれが条件を出すか)は表さないので、逆オークションの問題では正解にならない。
クリックアンドモルタル Click and Mortar
実店舗での販売とネット販売の両方を行う企業。
⚠ ブリックアンドモルタルは実店舗だけ、ドットコム企業はネットだけ。
フランチャイズチェーン Franchise Chain
本部が加盟店から対価を受け取り、商標の使用権を与えて経営指導・援助を行う組織形態。
⚠ ボランタリーチェーンは卸売業者が中心で小売店が自分から参加する形、コーペラティブチェーンは小売店同士が共同で組織をつくる形。

このレッスンの過去問

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