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サービスマネジメント・3/8・12分

変更・構成管理と日々の運用作業

ゴール

変更管理・構成管理・移行・日々の運用ツールについて、「記録を残す」「影響を確かめてから動く」「早くから一緒に動く」という3つの原則で、科目Aの選択肢を見分けられるようになる。シフト勤務の最少人数も自力で計算できるようになる。

このテーマの選択肢には「深夜に必ず実施」「全員に連絡」「変更は禁止」のような極端なルールが並び、正解は現実的で筋のよい運用になっていることがほとんど。原則さえ押さえれば知識が少なくても正解を選べるので、得点しやすい分野です。

このレッスンで稽古する(用語チェック・過去問)

結論:運用の正解は「記録する・確かめる・早く組む」

このレッスンの問題は、ほぼ次の3原則で解けます。

  1. 記録する:変更した内容や構成(何がどこにあるか)は必ず書き残し、最新の状態に保つ
  2. 確かめる:影響を確かめてから変更・廃止する。確かめる順番は土台から上へ
  3. 早く組む:運用部門は完成後に引き継ぐのではなく、要件定義の段階から参加する

逆に「必ず深夜」「常に全員」「一切変えない」「全部止める」のように極端な言い切りの選択肢は、まず誤りです。

変更管理と構成管理の違い

変更管理は「システムを変えるときの手続き」、構成管理は「いま何がどうつながっているかの台帳づくり」です。家のリフォームでたとえると、工事の申請・記録が変更管理、間取り図と設備の一覧が構成管理にあたります。工事をしたら間取り図も書き直す、という関係です。

観点 変更管理 構成管理
目的 変更を安全に行う(影響評価・承認・記録) 構成要素とその関係を正確に把握し続ける
扱うもの 変更依頼・変更内容・実施記録 機器管理台帳・ネットワーク図・ソフトウェア一覧など
試験の正解の型 変更内容は必ず記録(障害の原因究明に使える) 構成情報を適時更新しておく/廃止時は共有資産を識別

変更の記録が役立つ理由は、障害が起きたとき「直前に何を変えたか」が原因究明の最大の手がかりになるからです。変更依頼は到着順ではなく、影響と緊急度から優先度を決めて処理します。

変更管理構成管理変更依頼影響評価・承認実施・必ず記録機器管理台帳ネットワーク図など書き直す障害発生記録をたどる直前に何を変えたか
変更したら必ず記録して台帳を書き直す。障害が起きたら、その変更の記録をたどって「直前に何を変えたか」を調べる。

サービス廃止時の資産の識別

ITサービスをやめるときは、使っていた資産(サーバ・ディスク・ライセンスなど)を洗い出して整理します。ここで怖いのは別のサービスと共有している資産を誤って消すことで、共有先のサービスが止まりインシデント(サービスの中断や品質低下)が起きます。

ミスの方向 起きること
消すべきでない資産を消した 共有している別のITサービスでインシデント発生
消すべき資産を残した ディスク領域・保守料金・ライセンス料の無駄

試験では「消しすぎ」を問うているのに「残しすぎ」の結果(無駄遣い)を並べてきます。問題文がどちらの方向のミスかを先に確認しましょう。

サービスA(廃止)サービスB(継続)Aの専用サーバ共有ディスクBの専用サーバ消してよいAだけが使う消すとBでインシデント残すBが使い続ける廃止の前に「共有」を見分ける
サービスAを廃止するとき、Bと共有しているディスクまで消すとBでインシデントが起きる。

ネットワーク構成の変更に備える

運用を始めたネットワークも、拠点の追加や機器の入れ替えで必ず変わります。いつでも安全に変更できるよう、機器管理台帳やネットワーク図を適時更新しておくのが正解です。

ひっかけは「運用開始後は構成を変えない」「全業務を止めてから変える」「ベテランに任せる」のような非現実的なルールです。属人化(特定の人しか分からない状態)を防ぐのが台帳と図の役割です。

OSバージョンアップは「土台から上へ」確かめる

システムは積み木のように重なっています。一番下がOS、その上にデータベース(DB)、さらにその上で業務アプリケーションが動きます。OSを替えたら、すぐ上のDBが動くか → その上のアプリが動くかの順に確認し、問題がなければバージョンアップします。

層 確認の順番
業務アプリケーション ③ 最後に確認
データベースシステム ② 次に確認
OS(新バージョン) ① 入れ替える土台

「サポートが終わるから検証なしですぐ更新」「同じメーカだから問題ないはず」は誤りです。確認を省いたり、一部の層だけ確認したりする選択肢を外しましょう。

【最頻出】開発部門と運用部門の協働

このレッスンで一番出ているテーマです(本試験2回・免除8回)。開発部門と運用部門が別組織だと、完成してから「こんな運用はできない」と分かる事故が起きがちです。そこで正解は、運用部門も要件定義・開発の段階から参加し、運用のしやすさ(運用性)の観点で要件を出したり助言したりすることです。

要件定義をする人なら、「運用チームを最初の要件定義に呼んでおけば、監視項目やバックアップ時間の要件が漏れない」と考えると分かりやすいでしょう。

選択肢のパターン 判定 理由
運用部門も要件抽出・開発に積極的に参加する ◯ 早い段階から協働できる
運用テストの完了後に開発部門が説明する × 遅すぎる
運用テストを運用部門だけで実施する × 協働していない
開発部門が運用テスト・マニュアル作成をして引き渡す × 運用部門が関わっていない

見破り方は単純で、「両部門が・早い段階から関わっているか」を見ます。「後で」「だけで」「〜が作って引き渡す」はすべて×です。この問題は年度をまたいで、ほぼ同じ選択肢で繰り返し出ています。

時間 →要件定義設計開発運用テスト運用開始◯ 早い段階から一緒に開発部門運用部門(要件定義から参加)× 遅すぎる開発部門完了後に説明を受けるだけ運用部門見るのは「両部門が・早くから」
開発部門は要件定義〜運用テストを担当する。運用部門が要件定義から並んで参加するのが正解で、運用テスト完了後の運用開始で説明を受けるだけでは遅すぎる。

日々の運用を助けるツール

たくさんのPCを少人数で管理するために、クライアント管理ツールを使います。機能ごとの役割を区別させる問題が出ます。

機能 何をするか 向いている用途
インベントリ収集 各PCのハード・ソフト情報を自動で集める 業務に関係ないソフトや、ライセンス違反の検出
遠隔操作 離れたPCを画面越しに操作する 利用者のサポート
ソフトウェア配信 ソフトや更新プログラムを一斉に配る 配布・インストール
Wake on LAN LAN経由で電源の入っていないPCを起動する 夜間など遠隔地のPCのソフトウェア保守

「検出したい」ならインベントリ収集、「電源を入れたい」ならWake on LANです。Wake on LANは起動するだけの機能なので、誤動作の検知・トラフィック管理・不正アクセスの監視といった監視系の選択肢は誤りです。

運用のアウトソーシングとシフトの人数

アウトソーシング(外部委託)でシステム運用を外に出す最大の利点は、自社の情報システム部門を企画や開発に専念させられることです。「いつでも自社運用に戻せる」「問題を把握しやすい」「自社で対応しやすい」は、ノウハウが社外に出るぶん、むしろ逆になります。

24時間365日の有人運用は、シフト勤務の最少人数を計算させる問題として出ます。下の例題で手順を確認しましょう。

例題 1

24時間365日のオペレーターは最少何人か

“24 時間 365 日”の有人オペレーションサービスを提供する。シフト勤務の条件が次のとき,オペレーターは最少で何人必要か。 〔条件〕 (1) 1 日に 3 シフトの交替勤務とする。 (2) 各シフトで勤務するオペレーターは 2 人以上とする。 (3) 各オペレーターの勤務回数は 1 週間 (7 日間) 当たり 5 回以内とする。

ア 8
イ 9
ウ 10
エ 16

出典:基本情報技術者試験 科目A免除 修了試験 20250608 実施分 問44

解き方と答えを見る
  1. 1日に必要な勤務枠を数える:3シフト × 各2人 = 6人回/日
  2. 1週間(7日)に必要な延べ勤務回数を出す:6人回 × 7日 = 42回/週
  3. 1人が週に勤務できる上限で割る:42回 ÷ 5回/人 = 8.4人
  4. 人数は小数にできず、8人では 8 × 5 = 40回 < 42回 で足りないので切り上げる:9人(9 × 5 = 45回 ≧ 42回)

答え:イ:9人(端数は必ず切り上げる。切り捨ての8人は、2回分が足りず条件を満たさない)

例題 2

OSバージョンアップの判断手順

データベースシステムと業務アプリケーションが稼働しているサーバの OS のバージョンアップの案内が届いた。バージョンアップを行うか否かの判断のうち,適切なものはどれか。

ア 業務アプリケーションは長期間使用しているが,データベースシステムは比較的新しいので,OS とデータベースシステムの相性をチェックしバージョンアップをする。
イ 今回のバージョンアップに伴い現在使用している OS はサポート終了となるので,すぐにバージョンアップをする。
ウ データベースシステムは,OS のメーカが提供するデータベース管理機能を使っているのでトラブルはないと判断し,業務アプリケーションと OS の関係を調査し,問題がなければバージョンアップをする。
エ バージョンアップされた OS でのデータベースシステムの稼働を確認した後に,業務アプリケーションの稼働を確認し,問題がなければバージョンアップをする。

出典:平成21年度 春期 基本情報技術者試験 午前 問57

解き方と答えを見る
  1. システムの層を下から並べる:OS → データベースシステム → 業務アプリケーション
  2. 新しいOSの上で、すぐ上の層のデータベースシステムが動くか確認する
  3. 次に、その上の業務アプリケーションが動くか確認する
  4. すべて問題がなければバージョンアップする(サポート終了でも検証は省かない)

答え:エ:新OSでDBの稼働を確認 → 業務アプリの稼働を確認 → 問題なければバージョンアップ

要点(試験直前に読む)

  • 変更内容は必ず記録する(障害の原因究明の手がかりになる)。構成情報(台帳・ネットワーク図)は適時更新しておく
  • サービス廃止で共有資産を誤って消すと、別サービスでインシデントが起きる。消し忘れ(残しすぎ)は無駄遣い
  • OSを替えたら、下から順にDB → 業務アプリの稼働を確認してからバージョンアップする
  • 【最頻出】開発と運用が別組織なら、運用部門も要件定義・開発の段階から参加する
  • 不要ソフトの検出はインベントリ収集。電源OFFのPCを遠隔起動して保守するのはWake on LAN
  • 運用アウトソーシングの利点は、自社部門を企画・開発に専念させられること。シフト人数は延べ回数 ÷ 上限で、端数は切り上げ

ひっかけ

  • 「必ず深夜」「常に全社員」「一切変更しない」「全業務を停止」のような極端な言い切りは、まず誤り
  • 開発・運用の協働問題では「テスト完了後に説明」「運用部門だけで」「開発部門が作って引き渡す」が×。両部門が早期に関わる選択肢を選ぶ
  • 資産廃止の問題は、問われているのが「消しすぎ」か「残しすぎ」かを先に確認する(無駄遣い系の選択肢は残しすぎの結果)
  • Wake on LANやクライアント管理ツールの問題では、「起動・収集・配信・操作」という機能そのものと、監視・検知という別の用途をすり替えてくる
  • シフト計算は8.4人を切り捨てて8人にするのが典型的なミス。人数は必ず切り上げる

用語(14)

変更管理 へんこうかんり
システムへの変更を、影響評価・承認・記録の手続きに沿って安全に行う管理活動。
⚠ 構成管理は「いまの構成を正確に把握する」活動。変更管理は「変える手続き」、構成管理は「台帳」と覚える。
構成管理 こうせいかんり
ハード・ソフト・ネットワークなどの構成要素とその関係を記録し、常に最新に保つ管理活動。
⚠ 変更管理と組で出る。台帳・図・資産の識別の話なら構成管理。
インシデント incident
ITサービスの予定外の中断や品質低下のこと。
⚠ 問題(problem)はインシデントの根本原因のこと。発生した事象そのものがインシデント。
機器管理台帳 ききかんりだいちょう
どの機器がどこに何台あり、どんな設定かを一覧にした記録。
ネットワーク図 ねっとわーくず
機器どうしの接続関係を図にしたもので、構成変更の前提になる資料。
OSのバージョンアップ おーえすのばーじょんあっぷ
OSを新しい版に入れ替えることで、上で動くDBやアプリへの影響を下の層から順に確認してから行う。
移行 いこう
開発したシステムやサービスを本番運用の状態へ切り替えること。
運用性 うんようせい
監視・バックアップ・障害対応などの運用作業のしやすさ。
運用テスト うんようてすと
本番に近い環境で、実際の運用手順どおりにシステムを動かせるか確かめるテスト。
⚠ 運用部門だけで行う、または開発部門だけで行う選択肢は誤り。両部門で協働する。
クライアント管理ツール くらいあんとかんりつーる
多数のPCの情報収集・遠隔操作・ソフト配信などをまとめて行う管理ソフト。
インベントリ収集 inventory しゅうしゅう
各PCのハードウェア・ソフトウェア情報を自動で集める機能で、不要なソフトの検出に使う。
⚠ ソフトウェア配信は「配る」機能、遠隔操作は「操作する」機能。「見つける」のはインベントリ収集。
ソフトウェア配信 そふとうぇあはいしん
ソフトや更新プログラムを管理サーバから各PCへ一斉に配布する機能。
⚠ インベントリ収集と取り違えやすい。検出が目的なら配信ではない。
Wake on LAN WOL(Wake on LAN)
LAN経由の信号で、電源の入っていないPCを遠隔から起動する機能。
⚠ 監視や検知の機能ではない。用途は遠隔地のPCのソフトウェア保守などの「起動が必要な作業」。
アウトソーシング outsourcing
業務の一部を外部の専門業者に委託すること。
⚠ 利点は「自社部門を企画・開発に専念させる」こと。元に戻しやすい・自社対応しやすい、は逆。

このレッスンの過去問

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